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B'z稲葉浩志は、いまなお成長期 〜コロナ禍での模索〜

僕の子供の頃からの憧れ、B'z稲葉浩志について書こうと思う。

B'zは今年35周年を迎える二人組(Vo稲葉浩志、Gt松本孝弘)ロックバンドで、CD総売上は8000万枚を超えている。もはや“説明不要”の存在である。

そんな彼らであるが、若い頃と比べると新曲をリリースするペースはさすがに落ちているが、驚くことに50歳を超えた今なお『進化』を続けており、いまだ成長期にあると感じている。
特にコロナ禍になってからの稲葉については顕著にその傾向が表れている。


稲葉浩志の進化論

稲葉の活動の主軸は紛れもなくB'zであるが、B'zとしての活動の合間をぬってソロ活動にも勤しんできた。
コロナ禍以前のソロ活動は『稲葉の中にあるB'zとは別の思いをアウトプットする場』として、少しダークな印象な作品が多かったが、コロナ禍以降は『ボーカリストとして残された少ない時間の中で、新しいものに挑戦していく場』という印象を受ける。

コロナ禍以降の主なソロ活動は以下の通りである。


INABA/SALASとしてのリリース(Maximum Huavo)、およびその後のSNSでの活動

INABA/SALASの2枚目のアルバム、Maximum Huavoはコロナ禍に大きく揺れていた2020年4月15日にリリースされた。制作自体はコロナ禍前に終わっていたが、ライブ活動についてはコロナの影響で全公演キャンセルとなった。
そんな中話題となったのはYou Tube上にアップされた自宅スタジオで自撮りされたセッション動画である。

稲葉、並びにB'zはこれまでこういったメディアの活用が上手くない部類であったため、ファンは大いに湧いた。また彼らの人気の大きさゆえ、プライベートについてはベールに包まれている側面がかなり大きかったが、思いがけぬタイミングで自宅スタジオが公開され驚いた。

B'zとしては、同時期にstay homeのお供として過去の全映像作品をYou Tubeにアップするなど異常な太っ腹ぶりを発揮し、コロナ禍序盤の国民を支えてくれた。


ミスチル桜井との対談

B'zオフィシャルYou Tubeにて稲葉とミスチル桜井とのボーカル対談が公開された。

この対談シリーズは『人見知り』な稲葉が勇気を出して著名人と対談していくコーナーである。B'zとミスチル、その関係値はこれまでテレビで共演した際に少し話す程度で、ここまでガッツリ話すのは初めてであった。

この縁のお陰で、B'zがMr.ChildrenとGLAYを呼んで行われたLIVEプロジェクトUNITE #1に繋がった。

内向的な稲葉がより表に出ていくきっかけとなった出来事だった。

TK from 凛として時雨 とのコラボ

TKとのコラボレーションは突然発表された。稲葉やB'zといえばあまりコラボについては積極的な方ではなく、コロナ禍前であればコラボするにしてもスラッシュやエアロスミスなど外タレが中心であったため、TKとのコラボは双方のファンに驚きを与えた。

稲葉は『As long as I LOVE』と『Scratch』の2曲に参加し、TKとの高音ボーカル共演を果たした。
これまで孤高の存在であった稲葉にTKが『ダメ元』でオファーしたところ、このコラボが成立したようである。TKによると、この頃のB'zはコロナ禍になったこともあり、『今までにない動きを精力的にしている』ように見えたのだという。

B'zといえば、大きすぎる商業的な成功により、X JAPANやBOOWYなどと比べて若手にフォロワーが少ないという指摘があるが(売れすぎていることにより、B'zを好きというとダサいと言われがち)、TKのような若いフォロワーと活動することで、ベテラン・兄貴分としての役割を果たしているように感じた。

SING2 ネクストステージに声優として出演

海外アニメ映画SING2(邦題 シングネクストステージ)の吹き替え声優への出演を果たした。

声優どころか、ドラマの出演経験もなかったため(若い頃にオファーがあったらしいが)、最大のサプライズとなった。
これまで音楽の活動のみに集中してきたからこそ、彼らの成功があるわけだが、このタイミングで声優に挑戦しようとした勇気、そしてその柔軟性には稲葉の進化が見えた。


BANTAMのリリース

デジタルシングル『BANTAM』を2023年になってすぐにリリースした。

なんとこの曲のプロデューサーはナイスポジションこと、蔦谷好位置。実は声優に挑戦したシングで出会った縁だという。

ナタリーの記事によると、『稲葉の“今”と“これから”を紐解く鍵となる楽曲として制作された。』とのこと。制作に至った経緯と共に、稲葉の新しい側面が存分に出た作品となった。

なお、余談であるがBANTAMリリース後に行われたソロライブではUNITEで共演したMr.ChildrenからドラムJENがサポートメンバーとして起用された。


最後に

コロナ禍で活動が制限される中、稲葉としてもB'zとしても新しい分野にチャレンジすることで、結果として大きく活動の場を広げた。
また、そこで出会った人脈から新しい作品が生まれた。

これはまさに進化。まだまだ成長期。

これからの稲葉浩志、期待しかないでしょ。

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