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会社立ち上げから7年、第一号社員が辞めるから「祭り」で送り出すことにした

Campの第一号社員である澤木 美奈(以下、澤木)。これまでディレクターとしてイベントを中心に、あらゆる場面でコミュニケーターを担ってきた彼女が、会社を退職することを決めた。

その決断を聞いた、代表の横田 大(以下、横田)と新田 晋也(以下、新田)は、「Campという会社をかたちづくるのにここまで貢献してくれた人はいない」と、言葉では語り尽くせない彼女への気持ちをなんらかのかたちで示したいと考え、Campを去るまでの約半年間「祭り」のようにさまざまな企画をし、盛大に送り出すことを決めた。これから新たな環境に旅立つ彼女の力になれるように、との願いを込めて……。

その第一弾が、このnoteでのインタビュー。今回は、彼女が退職を決断した背景やCampでの仕事ぶりについて、彼女と二人三脚でイベントをつくってきた新田とともに話してもらった。


30代半ば、こだわりや執着がなくなったからこその決断

ーまずは、澤木さんがこれまでどんなキャリアを歩んできたのかを教えてください。

澤木:愛知県にある芸術大学のデザイン科を卒業後、新卒でファッションやライフスタイルに関わる小売や、企画などを行う企業に就職をしました。その会社では6年ほど働き、はじめは店舗で販売を。最後の1年ほどはアートギャラリー部門に所属し、おもに商業施設でのアート関連の企画・運営を担当していました。その後Campに入社し、約7年イベントディレクターとして働き、いまにいたります。

イベントディレクターの澤木 美奈

ーさっそくですが、なぜ7年働いたCampを退職しようと思ったのでしょう。

澤木:それは、会社の立ち上げ期からこれまでにさまざまなことを経験して、「(Campでの仕事を)ここで区切りにしても問題がない、やりきった」と思えたのがいちばんの理由です。逆に続けるのであれば、もう1度大きな目標をつくらないと自分にとっても会社にとってもメリットがないな、とも思っていました。

ー次にどんな仕事をするのかは決まっていますか?

澤木:現時点では決まってないです。ただ、なるべく知らない人が多い環境やこれまでとは違う業界など、新しい経験をしてみたいなと思っています。

ー新田さんは、澤木さんから退職したいという話を聞いたとき、率直にどのように思いましたか。

新田:実は2年ほど前から「新しい環境に身を置きたい」という気持ちは聞いていたので、「ついにきたか……」という気持ちでした。

Co-Founderの新田 晋也

ーなんとなく匂わせていたんですね(笑)。このタイミングで退職を決断したことにはどんな理由があったんでしょうか。

澤木:私はいま30代半ばなんですが、年齢を重ねると現在の環境から抜け出すことにどんどんエネルギーが必要になってくると思っていて。いま動かないと来年はもっと腰が重くなって再来年はもっと……となっていってしまうから。「動くならいまだ」と思い、このタイミングになりました。

ーこれからやってみたい仕事は何かありますか?

澤木:これはポジティブに捉えているんですが、いま特定の職種でやりたい仕事というのはないんです。

私は美大に入るために予備校からたくさんのお金をかけてもらって、大学も4年間通わせてもらったので、その関連の仕事には就きたいとずっと思っていました。

なので、社会に出たとき結果的に自分自身が“作り手“にはならなかったことで、当時は「本当にこれでいいのか」と迷ったり、自分が選んだ道で「もっと存在感を発揮しないと」と焦ることも多かったです。

だけど、新卒で入社した会社、そしてCampでの7年間のなかで出会った人たちや経験を経て、変なこだわりやある種の執着みたいなものがなくなっていったんですよね。

これからは、「こういうことはしたい、したくない」という自分なりのものさしさえ持っていれば、あとはなんとかなるだろうという気持ちにもなれたので、視野を広げて挑戦してみたいです。

新田:僕も横田も、独立をしてCampを作ったのが30代半ばなので、このあたりの年齢って同じようなことを考える人が多いのかもしれませんね。今回のnoteやこの半年間さまざまな企画を通して、澤木さんに新たな出会いやご縁が訪れるといいなと思っています。

