見出し画像

Aqoursぬまづフェスに見た体験型エンタメと2.5次元の究極系


5/13〜6/5の9日間(初日以外土日のみ)
計18公演、よみうりランドで開催された
「Aqoursぬまづフェス」に参加しました。
イベントの細かい話は前回の記事で書いたので
この記事では、ぬまフェスに参加した事で感じたことや
ぬまフェスのどういう所が凄かったのかを
これまでの歴史を振り返りつつ紐解いていきたいと思います。

例によってまぁ長いと思います。

■SCRAP×ラブライブ!サンシャイン!!

SCRAPは一言で言うと「リアル脱出ゲーム」を企画運営している会社です。
これまでにも様々な作品とのコラボ企画を手掛けてきました。
そんなSCRAPがラブライブ!サンシャイン!!と初めてコラボしたのが2018年に開催された

リアル脱出ゲーム×ラブライブ!サンシャイン !!
『孤島の水族館からの脱出』
~消えた宝物を取り戻せ!~

脱出に失敗したら淡島で地下労働をさせられるという噂のアレです。

さらに淡島での脱出ゲーム開催を記念して同年に開催されたのが

東京ミステリーサーカス×ラブライブ!サンシャイン!!コラボ企画
『Aqoursからの挑戦状!』

ちなみにぼくは未だにCYaRon!の最後の謎解きをクリア出来ていません。

そして2019年には全国5ヶ所のZeppで

リアル脱出ゲーム×ラブライブ!サンシャイン!!「学校祭ライブ中止の危機からの脱出」

が開催されました。

いずれのイベントも作品世界への没入感という点でとても緻密に作られています。
例えば淡島での脱出ゲームはメンバーの音声を聴きながら淡島を歩く事になるので、
本当にAqoursのメンバーと一緒に行動しているように感じます。
特にとある演出は多くの人を唸らせたのですがネタバレNGの為詳細に書けないのがもどかしい。

Aqoursからの挑戦状では各ユニットのグループLINEに参加して、
メンバーとLINEでトークしながら、時には新宿の街を歩き回りつつ
謎解きを進めていくことになります。

学校祭ライブではキャストの方(Aqoursのじゃないよ)が
「浦女の学校祭へようこそー!」というような声かけをしてくれたり、
本当に浦女の学校祭に来ているような感覚になりました。
こちらも専用アプリを使ってAqoursを助けていくことになります。

そしてこれが1番の肝。
淡島と学校祭ライブでは参加者が「助っ人さん」として行動しました。
(Aqoursからの挑戦状はちょっと毛色が違う)
ラブライブ!サンシャイン!!の世界に明確な役割を持った人物として入り込むことが出来る。
観測者としてイベントを楽しむのではなく、
登場人物としてイベントを楽しめるのです。

個人的にSCRAPとのコラボがここまで支持を集めた要因の1つが、
この助っ人さん制度なんじゃないかなと。

■Aqoursぬまづフェスとはなんぞや

そんなSCRAPが新たに手掛ける「体験する物語project」の第1弾として
ラブライブ!サンシャイン!!とタッグを組み
「輝け!Aqoursぬまづフェスティバル in よみうりランド」
の開催が発表されたのが2月末のこと。
安心と信頼のSCRAPとのコラボなので絶対楽しいに違いない。
違いない…んだけど、正直最初はいまいちイベントの方向性が見えなかったんです。
どうも今までみたいな謎解きをする脱出ゲームの類じゃないっぽいし。
何なら開催が発表された時、ぼくは

ダイマリがイチャイチャしてんなぁ
というダメなオタクのツイートをしていました。

とは言え、行かないという選択肢はないので
イベント被りもなく仕事も入らなそうな6/4の午後の部のチケットを
前売りの販売が始まると同時に買いました。

チケットを買うと、助っ人さんマイページへアクセスするパスワードを入手出来るので
本番まではマイページで更新されていく準備リポートを楽しむ日々。
この準備リポートは数分の短い音声ドラマですが
なにぶんスクスタやスクフェス以外の媒体で
Aqoursの音声ドラマが聴けること自体が貴重になってきているので結構嬉しかった。
(6thライブは幕間ドラマ無かったし)
そしてこの準備リポート内で起こった出来事が
本番で回収されてたりする。

