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■春季西表島活動「6日目」

 とうとう、西表島における最後の活動日となりました。この日は、島内唯一の登山道である「西表島縦断ルート」にアタックします。

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 全長は約20km。浦内川から遊覧船を使って登山口まで行き、そこからカンピレー、マリウドュと二つの滝を越え、そして仲間川河口までひたすら南へ進みます。

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 西表島はキャンプ場以外の幕営を禁止しているため、この縦断ルートも日帰りで抜ける必要があります。が、万が一日没までに抜けられなかった場合、仕方ないので山中で一泊(ビバーク)する予定でした。しかし、夜のジャングルなんてハブやサソリなどの危険生物だらけですので、なにがなんでも日が暮れる前に抜けようと、我々は序盤からペースを上げました。

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 登山口からカンピレー、マリウドュ、二つの滝までは観光用に道が整備されているため、30分くらいで抜けることができます。滝を少し超えたあたりに「縦断ルート入り口」があり、そこから本格的な登山道が始まります。

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 まずは最初の目的地「マヤグスクの滝」まで向かいます。この滝は、途中ルートを外れ、板敷川出合から北東へ約30分進んだ場所にあります。ちなみに、そこからさらに進むと、駒大探検部の先輩方が調査した「幻の湖」まで行くこともできます。

 マヤグスクの滝は、何段にも積み重なった石の上を水が流れる特殊な滝で、丁度満潮時なだけあって水流もすごく、迫力がありました。

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 少し休憩したら来た道を戻り、再びルートへ。このあたりから雨も降り始め、足場も一層悪くなります。そのため、途中、私は何度も転びました。落とし穴にはハマるし、一歩間違えれば崖に落ちそうになるし、と結構大変。あと、木に滅茶苦茶頭をぶつけるため、もし入る方はヘルメットの着用もお勧めします(笑)

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 そんな感じでぬかるんだ道を進み続けること約7時間。ようやく登山道(縦断ルート)を抜け、林道入り口である「大富口」まで辿りつくことができました。

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 「ふぅ、疲れた」と言わんばかりにくつろぐ後輩たち。正直、このままここで寝落ちしたいくらい疲れ果ててました。起きた南風見田キャンプ場に戻ってねぇかな、なんてあり得ない話は置いておいて、すぐさま出発だ!

 ここから市街地までは、約2時間の道のりを、ただひたすら南へ進みます。途中「ババ」がしたくなったので、西表島で初めての野糞をしました。道でするのはまずいので、丘の上で「ドバー」っとやらせてもらったゾ。「んーっ!」と踏ん張りながら、ふと前を見ると、仲間川の河口まで続く、綺麗で雄大な景色が広がっていました。おかげさまで贅沢な野糞ができたぜ。

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 ちなみに、途中にある「仲間川展望台」からは、浦内川まで続く景色もご覧になれます。我々はこの景色を見て、ああ俺らこれ越えて来たのか、なんて物思いにふけていました(笑)

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 糞も終え(汚い)、ひたすら道なりに歩いていると、いきなりスコールが。全身ずぶ濡れになり、さらにはザックの中身が浸水したりと悲惨な目にあいました。しかし、このスコールが来る前に登山道を抜けられたのは不幸中の幸いです。もしもこんな雨の中まだ登山道にいたら、日没までに帰れなかったでしょう。

 土砂降りの中を歩くこと約2時間、車で待つOBと合流し、そしてついに西表島における全ての活動を終えることができました。

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 遠くで、点滅するフロントライトを確認した時、やりきった!という歓喜と同時に、思わず泣きそうになったのを覚えています。

 ずぶ濡れの我々三人ですが、躊躇なく車に乗り込みました。そして、明日が最終日なもんで、スーパーで酒とつまみを買ってからキャンプ場に戻ったんや。まずはこの汚い体を洗うために風呂(ドラム缶)を沸かしました。疲れた上に冷えた身体で入る熱々のドラム缶風呂は、箱根で入る温泉の500倍くらい気持ち良かったなぁ、、。

 しかし、安心するのもつかの間、全員、体中のあちこちをヒルに噛まれている事が発覚。後輩にいたっては、足から、“なぜ気が付かない“くらいの出血をしており、思わず笑いました。私の足も、数か所ヒルに噛まれており、それを見た後輩が「先輩も噛まれていますね!」と言ったので、私は「何、こんなもの!」とその箇所を殴って見せました。そのせいで、未だに脛のあたりが痛く、ちょっと困っています。

 風呂を出た後は、待ちに待った夕食タイム。パスタの中にツナ缶をぶち込むだけという、いたってシンプルな料理でしたが、これがまた美味い。この6日間、アダンの藪にやられたり、転んで崖から落ちそうになったり、終いにはスコールに襲われたりなど、散々な目にあってきました。だけど、そんな生活も今日でおしまい。

 明日からは石垣島へ戻り、雨風しのげるホテルでゆったりできる、そう思いながらも、あの“非日常”にどこか寂しさを覚える最後の夜でした。

▼次回予告

 ついに全ての活動を終えた、我々一同。西表島から石垣島に戻るときは本当に寂しかったです。同時に石垣島が大都市に見たのも覚えています。さて、やっとシティーに帰れたわけですから、まずは飯!!酒!!てな感じで、楽しく、探検の疲れを癒します!

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