「紹介」にお金を求めるとおかしなことになるよ

ちょうど聞かれたので、良い機会だから整理して明記しておこうと思います。
 
ビジネスにおける、顧客の「紹介」について、僕の考え方を。
 
この考え方を「感じ悪い」と思う方は、そもそも僕が一緒にお仕事をできない方ですね。
 
(ちなみに特定の個人に対する批判とかじゃありません。
今回聞いてきた人も、単純に質問をしてきただけなので、別に怒ってはいません。)




「紹介料」を支払う気が無い3つの理由


僕は、誰かから顧客を紹介されたとしても、そこで「紹介料」をお支払いする気は、基本的には一切ありません。
 
そもそも、お仕事を「紹介」で受けることもほとんどありません。お断りしています。
 
(どちらも例外はあります)


まず、「紹介料」をお支払いしない理由は、大きく分けて3つです。



(1)そもそも紹介料を払えるほど利益が出る設計をしていない


立地もエレコもシェアハウスも、料金設定を「自分とお客さんが気持ちよく関係性を作れる価格」にしているつもりです。
 
ですので、その他の類似商品と正確に比較していただけると分かりますが、かなりリーズナブルになっているはずです。
 
間に誰かを挟まなければならないなら、もっと高めに設定しますが・・・・
それは、お客さんは喜ばないですよねー。
 
「紹介」してもらって高くするくらいなら、直接やりとりして安くていいと思っています。
 
なお、「立地コンサル」においては、サービスによってはしっかり利益が出る高額なものもあります。
(例:売上予測モデル作成代行は3ヶ月納期で料金200~300万円)
 
このクラスの成約が決まるなら、そのキッカケを作ってくれた人には、いくらか紹介料をお支払いしてもいいとは思いますが・・・・
 
Facebookで繋がってくださっている方々はご存知の通り、「個人コンサル」は今実質無料でお受けしていますから、紹介料をお支払いする余裕はないのです。
(そして、「紹介」の99%が個人の顧客です。)




(2)「紹介」そのものが成約に関わる度合いは低い


立地もエレコもシェアハウスも・・・・いずれも、「成約」に至るには、結局はこちらの「営業力」の方が重要になってきます。
 
特に立地コンサルは、非常に専門性の高い分野であり、ちゃんとプレゼンができないと、成約までのハードルは高く・・・・
結局そこでこちらの持ち出しが多くなるため、「紹介」だけにお金は払えないのです。
 
「紹介」があればそのハードルは低くなるかというと、そういうことは一切ありません。
立地もエレコもシェアハウスも、それは同じです。
結局のところ、これらのサービスはどれも、「僕とお客さんとの信頼関係」がほぼ100%で成り立ちます。
 
僕が集客に困っている状況ならともかく、どちらにしても大変な想いをするのは変わりないんだったら、「紹介料」を払うメリットはありません。
直接来てくれた人に、その労力をかけた方がマシです。
 
 
なので、(こういうことは滅多にありませんが)すでに僕のサービス内容を理解してくれている紹介者さんが、僕に紹介する前に、そのお客さんをほぼ成約直前まで持ってった状態にしてくれるなら・・・・
そういう状態で紹介してくれるなら、「紹介料」ではなく「営業代行手数料」として、いくらかお支払いすることはあります。
 
立地コンサルだと、事例が昔ありました。
「すでに商品内容は〇〇さんから見せてもらって知っているので、発注します」って、ちょっと話しただけで言ってきてくれた人。
 
こういった場合だと、こちらのプレゼンの手間が省けた分、紹介してくれた人に還元できます。




(3)「紹介者」の最大のメリットは「お金」ではなく「人脈」


立地もエレコもシェアハウスも・・・・
 
「日本に2人しかいない専門家を紹介できるよ!」とか、
「自分で性格診断ツール開発した人を紹介できるよ!」とか、
「たくまりこっていう面白い夫婦に繋げられるよ!」とか、
 