そんなこんなでフェスの初日まで1ヶ月を切ったある日、晴天の霹靂のような事態が訪れます。

■会期の短縮とイベントの全貌

「輝け!Aqoursぬまづフェスティバル」開催日程変更のお知らせ

冒頭で5/13〜6/5に開催された、と書きましたが
このイベントは当初の予定だと6/12まで開催されるはずでした。
しかし、6/10〜6/12の最後の3日間は実施可能な最小人数に満たない為
開催が中止されることになったのです。

正直このお知らせを聞いた時は
「そんなことあるんか…?」
という気持ちになりました。

確かにこのイベント、野外だし開催時期は梅雨に差し掛かっていくし
よみうりランドとか遠いし、イベントラッシュで取捨選択する人も多いだろうから
キャストが出るわけでもないイベントの優先度は低いだろうし、
6/13は鞠莉誕だから普通に沼津行ってそのまま誕生日迎える人も多いよね
とか挙げたらキリがないくらい人が集まりにくい要素を想像出来ます。

そもそもイベントの全貌が未だに見えてこないのに6月のチケを取るのはリスキーという考えもあったでしょう。

それでも…
イベントの千穐楽が人数不足で中止になるってあるのか。
しかもまだ1ヶ月半くらいあるのに。
と思ってしまったのです。

しかし、SCRAPコンテンツディレクターのきださおりさんのツイートを見て
その考えがいかに甘いものだったのかを痛感しました。

そして、皮肉なことにぼくはこのツイートを見たことで、
それまでに更新された準備リポートと合わせ
イベントの全貌が少しばかりクリアに見え始めたのでした。
簡潔に言うと、ここに来てやっと
本当に本格的なフェスをやる気なんだと
初めて理解したのでした。

その後、連日のように更新される準備リポートから
どんどんフェス本番に近付いていく様子を伺えてワクワクしていたのですが
この準備リポート、5/2を最後に更新が途絶えます。

開催期間が近付いているのに大丈夫かなと思ったのですが、
ふとマイページに入る時に毎回自分の参加する公演日を選んでいたことを思い出し、
参加日を初日である5/13にしてマイページに入りました。
すると、準備リポートは更新されていたのです。

そこでぼくはもう1つ、このイベントの重要なポイントに遅ればせながら気付きました。

その日はその日限りなんですよ。
来週もないし先週もない、
明日もないし昨日もない。
それぞれの開催日はそれぞれ独立した世界なんです。

そこに気付いたぼくはそっとマイページを閉じ、自分の参加日の準備が進むのを心待ちにしました。

そしてフェスが開幕する5/13を迎えます。

■フェス開幕と口コミ

5/13、その日は雨でした。
前日までの予報では記録的な大雨みたいな情報も出ていましたが、
何とか開催出来るくらいの天候で良かったです。
野外イベントなので晴れてほしいのはやまやまですが
ただでさえ会期は短縮されているので
荒天中止だけは勘弁願いたいところですしね。

とまぁこんな前置きですがぼくは初日に参加していません。
ただ、今までのSCRAPコラボと決定的に違う様子がTLからひしひしと伝わってきました。

それは…

めちゃくちゃツイートが流れてくる

SCRAPはその性質上、再演の可能性も考慮して
基本的にネタバレをNGにしています。
なので淡島の時や学校祭ライブの時も
「楽しかった」とか「生徒会長がかわいかった」
とか当たり障りのない感想や、
大事な所はぼかしたグレーゾーンみたいな感想、
もしくは公式で許されている内容以外
感想がTLに流れてくることはありませんでした。

それが今回はまぁバンバン流れてくること。
何かもうハッシュタグ追ってれば参加した気になれるのでは?
と思えるくらいでした。
でもそのTLに流れてくるフェスの様子、
助っ人さんや浦女のみんなのキラキラした様子を見ていると

