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【CANSLIM84点】4443 Sansan

※次回更新予定 25年5月期1Q決算 10月中旬

CANSLIM分析評価

C (Current Quarterly Earnings)


点数: 13点/15点満点
評価:
2024年5月期の四半期EPSは前年同期比で黒字転換し、売上も前年同期比31.5%増加。特に2023年9-11月期では売上高が7,504百万円から8,222百万円と強い成長を見せましたが、直近四半期の利益成長はやや減速しています。

2.A (Annual Earnings Increases)


点数: 12点/15点満点
評価:

通期のEPSは大きく改善し、年間の売上は前年比で28.5%増加していますが、ROEは7.15%と目標の17%に届いていません。売上高の成長は続いていますが、利益率がまだ改善余地を残しているため、やや控えめな評価となりました。

3.N (New Product or Service)


点数: 8点/10点満点
評価:

Sansanは「Bill One」などの新サービスが特に強く成長しており、インボイス管理サービス市場でNo.1のシェアを獲得。DX推進の波に乗った成長が期待されますが、新製品の市場シェア拡大の持続性に一部リスクがあるため、満点には達しません。

4.S (Supply and Demand)


点数: 12点/15点満点
評価:

信用倍率1.24倍、出来高も最近の取引で増加傾向にあります。株価も上昇基調にあり、特に2024年3月以降の出来高は高水準を維持していますが、株価の短期的な変動も見られるため、安定した供給と需要のバランスには注意が必要です。

5.L (Leader or Laggard?)


点数: 7点/10点満点
評価:

レラティブストレングス順位は全銘柄中275位と、業界内でリーダーとは言い難い状況ですが、成長株としてのポジションを確保しており、強力な成長市場に参入している点で加点されます。

6.I (Institutional Sponsorship)

点数: 8点/10点満点
評価:

複数の機関投資家がSansan株を保有しており、大型機関投資家の支援も充実しています。特にJPLLCや日本マスタートラスト信託銀行などが主要株主に名を連ねており、投資家の信頼は高いです。

7.財務の健全性


点数: 9点/10点満点
評価:

自己資本比率は37.3%と健全であり、キャッシュフローも堅調です。長期借入金を利用して成長を支える戦略は有効に機能しており、財務リスクは低いと評価されます。

8.成長株としての成長余地

点数: 15点/15点満点
評価:

Sansanの時価総額は2,939億円で、DX市場やSaaS市場の成長に伴い拡大余地が大きいです。特に法人向け名刺管理サービスの市場シェア拡大が進んでおり、さらなる成長が見込まれます。

総合評価

点数: 84点/100点満点
総合評価:

Sansanは成長市場にしっかりと位置しており、特に新サービスの展開や機関投資家の支援が強い銘柄です。四半期利益の増加がやや鈍化しているものの、長期的な成長ポテンシャルは高く、成長株投資として魅力的です。


財務諸表・株価・出来高・信用残高評価

(1) 過去5四半期から見える財務諸表に関する評価・変化点

貸借対照表:
Sansan株式会社の貸借対照表では、総資産が31,200百万円から37,592百万円に約20%増加しています。主な増加要因は、現金および預金の大幅な増加(+3,760百万円)と、敷金の増加(+1,643百万円)です。これは、同社が積極的な事業拡大と資金調達に力を入れていることを示唆します。負債面では、前受金の増加が顕著で、顧客からの収入の一括受領が進んでいることがわかりますが、これにより流動負債が拡大している点には注意が必要です。全体として、成長戦略に基づく資産拡大が見られる一方で、負債増加によるリスクも併存しています。

損益計算書:
同社の売上高は、2024年5月期に前期比32.8%増の33,878百万円に達しています。特に、「Sansan」や「Bill One」事業が売上の主要ドライバーとなっており、特に「Bill One」は前年同期比155.5%増と急成長を遂げています。営業利益も1,337百万円となり、前年同期の199百万円から大幅に改善しています。調整後営業利益の伸びも81.5%と顕著で、これは効率的な営業活動の強化が奏功していることを示します。また、親会社株主に帰属する当期純利益は953百万円で、前期の損失から黒字化しています。

キャッシュフロー計算書:
営業活動によるキャッシュフローは前年同期比で約1,634百万円増加し、5,483百万円となりました。これは、前受金の増加や運転資本の改善が寄与しています。投資活動によるキャッシュフローは△3,180百万円の支出となり、主に敷金や投資有価証券の取得が影響しています。一方、財務活動では、長期借入金による資金調達が進んでおり、1,431百万円のキャッシュ流入を記録しています。全体として、成長投資が進んでいる一方で、資金繰りが積極的に管理されている状況です。

(2) 直近1年の株価・出来高・信用残高/倍率に関する評価・変化点

銘柄株価推移と日経平均株価推移との比較:
Sansan株式会社の株価は2024年5月以降大幅に上昇しており、特に8月以降は急激な伸びを見せています。日経平均株価と比較すると、Sansanの株価は独自の成長トレンドを描いており、市場全体の動きとは異なる動きを示しています。これは、同社の成長戦略や業績改善が市場から高評価を受けていることが背景にあると考えられます。また、特定の日付における株価急騰は、新規事業やサービスの成功に対する期待感が強まっていることを反映しています。

出来高:
2024年8月以降、出来高も大幅に増加しており、特に8月末から9月初旬にかけて取引量が急増しています。これは、短期的な投資家の売買が活発化していることを示しており、市場の注目が集まっている状況です。ただし、出来高が急増している反面、株価のボラティリティも高まっているため、リスク管理が重要です。

信用残高/倍率:
信用倍率は8月以降に急激に上昇しており、2024年8月30日時点で1.24倍となっています。特に、信用買い残が増加している一方で、売り残は減少傾向にあり、投資家の強気姿勢が続いていることが伺えます。ただし、信用倍率が上昇し続けることは、将来的な株価調整リスクを伴う可能性があるため、慎重な対応が求められます。

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