僕や僕のツールは、僕自身としてはかなり「レア度の高いもの」だと思っています。
 
そういう僕を紹介できる「人脈」こそが、紹介者の最大の武器です。
 
 
紹介者さんは、そのお客さんに貢献したいから、その人の役に立ちたいから、そのための解決策を持っている僕を、紹介するわけですよね。
だったら、「紹介料」なんかなくても、その時点で大きなメリットではないでしょうか。
 
弁護士や会計士や税理士など、(言い方悪いですが)「他に代わりがいる」仕事ですと、その業界自体が競争にさらされていますし、
 
「あなたがやってくれないなら他の人に回しますから」
 
っていう状況になることもあるため、「紹介料を払ってでも顧客を紹介してもらう」っていうのは、場合によっては必要かもしれません。
 
けれども、他に代わりがいないポジションであれば、
 
「どうぞ、紹介料が欲しいなら他の人をあたってください。
(他にできる人がいるのか分かりませんけれども)」
 
と言えます。
 
僕は、自分ではそのために価値を磨いているのもありますので、「紹介料なんかいらないからぜひ紹介させてほしい!」と言ってくれる人に、自分の時間とエネルギーを使いたいと思います。







「紹介料」以前に「紹介」もあまり滅多に受けません


そんな感じの3つが、「紹介料を一切払う気が無い」理由ですが・・・・
そもそも、基本的に「紹介」自体をお断りすることも多いです。
 
間に誰か挟まるのは、トラブルが発生する元にもなり、労力のわりに得られるものが全然少ないので、基本的には、直接の依頼以外では受けないようにしています。


何が一番嫌かって、「紹介者」と、その先の「お客さん」で、熱意や理解度に大きな差があることがほとんどだからです。
 
「紹介者」が熱を入れ過ぎていて、「お客さん」自身は懐疑的だから話が進まない、みたいなこともありますし、
逆に、「紹介者」が軽い気持ちでテキトーに繋げてくれたおかげで、「お客さん」が困惑してしまうこともあります。
 
僕は、会社員だった頃も営業でしたし、個人事業主になってからも含めると11年、商談の場にいますが、「紹介」が殊更プラスに働いたためしがありません。
(マイナスにはならなかった、っていうくらい)
  
フツーの、分かりやすい、代わりの利く経営コンサルだったらいいんですけど、専門性が高くなればなるほど、しっかり明確にしなくちゃいけないところが多くて・・・・
 
これで、大きな会社だったらばともかく、個人事業主である僕のスケールじゃ、間に誰かに入られることは、遠回りにしかなりません。



ちなみに余談ですが・・・・
 
特に立地コンサルにおいては、お客さん側が本気で立地について知りたくて自力で調べたら、わりと高確率で僕か父の会社には辿り着くんですよね。
 
でも、「紹介」の人は、9割方、立地の基礎の基礎も知らない人ばかり。
ちょっと「立地について知りたいな~」っていう軽い気持ちになった時に、たまたま紹介されてくるのです。
 
そういう、Amazonで本を買えばすぐ分かる程度の知識も持っていない人とは、100%、仕事にはなりません。
 
立地コンサルって、魔法じゃないですもの。
「僕が代わりに立地を調査してあげる」ではなく、「経営者本人が立地について学ぶ」をサポートするものですから。
 
「良い立地見つけてくれるんでしょ!?」ってノリのお客さんは、僕にとっては百害あって一利なしです。その程度の覚悟じゃ無理なんだってば。
(それくらい難易度が高いから他に専門家が生まれないんですけど)
 
なので、「本気で立地について考えたら、必ず辿り着いてくれるようにはなってるから、紹介者の必要は無い」っていうのが、僕の考えです。






「人を紹介すること」の責任を問う


エレコもシェアハウスも似たようなものです。
 
エレコは、特に今は無料診断がメインなので・・・・
時々、「友達に無料診断やってほしいんですけど、私じゃエレコの価値を説明できないので代わりに説明してください!」って言われることがあるんですが、
 
「僕が直々にエレコの説明をしなければ無料診断すらやる気にならない人は、僕のお客さんではありません」
 
とお断りしています。
 
そもそも、僕が直接プレゼンしなくても済むために作ったのが無料診断なんですから笑
無料診断の結果を見せて、それで面白そうと思ってくれない人には、何を言ったって響かないですよ笑