早く行きたいぞ…

という感情が日に日に強くなっていったのです。
ここまで口コミ効果を感じるイベントって、
最近じゃ中々無いんじゃないでしょうか。

そんなこんなで情報を収集したり、
自分の参加日の準備リポートも更新が再開されたりして
いよいよ本番を迎えたのでした。

イベント本番の話はこちらの記事に書いてあるので割愛するとして、


ここからはぬまフェスを通じて感じたこと、
ここが凄いよぬまフェスといった所に
焦点を当てて書いていきたいと思います。

■個性豊かな浦女の生徒たち

先ず、今回のフェス成功の立役者でもある
浦女のみんなのことに触れなければなりません。

今回、浦女のキャストは一般公募で選ばれています。
その中には新人声優さんや既に役者さんとして活動している人も居れば、
全くの一般人だったり多種多様なキャストが集まりました。

そして、彼女たちに与えられたのは
「浦女の生徒役」だけではありません。
この浦女の生徒、1人1人にちゃんと名前があるんです。
いわゆる浦女生徒AとかBみたいな役名ではありません。
学校祭ライブの時も浦女の生徒役のキャストは居ましたが、確か名前は無かったはず(あったらごめんなさい)

そしてちゃんと学年も分かれてますし、
学年設定だけではなく
Aqoursの誰々と仲が良かったり、
同じクラスだったり、
近所に住んでたり、
幼馴染だったり、
水泳部の後輩だったり、

完全にネームドキャラなんですよ。
だからなんですかね。
めちゃくちゃ個性が強い。

浦女の生徒たちだけで相関図が作れるくらい、
1人1人のキャラが立ってるんです。

そんな浦女の生徒たちが、
今回のフェスで果たした役割は
言葉に出来ないくらい大きいと思います。
単なる舞台装置じゃないんですよ。
それに、言ってしまえば今回の浦女の生徒たちは、このイベントの為だけに生まれた
オリジナルのキャラクターです。

アニメの世界には存在してないキャラクターを演じることの難しさもあったでしょう。
助っ人さんたちがどういう反応をするのか不安を感じることもあったでしょう。

それでも彼女たちは自分のキャラを愛し、
自分のキャラに命を宿し、
自分のキャラに誇りを持ち、
全身全霊で浦女の生徒としてフェスを盛り上げていました。
それって、ぼくたちが今までずっと見てきた
ラブライブ!そのものじゃないですか。


だからそんな姿を見て多くの助っ人さんが胸を打たれ、
そして浦女のみんなへの感情がめちゃくちゃデカくなっていったんだと思います。

Aqoursが大好き、沼津が大好き。
それはもう誰しもが持っていた気持ち。
そこに今回のぬまフェスで、
「浦女のみんなが大好き」
という気持ちが芽生えた助っ人さんも多いのではないでしょうか。

■圧倒的な没入体験

先程も書いたように、作品世界への没入感は
SCRAPとのコラボでは大事な部分です。
Aqoursメンバーと一緒に行動しているように感じた淡島の脱出ゲーム。
浦女の学校祭に本当に来ているように感じた学校祭ライブの脱出ゲーム。

過去のコラボでも作品世界への没入感は
十分すぎるほどありました。

では、今回のぬまフェスはどうだったのか。
淡島や学校祭ライブを体験した身からすると、
圧倒的でした。

もちろんそれは淡島や学校祭ライブを否定しているわけでも貶してるわけでもありません。
むしろこの2作で得られたものが、
進化・発展して今回の圧倒的な没入体験に繋がっていると思います。

きっと多くの助っ人さんが終演後、同じ感想を持ったことでしょう。

「Aqoursが居た…浦女のみんなが居た…」

そう感じさせる仕掛けがこのイベントには
数え切れない程あります。
もうきださんとか運営の中心に居る人以外
全てを把握出来てる人居ないんじゃないかな?

