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【CANSLIM81点】4540 ツムラ

※次回更新予定 25年3月期中間決算 11月初旬

CANSLIM分析評価

1.C (Current Quarterly Earnings)

点数: 13点/15点満点
評価:

最新四半期のEPSは前年同期比で158.1%の増加、売上高も18.0%増加しています。2四半期連続で増加傾向が見られ、オニール基準の25%増を大幅に超えています。ただし、さらなる成長の持続性が確認される必要があり、満点には届きません。

2.A (Annual Earnings Increases)

点数: 13点/15点満点
評価:

通年EPSは前年比70.7%の増加で、2年以上の増加傾向が確認できます。また、ROEも6.39%で健全ですが、オニール基準の17%以上には届いていないため、評価はやや控えめです。

3.N (New Product or Service)

点数: 8点/10点満点
評価:

ツムラは医療用漢方製剤の新しい処方の開発に力を入れており、需要が増加しています。特に、大建中湯や抑肝散などの処方が大きく伸長していますが、革新性の点では更なる進展が期待されます。

4.S (Supply and Demand)

点数: 10点/15点満点
評価:

信用倍率が高く、買い需要が強いことが示されています。しかし、信用倍率の高さが需給バランスの安定性を懸念させるため、評価を控えめにしました。

5.L (Leader or Laggard?)

点数: 7点/10点満点
評価:

レラティブストレングスは294位で、全体としての強さは中程度です。他のリーダー銘柄に比べてやや劣るため、この項目の評価は控えめです。

6.I (Institutional Sponsorship)

点数: 8点/10点満点
評価:

機関投資家の保有が確認されていますが、保有比率の変動がやや安定性に欠ける点があり、大型機関のさらなる支持が必要です。

7.財務の健全性

点数: 9点/10点満点
評価:

自己資本比率は63.3%と非常に健全であり、キャッシュフローも堅調です。全体的な財務状況に大きな懸念はありません。

8.成長株としての成長余地

点数: 13点/15点満点
評価:

時価総額は約3,024億円とやや大きいが、国内外の市場に拡張する余地があり、特に漢方薬市場の成長が期待されており、成長余地は大きい。

総合評価

点数: 81点/100点満点
総合評価:

ツムラはCANSLIM基準をしっかりと満たしており、成長株としての魅力があります。特に四半期・年間業績の伸びが著しく、漢方薬市場でのポジションが強固です。今後の新製品開発やさらなる機関投資家の支持が期待されます。


財務諸表・株価・出来高・信用残高評価

(1) 過去5四半期から見える財務諸表に関する評価・変化点

貸借対照表:
過去5四半期にわたり、総資産は継続的に増加しています。特に、流動資産の増加が目立ち、現金及び預金の減少に対し、受取手形及び売掛金の大幅な増加(約9,300百万円)が企業の成長に伴う売掛金の拡大を示しています。また、原材料及び貯蔵品の増加は、在庫の拡大を反映し、事業の拡張を支える供給体制の強化が進んでいることがわかります。負債面では、短期借入金が増加しており、資金調達による負債の増加が見られますが、これは事業拡大に伴う一時的なものと考えられます。

損益計算書:
売上高は前年同期比で堅調に伸びており、特に2025年3月期第1四半期では18%の増加を記録しています。国内事業の成長が売上の主な推進力で、医療用漢方製剤の売上が好調に推移しています。また、営業利益と経常利益も大幅に改善しており、特に営業利益が前年同期比で125.7%増加し、利益率の向上が顕著です。これは、効率的なコスト管理と高収益商品の成長によるものです。

キャッシュフロー計算書:
営業キャッシュフローは前年度比で減少しており、主に売上債権の増加と棚卸資産の拡大によるものです。一方で、投資活動によるキャッシュフローは前年同期と比べて大幅に改善しており、主に投資有価証券の売却による収入が寄与しています。財務活動では配当支払が増加していることが見受けられ、株主還元を意識した動きが伺えます。

(2) 直近1年の株価・出来高・信用残高/倍率に関する評価・変化点

銘柄株価推移と日経平均株価推移との比較:
直近1年間の株価は、日経平均株価と比較して独自の動きを見せています。特に、2024年7月以降の株価上昇が顕著で、急激な成長を記録しています。これは、企業の業績改善に対する市場の高評価とリンクしており、成長期待が株価に反映されています。日経平均が一時的に調整局面を迎えた時期にも、この銘柄は堅調に推移しており、独自の強さを見せています。

出来高:
出来高の急増が確認され、特に2024年8月から9月にかけての取引が活発化しています。これは市場の関心が高まり、多くの投資家が短期的な値動きに反応していることを示唆しています。この高い出来高は株価のボラティリティを伴い、今後の動きにも注目が集まるでしょう。

信用残高/倍率:
信用倍率が非常に高い水準にあり、特に2024年8月には25倍前後で推移しています。これにより、投資家が強気の姿勢を保っていることがわかりますが、信用買い残の増加により今後の反動リスクにも注意が必要です。

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