また、シェアハウスも・・・・以前に、「私が紹介した人が成約したら、紹介料もらえますか?」って聞かれたことがあります。
「不動産屋だったら、成約したら仲介手数料が入るから」と言うのが、その人の言い分だそうです。
 
が、これもまたお断りです。
 
「シェアハウスの紹介」とは、普通の一人暮らしの家のように、「物件」を紹介すればいいってものではありません。
特に我が家みたいなコミュニティ型シェアハウスは、「どんな人と一緒に住むか」が大切であり、そこで作られる人間関係に価値があります。
 
なので、そもそも「成約」のためには、その住みたい人自身と、住んでる我々とが、信頼関係を結ばなければなりませんし、それがすべてです。
 
出会いのキッカケが「紹介」であったとしても、「成約」の理由はお互いのコミュニケーションが100%なのです。
 
 
ですので、どうしても紹介手数料が欲しいなら・・・・その、紹介してくれた人がトラブルを起こした場合は、その責任も持ってもらうのがスジだと思います。
 
紹介で住んだその人が家賃を滞納したら「紹介者」が払う、
家でトラブルを起こしたら「紹介者」が解決のために動く、
くらいのことは・・・・最低限の責任だと思います。
 
「紹介料」を払うなら、その払ったお金分の責任は求めるよ、という話です。
 
その覚悟があるなら「紹介料」を払いますよ、と。







「紹介」ビジネスってセンスがないんじゃないでしょうか?


長々と書いてきてしまいましたが・・・・
 
別に、「紹介料」で利益を得ているビジネスすべてを一概に批判はしませんが・・・・
そのビジネスモデルって、時代遅れなんじゃないかなぁと、個人的には思います。
 
「紹介」っていうのが、どの程度の深度になるかにもよるかもしれませんし、ビジネスの規模にもよるとは思いますが・・・・
 
 
「紹介」って、本来はすごく価値があるものだと思うんですよ。
それを、1回1回、現金化しちゃうのって、もったいなくないですかねぇ。
 
「人と人とを繋げる」ということは、本当に素晴らしいものですし、それを真摯にやっている人には、「信頼」が貯まっていきます。
 
「紹介料」という形で毎度換金してしまえば、「お金払ったんだからチャラ」になってしまうじゃないですか。
 
なんてもったいない・・・・


「この人とこの人を繋げておいたら、後々でもっと大きなチャンスが生まれるかも」
 
という発想で、未来を見据えて繋いでいった方が、絶対面白いと思うんだけどな・・・・


ちなみに、心理的にも「返報性の原理」ってものがあります。
ですから、人と人とを繋いで、それに恩を着せずに手放しておくと、忘れた頃にドデカイものになって返ってくることもあるわけです。
 
相当お金に困ってるとかじゃない限り、目の前の少額の利益を追う「紹介料」なんか、得るものは何も無いと思うけどなぁ。
 
「悪い」とは言わないけど、長い目で見たら「センスないな(笑)」とは思います。




「紹介してくれたら嬉しい」
 
けれども、
 
「紹介してほしい」
 
とは全然思いません。
 
僕は今、すでに十分、素敵なお客さんやクライアントさんに囲まれているので・・・・
何か目先のメリットを求められる「紹介」は必要ないですし、むしろあんまり受けたくないです。

そして、僕自身も、そう滅多に人と人とを繋げることは、本腰入れてはあんまりやらない派なんですが・・・・
(「繋がってくれたら面白いな」と場をセッティングすることはありますが、積極的に繋げようとはしません)
 
それをやることがあっても、「紹介料」は取りません。
 
そんなの取らなくても、僕の未来が面白くなるような「紹介」しか、するつもりないからです。
 
お金なんかもらえなくても、「ここが繋がったらそれだけで面白くて満足」って思う紹介だけを、します。



「紹介」って、「人と人を繋げる」って、そういう捉え方がいいと思うのです。

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