見出し画像

怠惰ではない

朝いつもの時間に起きて、起きたけど、「こりゃ今日は会社に行けないな」と思った。


そのままダイニングにいた同居人の近藤に「会社に行かなくてもいいかな」と言ったら「休めばいいさ〜」と返してくれたので休むことにした。休めばいいさ〜と近藤のハリのある声で言って欲しくて聞いたので、願った通りの返答をしてくれてありがたかった。
何か特別嫌なことがあったわけじゃないけど思ってしまったからしょうがなかった。そんな簡単に当日休める会社ではないけれど、そのまま身なりを整えて電車に乗ってオフィスに向かうという一連の流れを到底やれないな、と思ってしまったからしょうがなかった。
何事も始めてしまえば後は流れるだけなんだけど、その始める一歩がとてつもなく重いこともあるし、流れを止めてしまうとまた再開することが難しくなって、始められないかもしれないという気持ちで毎日会社に行っていた。人生でこんなにも毎日ネガティブな気持ちから朝を始めることもなかなかなかったので心底向いてない仕事を始めてしまったよなと思いながらもとにかく日々を進めていたんだけど、一回流れを止めてみたくなってしまった。なので止めてみた。
これは逃避欲求でもあるから毎回やっちゃあダメなんだろうけど、「できない」ことを「できない」と丸ごと受け入れることも時には必要だし、できないということを否定する必要もないと思う。
と、いう言葉を近藤から、近藤の母の金言として送っていただき、つくづくありがたい友人と住んでいる。
平日にこんなにゆっくりすることもないので1日かけて職務経歴書を更新した。ダラダラと縦に長くなって、嫌だった。私だってこの2年間でこんなに地場を組み立てられないとは思ってなかったんだよ。

『異人たち』を観た。平日の映画館がこの世で好きな環境のトップ5には入る。何席も空席がある中で、そこに辿り着いた数人が各々で好きな席を選んで好きに映画を見るあの空間と時間が好き。
絶対に渋谷とか新宿には行きたくなくて、わざわざ調布まで行ったんだけれども、その映画館ではちょっと良い席を揃えたグランシネマみたいな名前の部屋で異人たちは放映されていて、3,000円でちょっといい席ならそれで観たっていいよなとここに決めたんだけど、これが超〜最高だった。椅子を好きなだけリクライニングできて、足元も上げれて、さながらベッドのような角度でふわふわの椅子に座って映画を楽しめて完全に家の上位互換だった。

最近自己を見つめる活動をやっていて、自分がどうしてこんな風に物事を捉えてしまうのか、自己肯定感とはなにか、対人との距離感、親、など色々煮詰まっていたんだけどまさにこの映画がその題材すぎて、ちょっとてんこ盛りすぎてちょっとしんどかった。全ての悩みが一本一本スラスラと紐解けるわけではなくて、複雑に絡まってしまって飴のように硬く固まってしまったものを時間をかけて溶かしていくしかないんだよね。
しかしとにかくポールメスカルさんが、ポールメスカルであり、祈りであった。
あと途中から話は全くファイトクラブじゃないけど、めっちゃファイトクラブじゃんと思いながら見てた。精神のファイトクラブ。

ポールメスカルさんの右腕の二の腕の裏のタトゥーがかなり良かった。いれたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?