例えばこの入場アーチ。
違和感がありませんか?
拡大してみましょう。

よく見るとNの面影が

Numazuのzだけ力技で修正した形跡があります。

実は、準備リポート12で千歌ちゃんが
NumazuをNumaNuと書いてしまい
「どうして沼津人がそこを間違えるのです!?」
とダイヤちゃんにめちゃくちゃ怒られるというお話があります。

そう、準備リポート内で起きていた出来事が実際に起きてるんですよ。
そして見れば見る度、

「NとZ似てるからってこれは間違えないやろ千歌ちゃん…」
「ダイヤちゃん頑張って直したんだな…」

って気持ちになります。
ちなみに急いで直そうとしたダイヤちゃんが木材に躓いてペンキを倒すんですけどね。
そういう抜けてるとこがかわいいんだぞ。

また、浦女の生徒とAqoursメンバーの結びつきも
作品世界への没入に欠かせません。

浦女の子たちはアニメを観てるだけでは知ることの出来ない
学校でのAqoursメンバーの様子を教えてくれます。
浦女の子たちから聞いたAqoursメンバーの話は
自分が直接聞いた話も、
他の助っ人さんが聞いた話も、
全てがAqoursの“存在”を感じさせるものでした。

それと同様に、そんな裏話をしてくれる
浦女のみんなは間違いなく“居る”んです。

それだけじゃありません。
休憩所に行った時ミナモさんに例のハチマキをイジられたんですけどね。

「こんなかわいい生徒会長が居る浦女は羨ましいな〜」

と言ったら

「え〜!ダイヤさんに伝えときますね!」

って言われました。
ダイヤちゃんに伝えてくれるんですか!?!?

同じような体験をした助っ人さん多いんじゃないですか?
自分の推しやAqoursメンバーに伝言を伝えられる…この没入感ほんとヤバい。

ちなみに、ダイヤちゃんが学校でどういう存在なのかをよく表しているのが

内浦Radioのリハが終わって退出する時に

「ネームプレートは返してくれないとダイヤさんに怒られちゃう」

と言われてたり
突発イベントでシャボン玉を飛ばしてる時に

「ダイヤさんに見つかったら怒られちゃう」

と言われていたことですね。
そういうところがかわいいんだよ。

更にAqoursの存在を感じれる仕掛けに、Aqoursメンバーのシフトがあります。
同じ時間にAqoursメンバーの誰かが別々の場所に同時に存在することはありません。
シフトでどの時間にどのブースに居るのかが厳格に管理されています。

例えば善子ちゃんはずっと堕天占いブースに籠っているので
開会宣言以外ミニステージに立つことはなく、
内浦Radioも本番でスタジオに来ることはありませんでした。

この仕組み知ってる、ディ○ニーランドだ!

■1人1人違う物語

公式サイトのイントロデュースに
こういう文言があります。

あなたの行動によって、その時その瞬間だけの体験が生まれます。また来たときには違う体験が…?!
公式サイト

最初、このことを深く考えていませんでした。
ですが、参加してみてこれでもかってくらい理解することになります。

淡島や学校祭ライブの脱出ゲームの時は、
脱出出来たか出来なかったか。
謎を解けたか解けなかったか。
隠し要素に辿り着けたか着けなかったか。

このパターンしか決定的な違いはなく、
基本的に一本道の物語が展開されていました。
なので参加した助っ人さんは、
大多数が同じ物語を歩んでいたことでしょう。

ですが今回は違います。
Aqoursのスペシャルライブを観て、後夜祭でスキドリを聴く、
というエンディングこそ共通ですが、
そこに至るまでの物語は1人1人に全く違う物語があります。

どのブースの準備を手伝うか。
手伝う順番によって遭遇するイベントも変わってくるでしょう。
突発イベントが発生した時にブースに並んでて参加出来なかったり。
どこを手伝いに行くか迷ってたら目の前で突発イベントが発生したり。
先にお手伝いしたブースのお陰でその後にお手伝いしたブースで助けられたり。

1人1人の選択、行動によって物語は変わります。
仮に転生して違う公演に参加したとしても、
そこで待っている物語は全く別の物語なんです。

「同じ物語は無いとか嘘乙w」

って斜に構えた助っ人さんが
準備パートもフェス本番も広場の隅っこで
ぽつんと体育座りし続ける以外、
全く同じ物語を紡ぐのは不可能だと思います。
それさえも、優しい浦女の子たちに見つかったら
きっと違う物語が生まれることでしょう。

■SUKI for you, DREAM for you!