澤木:ありがとうございます。Campとも良好な関係だからこそ、これからもゆるやかに関係が続いていくといいなと思っています。

Campの「羅針盤」として活躍した7年間

ー話しは遡って、Campとの出会いはどのような経緯だったのでしょうか。

澤木:もともとCampの代表2人とは知り合いで、ずっと新田さんからは一緒に何かをやろうと誘ってもらっていたんですが、そのタイミングがいまではないと断っていて(笑)。
ただ、新卒で入った会社を辞めるときに「保険とか保証を確保したうえで、自由な時間をつくりたいからバイトでいったん働こうと思ってるんです〜」と新田さんに話をしたところ、「そういうことなら条件も合わせられるし、Campの第一号社員としてどうかな?」と誘ってもらって。

ーなるほど、そうだったんですね。新田さんは、なぜ澤木さんをはじめての社員としてお誘いしたんですか?

新田:もともと澤木さんとは飲み友だちで、いろんな人とコミュニケーションを取るのがうまいなと思っていました。横田と僕は性格や考え方が正反対なので、仕事の進めかたなどでぶつかることもあって。この2人の間に立ってうまく調整してくれる人がいてほしいと思ったとき、社内でも社外でもコミュニケーターの役割を果たせそうな澤木さんに白羽の矢がたちました。

あとは、これからCampとしてイベントの仕事もどんどん受けていきたいと思っていたので、その経験値を持っていることも大きかったです。

2022年渋谷デザイナーズマーケットの様子
2022年渋谷デザイナーズマーケットの様子
2022年渋谷デザイナーズマーケットの様子


ー実際に入社してもらって、澤木さんの活躍ぶりはどうでしたか?

新田:入社して早々に大雑把すぎる僕と細かすぎる横田の間に立っていろんなヒアリングをし、イベントの運営を体系化してくれてとても助かりました。これはいまもCampのベースとなっています。

澤木:なつかしいですねえ。

ー早々にコミュニケーターの役割を果たしていますね。それから7年、澤木さんがこの会社にいてくれてよかった、というエピソードはありますか。

新田:それは、もうたくさん。日々いてくれてよかったなと思っています。

でも1つ挙げるとしたら、新規の仕事の相談がきたら、いまやっている仕事がどんなに忙しかったとしても経営者としては「やりたい」と思いますよね? そうしたときに、澤木さんの反応が「仕事を受ける、受けない」においていちばんの指針になっていました。

澤木さんは、社内のリソース状況やメンバーのメンタル状況、売り上げなどを多角的に考えられる方なので、さまざまなバランスを考慮したうえで、ここぞというときには「この仕事はやっておきたいですね。なんとかやれる方向で調整しましょうよ」と前向きに受け止めてくれていたことも本当に助かっていました。

澤木:そんなふうに思ってくれていたんですね。

新田:逆に売り上げのためだけにやろうとしているときにも、「この仕事はいま必要なくないですか?」と冷静に判断してくれて、あらゆることの基準にしていましたね。

ー澤木さんは、Campの羅針盤のような存在なんですね。これは澤木さんがいなくなったらたいへんそうですね(笑)。

新田:本当に、たいへんなんです。

新田:何かアクションをするとき、メンバーがどう思うかということも澤木さんを介してその感情を把握していたし、メンバーに伝えるときも、その人その人に応じて言い方やコミュニケーションを変えてくれていたので、潤滑油という言葉ではおさまりきらないところがあります。

ーでは最後に、退職までの半年Campとどのように関わっていきたいかを教えてください。

澤木:羅針盤というほどだとは自分では思っていなかったですが、職能以外の部分で社内の潤滑油になれていた部分は少なからずあるかなと思っています。ですので、Campのメンバーが半年後にいきなり「環境が変わってしまった」とならないように、私がいなくなってもだいじょうぶという状態に少しずつしていかないといけないなと思っています。

ー退職まで半年在籍するってすごいことですよね。それだけでも澤木さんのていねいな人柄が伝わってきます。

新田:そうなんです。全方位に不義理がないか、ということを人一倍気にする方なので。今回みなさんに早めにお伝えをして、その想いに最大限応えたいという気持ちもありました。あと半年ですが、澤木さんよろしくお願いします!

澤木:よろしくお願いします。


退職までの半年間、Podcastでの配信やnoteでの発信、スナック企画などさまざまなかたちで、Campと第一号社員・澤木のこれまでの歩みやこれからの関係性についてお届けしていく予定です。最後までお付き合いのほど、どうぞよろしくお願いいたします。

クレジット:取材・執筆:星 文香、撮影:持田薫


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