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対等だったはずなのに・・。キャリア女性とパートナーの困難な事情

本日、こんなツイートをしたところ、普段よりも多くのリアクションをいただきました


コメントや引用リツイートを見ていくと、それぞれ良い意味か悪い意味かはあると思いますが、女性を中心に多く共感のリアクションをいただきました。

それだけ、「キャリアを考える上でパートナーの関係は重要」だと思うきっかけになる場面に遭遇したことのある方が多いのだと思います。

私は女性向けのキャリアカウンセリングを行っているのですが、実際、相談内容を深堀りしていくと、既婚女性を中心に、パートナーの問題に行きつくことがかなり多いです。

「今日話したような方向にしたいです。でも、夫に反対されると思うので、できません」
「夫には頼めないです。そうするくらいなら自分を犠牲にしたほうがいいです」


世の中そんなに理解のないパートナーだらけなの・・・?

いいえ、そんなことはありません。というのが私の意見です。

私は、この問題を突き詰めていくと、社会問題に行き当たると感じています。今回は、この「キャリア女性は、なぜパートナーとの間で問題を抱えやすいのか」の私なりの仮説を記載したいと思います。

1.まだまだ男性の方が稼ぎが多い現実

以下は、厚生労働省が出している、「平成30年賃金構造基本統計調査の概況」の資料です。こちらによると、女性の平均賃金は、少しずつ改善はしているものの男性の73%ほどとなっています。

賃金格差

ちなみに、役職についた人でも、女性の方が低い・・・

賃金格差 役職


平成30年賃金構造基本統計調査


もちろん、今回は「キャリア女性」をテーマに扱っているので、パートナーより稼ぎの多い方も、同等の方もいるでしょう。それでも、まだまだ男性の稼ぎのほうが多い構造になっています。

この原因は色々あるのですが、語りすぎると今回の主旨からズレてしまうので、一旦事実だけ確認して次に行きたいと思います。

2.キャリアアップしにくい現状

女性がどんどん活躍してきている!という空気になってきてはいるものの、厚生労働省が公表した「平成30年度雇用均等基本調査」結果によると、管理職に占める女性の割合は、

「部長相当職」では6.7%(前年度6.6%)
「課長相当職」では9.3%(同9.3%)


まだ10人に1人を達成していない状況です。少ないということはマイノリティであるということ=意見が反映されにくい、という状況になりやすいです。

実際に働いたことのある女性は実感があると思うのですが、一部の先進的な会社や女性が中心の会社を除き、「上に」いこうとすると様々な壁が立ちはだかります。

女性自身が、「上に行きたい!」と思っても、すんなりそうは行かない現実があるのです。

3.家族、世間の壁

ここにさらに、家族や世間の壁が立ちはだかります。これは、私自身も経験があります。当時のパートナーが転勤になった時に、親からこう言われました。

「一人で行かせるなんて、かわいそうじゃない。転勤でただでさえ大変なんだから、家事たくさんやって支えてあげなさい」

ちなみに、「転勤」という事象が起きるまで、親は私と仕事を心から応援してくれていました。それでも、このような言葉が「当然」の言葉として出てくるのです。さらには、会社、親戚、色んな人から同じような言葉をかけられます(もちろん、辛いよね、と声をかけてくれた上司や友人もたくさんいました)

逆に、男性も男性で、「会社の言うことを聞かなかったらキャリアアップはないと思え」といったプレッシャーに晒されています。

そして「対等」でなくなるパートナーとの関係

こういったことが積み重なって起こること。それが「キャリア女性とパートナー問題」です。

要は、女性側がどんなに仕事が大切で、パートナーとどんなに「対等に話したい」「価値観をすり合わせたい」というスタンスで話あいたくても、

「パートナーのほうが給与が高いから」
「パートナーのほうが役職が上だから」
「周りの人からひどい女だと思われてしまうから」
「パートナーがキャリアアップできなくなったらかわいそうだから」

こういったことが重なって、いつのまにか対等だったパートナーとの関係は「女性があたりまえに、一方的に多く我慢をするべき(したほうが効率的)」という構造になりがちになります。

「対等に話したくてもそもそも対等じゃないから対等に話せない」

これが、「キャリア女性とパートナー」について起こっていることだと、私は考えています。

ではどうしたらいいのか

では、どうしたらいいのでしょうか。
もちろん、ここに書いた問題が解決されていくのが一番で、それは国や企業も今真剣に取り組んでいるところですし、そう変わるように政治に興味をもち、意見を反映させていく必要があります。

しかし、すぐには変わらないので、目下対処しないといけません。

方法は、、、本当に地道ですが、①パートナーとこのような背景を踏まえた上で、納得行くまで話し合うこと②頼れるものを頼ることです。私はツイートで

と書きました。一見「こういう人を選べばOK!」と見えてしまうでしょうし、男性から見れば、「こっちだって、こういう相手がいいわ。なぜ女性だけ?」と感じると思います。

しかし、本当の意図は「この1~3の背景を踏まえても、お互いが対等だという前提で話をできるか」ということです。実は結構難易度が高いことを言っています。

キャリアを大事にしたい女性は、仕事が本当に、本当に大好きで大事な人が多いと思います。今は時代の背景もあって、年収だとか待遇には差があるかもしれない。それでも、大事にしたいアイデンティティで。「心の問題」にも近いかもしれません。

だからこそ、こういう背景を踏まえた上で、「男性側のキャリアと同じくらい大切だという前提で話し合いをしてほしい」というのが女性側の本音だと思います。

そして、もちろん、女性側も「男性はブランクを許されない空気の中で生きている」ということを理解する必要があると思います。

また、「自分たち以外の手を借りることに過度な罪悪感を持たない」ことも解決案の一つになりえます。家事代行、ベビーシッターのサービス、病児保育のサービス、便利な電気家電・・・お互いを大事にするために使える、ありとあらゆる手段を使うことをいとわないことで、見える道もあります。

画期的な改善案でもなんでもなくて申し訳ありません。

でも、この「対等な話し合い」ができ、頼っていいものが増えるだけで、キャリア女性とパートナーの関係は少しでも楽になる、と考えています。

少しでも、状況を理解する助けになれば、幸いです。

※おことわり
背景は人によって違いますし、考え方も人によって違い、それぞれの方に正義があり、それはどれも正しいと思っています。だからこそ、お互いの背景がわからないSNS上の関係で、ただでさえ伝わりにくい文字で議論する、というのは良いものを産まないと思うので、議論的な観点でコメントを頂いた場合、あえてお返事しないことがあります。ご了承下さい。


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