淡島の脱出ゲームのテーマ曲は
「君の瞳を巡る冒険」

学校祭ライブのテーマ曲は
「冒険Type A, B, C!!」

そして今回のぬまフェスのテーマ曲は
「SUKI for you, DREAM for you!」

どのテーマ曲もコラボしたイベントにとてもリンクした歌詞で、
それぞれのイベントを彩る重要な曲です。

今回のテーマ曲である
「SUKI for you, DREAM for you!」(以下スキドリ)は
モンストコラボ曲「KU-RU-KU-RU Cruller!」の
c/w曲として2021年9月にリリースされました。
この時点では当然ぬまフェスのテーマ曲になることはもちろん、
ぬまフェスの存在自体未発表でした。

ただ、リリース時からぼくはスキドリがめちゃくちゃ刺さってたんですよね。
ライブ初披露となった6thライブの感想がこちら。

その後、ぬまフェスの開催とスキドリがテーマ曲になることが発表されました。
更に、本来は2021年5月に開催予定だったことも明かされます。

いや今読んでもテーマ曲決定の経緯は胸に来るものがあるね…

歌詞の1つ1つもぬまフェス前と後で
完全に捉え方が変わってます。
千歌ちゃんがどういう想いを込めて
この曲の歌詞を紡いだのか。
何がきっかけでこの曲の歌詞を完成させることが出来たのか。

それが分かってるから冒頭の

“好きだって思うから伝えたくなっちゃう”

でもう無理ってなる。
歌詞に悩んでた千歌ちゃんが、
助っ人さんたちからのサプライズで
このフレーズにたどり着いたんですよ。

みんなで一緒に作り上げたフェスには
色々な“好き”が溢れてて、
それを形にしたのがこの曲。

元々特別な曲だったけど、
ぬまフェスに参加したことで更に特別になったと思います。

それと、今回イベントの感想をnoteやブログに書いたりしてる助っ人さんが多い
という声をちらほら聞きます(ぼくもそうだし)
イベントの特性的にこれから参加する助っ人さん向けに書いたって部分もあるだろうけど、
好きが溢れて止まらないという
助っ人さんが多く見受けられます。

とある浦女キャストさんも

「感想をnoteとかブログに書いてくれてる人がいっぱい居て嬉しい」

と仰っていました。

それはもうこれに尽きるんじゃないでしょうか。

好きだって思うから伝えたくなっちゃうんです。

それと、先に書いた話とも被りますが
今回のぬまフェスは1人1人が違う物語を体験しました。
だからこそ、自分の物語を伝えたいし、
他の助っ人さんの物語も知りたい。

そういう想いがみんな強いんだと思います。

分かち合えたら嬉しいね。


ちなみにこの間TLに流れてきて慌てて自分が撮った写真確認して「本当だ!」となったのですが、

よいつむ作Aqours展示の楽曲紹介リスト

クルクルと涙×の間にスキドリが無い。
ここまで徹底してるのか…!

