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もう一度弾けたあの日。

話は昨年夏に参加したピティナ・ピアノステップになります。

(※ピティナ・ピアノステップ=演奏をし、アドバイザーの方からアドバイスやメッセージを頂く場です。)

それに当たり、ピティナ・ピアノステップまでの経緯を書きたいと思います。

2022年の2月に右手の怪我の直後、右肩から右手の指先が痺れや痛みが出て、手を動かすことが困難になってしまいました。

療養をし、現在は日常生活には支障のないくらいにまではなりました。



怪我をした頃の自分はというと、2022年夏のピティナ・ピアノステップに向けて曲目を決めて練習していました。

右手が動かなくなり、療養の為ピアノはお休みすることになりました。

生活の一部であったピアノが急になくなり、右手も思うように動かず正直かなり落ち込んでしまいました。


療養中も音楽のことで頭がいっぱいで、ピアノの演奏の際の身体の使い方や、身体の構造の本をよく読んでいました。

その中でふと左手のピアノの曲があり、左手ピアノの奏者の方がいることを思い出しました。

右手が動かなくても、自分も左手ピアノに挑戦したいと思い、ピアノの先生に早速連絡しました。

先生は、「体調を見ながら無理せず一緒にやりましょう」と、すぐに言ってくださりました。


それから体調の良い日に左手ピアノを始めたわけですが、両手で弾くピアノとは異なり、初めは戸惑いました。

左手ピアノは基本的に、今まで両手で行っていたことを片手で行うことになります。

・メロディーパートと伴奏パートの片手での弾き分け
・およそ二〜四声を片手で弾く
・上記を意識しながら、運指や身体の使い方を考える

書き出してみると、基本は両手でのピアノも左手で弾くピアノも同じですが、当時の自分にとっては、それを左手だけで行うことは桁違いで難しかったです。


先生の勧めで、弾く練習とともに曲の構造の分析を重点的に始めたのもこの頃でした。


体調のこともあり、なかなか練習や分析が進まない日もありましたが、とにかく一つずつ積み重ねていくという気持ちでした。


月日はあっという間に流れ、ピティナ・ピアノステップの当日となりました。

本番ギリギリまで練習を重ねても不安な気持ちばかり残りました。

どんな演奏を自分はしたいのか直前まで考えていました。


会場に着くと、他の方の演奏を聴きながら前年度のピティナ・ピアノステップの思い出がよみがえり、演奏することへ自然と気持ちが切り替わりました。

ステージに行くと、演奏する直前直後は緊張しましたが不思議と緊張するという感情はなくなり、集中して演奏することができました。

演奏中は、とにかく丁寧に今できる演奏を心掛け、自分なりに思い浮かべていた情景を思い浮かべていました。

弾き終わると、「ああ、もう一度ピアノが弾けた」と何とも言えない達成感や爽快感、安堵の気持ちが押し寄せてきました。

その瞬間、ピアノを両手で弾くとこも、左手で弾くことも自分にとっては、表現することに関しては何も変わらないなと感じました。



ピアノを弾けただけでもとても素敵な日でしたが、とても嬉しいことがもう一つありました。

他の方の演奏が終わり、会場にいらっしゃったピアノの先生にご挨拶をして帰宅しようと思っていたことの出来事です。

会場にいた一人の方がメッセージが書かれたカードを渡してくださりました。

詳しい内容は書けないのですが、人生で初めて自分の生の演奏に対して感想と応援のメッセージを頂きました(※アドバイザーの方ではありません)。


当時は左手ピアノを始めて、およそ半年。
演奏方法はこれから研究していかなくてはいけないし、演奏は発展途上であります。


でも、その日の体験は猛烈に自分の中では印象的で、感動的な出来事でした。


もっともっと研鑽を重ね、

いつの日か、またいつの日か、またステージで演奏できるように毎日積み重ねていきたいと思います。


とても長くなってしまいましたが最後までお読みくださり、ありがとうございました。


#ピティナピアノステップ  #左手ピアノ  #onehandpiano  #lefthandpiano

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