新曲公開「二条河原ノ落書」
久々の自作品の投稿・公開になります。
ボカロ曲ということで、作編曲に全振りした渾身の楽曲です。
有名な古典を題材に、和ポップ曲を作りました。
時は中世、鎌倉幕府が倒れて後醍醐天皇による建武の親政が始まった翌年、京の二条河原に落書(らくしょ・社会風刺や体制批判の文)が掲げられた。
七五調・八五調を取り混ぜた全文八十八節を古文のまま和ポップに仕立て、きりたんが歌い演じきる!
浜渡浩満氏による作画約90枚(東北きりたんのコスプレ一人芝居)、サウンドは和楽器(笙、篳篥、鉦鼓、羯鼓、琴、三味線、龍笛、篠笛、尺八)ポップ、ジャズ要素、エレクトロ(語りパートあり)要素、バロック風、ロックなど多様なパート構成でお届けします。
建武の親政(新政)は、後醍醐天皇が公家と武家の体制の結合を意図した政治です。公家寄りの施策であったり、鎌倉から押し寄せて来た武士達やバサラと呼ばれる人々の振る舞いなどによって混乱が生じ、親政はわずか2年半で終わりました。(1333~1336年)
この時期の洛中の混沌とした様子を八五調・七五調を取り混ぜた長歌形式で描写、風刺した「二条河原落書」は、落書史中における比類なき傑作、当時の京都の風俗を知る上での一級史料とされています。文中に「京童の口ずさみ」とあり、作者は京童(=当時の京都市民)という仕立てになっていますが、漢詩や和歌、今様の要素を引いた内容が見られることから、一定以上の教養のある人物(下層公家・僧・一部の京童など)の作であると想定されます。
※動画内では、二条河原落書の掲出を建武ニ年としました。(建武元年説もあり)
「二条河原ノ落書」
歌 : KIRITAN(NEUTRINO)
作曲・編曲・動画編集:caponyan
前景イラスト:浜渡浩満 (Special Thanks!)
背景絵:Free licensed materials such as "illustAC"
詞:建武記より(古文典籍・作者不明) 一部の仮名使い及び表記は複数の出典によって揺れがあるため、発音も含め、caponyanの解釈・判断による表現となっています。
出典:「建武記」(国立国会図書館デジタルコレクション)
「群書類従(新校)」(国立国会図書館デジタルコレクション) 「私本太平記・建武らくがき帖」(吉川英治・青空文庫)
「京都市ホームページ・文化史08」
「二条河原の落書」(Wikipedia) 2024年制作
作曲解説:下記アメブロリンク
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