■体験型エンタメと2.5次元の究極系

ぼく如きが偉そうにこんな仰々しいこと言うのはどうかと思いますが、
真面目に今回のぬまフェスに参加してこう感じました。

2.5次元というのは説明不要な気がしますが、
2次元がアニメやゲーム、漫画の世界。
3次元は現実の世界。
その狭間である2.5次元は2次元であるアニメやゲーム、漫画の世界を
3次元の声優さんや役者さんがライブや舞台で再現するものです。

例えばアニメのキャラを演じている声優さんが
ライブや舞台でキャラと同じ衣装、同じ髪型で歌って踊る…
そしてそこで創り上げられた世界に浸る。
これこそがここ15年くらいのアニメ市場で急成長してきた2.5次元のエンタメ文化です。

その分野にめちゃくちゃ力を入れてきた
作品群の1つがラブライブ!シリーズですね。

一方の体験型エンタメというのはSCRAPが手掛けるリアル脱出ゲームに代表されるような
謎解き系のものや、
最近流行りのマーダーミステリー、
ぬまフェスに1番近いイマーシブシアターなど
様々なジャンルのものが存在します。

で、今回のぬまフェスって体験型エンタメに落とし込むことで到達した
2.5次元の究極の形だと思うんですよね。

2.5次元のエンタメ文化では実現することが難しかったその先の世界へ、
体験型エンタメは踏み込ませてくれるんです。
一方的に享受するだけだった作品の世界に
自分自身の足で踏み入れ、
自分自身の意思で行動し、
自分自身の肌で感じ取り、
自分自身で物語を作っていく。

体験型エンタメ自体の魅力を失うことなく、
2.5次元の世界を融合させてるんです。
こんな体験が出来る機会って
今のエンタメ業界見渡しても中々無いと思います。

ただ、それが実現出来たのも
SCRAPがラブライブ!サンシャイン!!の関係者、助っ人さんたちと
築き上げてきた信頼関係があってこそ。

淡島の脱出ゲームで助っ人さんの存在が受け入れられてなかったら、
SCRAPとのコラボにここまで支持が集まらなかったかもしれません。
学校祭ライブの時に浦女の生徒役を配役してなかったら、
今回個性豊かな浦女の生徒たちは生まれなかったかもしれません。

全部繋がってるんですよ。
最初のコラボでぬまフェスをやってたら
ここまで反響のあるイベントにはなってなかったと思います。
他のビッグコンテンツがいきなりこういうイベントを開催しても、
すぐに受け入れられる保証はありません。

ホップ・ステップ・ジャンプで言ったら
淡島がホップ。
学校祭ライブがステップ。
そしてぬまフェスがジャンプです。

1歩ずつ前に進んで、積み上げていく姿は
Aqoursの物語と重なるところがあるのではないでしょうか。

そして何よりもSCRAPチームが
ラブライブ!サンシャイン!!という作品を、
沼津を愛してくれているから成り立っていることでもあると思います。

本当にありがとうございます。

■最後に

今回ぬまフェスの口コミが凄まじかった理由の1つに、厳格なネタバレ禁止がないことが挙げられます。
厳密には後夜祭での出来事だけ秘密にしてねと、
Aqoursメンバーからお達しはありましたが
ネタバレに関して言うと他に制限はありません。
(撮影NGのルールとかはあるけどね)

そしてそれさえも公式で千穐楽の日の23時から、
全てのネタバレ解禁のお許しが出ます。
それは何故か。

再演の可能性が無いからです。

参加してみてそれは物凄く実感しました。
この規模のイベントを再演する為には
どれ程のエネルギーが必要になるのだろうか。
再演出来たとして同じ熱量を保てるのだろうか。

2021年にコロナで一旦は頓挫したものを、
1年後に開催出来ただけで奇跡なのかもしれない。

あと単純にずっと1日限りを謳ってきたのに
再演とは、というのもあるのかもしれません。

それでも思うことはあって。

ぼくの推しである小宮有紗さんは
ライブのMCなどで事あるごとにこう言います。

「口に出せば叶うからどんどん言っていこ!」

そして、叶えてきたことがいくつもあります。
だからそれにあやかって、
口に出したいと思います。

全く同じ形じゃなくて良い。
またこういうイベントが開催されて、
Aqoursや浦女のみんなに会いたい。

「あの時の助っ人さん!」

ってまた言われたい。

Aqoursや浦女のみんなが困ってたら、
助っ人さんはいつだって、どこへだって
助けに行きますよ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?