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FIRE思想に欠けたピースによって人は不幸になるかもしれないという話

大流行中のFIREについて。何か腑に落ちないけれど、それが何なのかわからず悶々と考えていました。そして、ようやく一つの考えに落ちついたので纏めておこうかな、と。

FIREとは

Financial Independence, Retire Eerly の略で経済的自由を獲得したうえで、早期退職を目指す思想の事です。

FIREするためには、下記のようなプロセスが必要だと言われています。

・必要な貯蓄額を明らかにする
・現在の収支を把握する
・投資の知識を身に着ける
・収入UPを図る(副業 / 起業)
・投資収入による収入により生活できるタイミングで退職

これについて特に異論はありませんし、むしろ、実行したほうが良い事が多いと思います。

では、私が感じていた違和感は何なのか・・・

そう、それは「自由」。あなたはその獲得した自由を乗りこなすことができるのだろうか、という事なのです。


人は自由の重圧に耐えられない

ここで、エーリッヒ・フロムの名著「自由からの逃走」の内容をザックリとご紹介します。

中世のヨーロッパの人々に自由は一切ありませんでした。人は生まれながらに身分があり、職業を選ぶことはできませんし、住む場所も自分では決められないのが普通という世の中です。

さぞ辛い人生を送っていたのだろう、と感じるかもしれませんが、そうとも限りません。当時の人々には自動的に役割が与えられ、その役割をこなすための人間関係があったため、孤独を感じることはありませんでした。

その後、この封建社会はルネサンス時代の幕開けと共に一変します。人々は生まれ、家柄に関係なく個人を自覚し、ビジネスを興して成功する者も出てくるようになり、貧富の差が拡大しました。

この自由獲得の代償として、人々は孤独感に苛まれるようになったのです。突然わが身にふりかかる孤独感に人々が耐えられるわけもなく、人々は心の穴を埋めるために財産、名声、権力などを渇望するようになっていったのでした。


そして人は自由から逃走する

現在、多くの国は資本主義を採用しています。一部の資本家は莫大な富により自らの承認欲求が満たされる反面、多くの中産階級以下は孤独感と不安感を抱えながら生活することとなります。

そして、その孤独・不安に耐えきれなくなった時、人々はついに自由からの逃走を始めるのです。自由からの逃走方法として、下記のような特徴が紹介されています。

・権威主義  : 権力にすがる 
・破壊性   : 嫉妬心の増大、自己否定に走る
・機械的画一性: 自分が自分であることを放棄する

詳細は割愛しますので、ご興味ある方は、是非この本を手に取ってみてください。

この人々の心理を巧みに利用したのが悪名高いヒトラーです。人々は自由の重圧に耐えきれず、自らナチス・ドイツを妄信してしまったため数多くの悲劇が生まれた事は周知の事実でしょう。


FIRE後に備えるために

資本主義とは、未熟な心の持ち主には容赦なく孤独の刃を突き付けてきます。しかし、それを克服できる者にとっては「責任を持った自我」を成長させられる環境だとも言えます。

換言するなら、この「孤独の刃」に対する対抗策は自立する事です。自発的な活動で世界と繋がることです。"自分にとって"何が幸せなのかを自分で考えて突き詰めることです。

これは一朝一夕に成せることではありませんが、幸いFIREするにはある程度の時間が必要という方が殆どだと思います。金融の知識をつけたりする事と並行して自己研鑽に励むのです。きっと、退職時には自由の重圧に負けることのない人間性を獲得することができているでしょう。


どうやって人間性を磨くのか

揺るがない人間性の獲得に絶対的な方法はないと思います。セミナーを受講したり、コーチングを受けたりと人によって合った方法があるかと思います。ただ、こういったものは胡散臭いものを見分ける力が必要です。

そこで、私が採用している方法をご紹介しましょう(※FIREを目指してはいません)。それは、「古典に学ぶ」です。書籍の中でも古典は外れを引く可能性がほぼなく、書籍代は数千円以内とコストパフォーマンスが最高です。

唯一の欠点はそのとっつきにくさなのですが、最近はYouTubeやまとめブログなのでザックリと内容を解説してくれるコンテンツが無料で見られますので、そういったものを活用することも有効だと思います。




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