見出し画像

ハインリヒ十三世はなぜ逮捕されたのか 1

2022年12月、ライヒスビュルガー(帝国臣民)運動に属する二十五人がクーデター未遂の容疑で逮捕された。首謀者とされるハインリヒ 13 世プリンツ ロイスは、「ドイツの実業家であり、極右で君主主義者の活動家。元貴族でライヒスビュルガー運動と反ユダヤ陰謀論の支持者である。」という事だが、証明できる襲撃や誘拐のプランも見つかっておらず、具体的証拠は乏しい。
また、逮捕者のうちの多くは年金生活を送る高齢者で、体力的に、彼等が国家転覆のクーデターを起こすのは難しいだろうと言われている。
3000人の警官及び対テロ特殊部隊GSG9が動員されたといわれる国家転覆容疑者の逮捕劇を、たったの3メートル先から報道する主要メディアのカメラ位置の不自然さも目についた。

失敗した難民政策への批判を躱すための偽旗?

実はこの逮捕劇の直前に、バーデン ヴュルテンベルク州アルプ ドナウ地区にある町Illerkirchbergで、エリトリアからの難民により14歳の少女が殺害された。この殺人事件に世間の目が行かないようにするための偽旗だ、という説があった。


政治家出身の裁判官を逮捕 AfDに対するネガティブ・キャンペーン?

「Reichsbürger」に対する全国的な襲撃で逮捕された容疑者の中には、ベルリンの裁判官、元連邦議会議員のビルギット・マルサック・ヴィンケマンもいた。ヴィンケマンは、1996年からベルリン州で生涯裁判官を務め、2021年までAfD党員として連邦議会に座っていた。彼女は「Reichsbürger」グループが革命を成し遂げた後、新政府の法務大臣になることになっていたとされる。
また独シュピーゲル誌によると、彼女はスポーツシューターとして銃を何丁か持っているとされた。
彼女の所属していたAfD(ドイツのための選択肢)党は、コロナ規制・ロックダウン・ワクチン強制などを批判し、ウクライナ戦争に於いてはドイツのレオパルト戦車等の武器供与に最後まで反対した。つまり、現連立政権にとっては目の上のたんこぶ的なAfDに反社会的な極右組織のレッテルを貼り、評判を落とすための偽旗だったという見方もできるわけだ。
しかし実際にはそういった努力も功を奏さず、現連立政権が壊滅的な政策を推し進めた事でかえってAfD支持者が増えているのが現状である。(2023年5月)
https://twitter.com/captain82935407/status/1660872990291001346


親ロシア派への見せしめ?

巨大な軍需産業のロビイストを抱え、ウクライナへの恒久的な軍事支援がしたいドイツの現政権にとってロシア側の主張を流す輩はみんな敵である。
例えばロシアのメディアRT(Russia Today)ドイツ語版ライブストリーム放送は、始まった途端にバンされた。
連邦議会でAfDの政治家が反戦を唱えると、決まってクレムリンのスパイだのAfDはナチだのという声が上がる。
今回のクーデター未遂の首謀者とされるハインリヒ 13 世はロマノフ家の遠縁にもあたり、ロシアとの繋がりが強い。
現ドイツ政府は、影響力の強い人物がロシアとウクライナについての真実を公の場で話す事を、なんとしても食い止めねばならないのだ。

『ドイツが実は主権国家ではない』という事実を隠すための偽旗?

ハインリヒ13世は、2019年ロシア外務省からの招待を受けてジュネーブに行き、その時障害者に関するスピーチ中でも「ドイツ国家の不存在」について直接国連に訴えている。ライヒスビュルガーの主張する「ドイツ国家の不存在」は、彼等がネオナチであるという出鱈目を主要メディアがでっちあげるための根拠として引用され、それ自体は陰謀論として葬り去られるのが常だが、メルケル元ドイツ首相が「Deutschland という主権国家は本当は存在しないのではないか」という質問に答えず、ひたすら沈黙を通したという事実だけはしっかりと残っている。
ハインリヒ十三世のスピーチの動画と、冒頭の挨拶、及び後半のドイツの不存在に関する部分の日本語訳を載せておく。

冒頭挨拶部分:
「紳士淑女の皆様、こんにちは。
国連が障害者の問題を取り上げたのは良いことです。
私の家系は、先祖がガリシアのスヴェトコフスキー王子とロシアの王女の娘であるマリア・スヴィエトフスカ王女と結婚したことに由来します。 母を通してロマノフ家と親戚であり、それが私が親ロシアである理由のひとつでもあります。
私はダウン症、つまり21トリソミーの娘を持つ父親でもあるので、私たちの日常生活についてお話しすることができます。」

(中略)

ドイツ国家の不存在について 動画4:38秒あたりから:
「さて、いくつか政治的な話をします。
ドイツDeutschland は、ゲンシャー外相によって1990年に国連から一度登録が解除され、Germanyとしてライセンス契約が再び登録されています。ですから国連のみなさんは、私が今話しているテーマに関心を持つべきなのです。

ドイツは現在、国際法上主権国家ではありません。なぜなら、ドイツは順調にスタートした新国家として国連憲章に登録されており、未だに憲法もなく、第二次世界大戦後に連合国がドイツの統一経済圏の行政命令として作成した基本法のみが支配しています。
連合国側が、今日のドイツの主権について語るとき、経済的な主権について語るのはこのためです。
連合国の統一された経済領域における経済的な主権ということです。

皆さん、私の理解では、ハーグ陸戦条約に基づく占領期間は50年から60年であり、第二次世界大戦が終結し、平和条約がないまま74年目を迎えた今、私たちは次のような状況にいるのです。

すなわち商法では、ドイツの統一経済領域においても人間はモノとして扱われ、神によって与えられた存在としては扱われません。
モノであるために、つまり担保であるために、基本的な権利を有さないのです。
おそらくこれで、なぜ人が物のように扱われるのか、そして裁判所はXYZというものを扱い、人間そのものを扱わないのか、その理由も明らかになったでしょう。
私たちの家の紋章は、ドイツ帝国の他の諸侯の紋章とも関連しています。
ドイツ帝国の紋章は、ドイツのライヒスタークで見ることができます。
1918年までは、当時施行されていた法律によれば、人間はまだ人間であり、物ではありませんでした。
人間であり、物ではない。
おそらく、こうした国際法の構造を再活性化するべきなのでしょう。

みなさん、どう思われますでしょうか?
それは極めて簡単なことなのです。
法によって設立されたドイツ帝国は、国際法上存在しなくなったわけではなく、いまも存続し続けています。
必要なのは、ドイツ人のための新しい憲法と、平和条約を締結できるような行政機構だけです。
私の話を通じて、皆さんを「人なのか、物なのか」というテーマに感化させることが出来たのなら、私はとても嬉しく思います。

ご清聴ありがとうございました。」

第2部では、この主張が単なる陰謀論で済むのか深読みしていこうと思う。















この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?