自分には時間があると思って生きていた なんとなく、平均寿命くらいまで生きるのだろうと思って生きてきた どこにもその保証はないのに。 体に思いもよらなかった病気が見つかった。 今まで人生を考える時、平均寿命あたりまでの年数に思いを馳せていることが多かったけれど、それは単なる自分の思い込みだったのだと気付かされ、ショックを受けた。 健康に生きている人々の中で日々の予定に追われ、無意識に毎日を消化していると、死が自分からかけ離れたもののように感じる。 よいことでもあるのだろう。
最後の芸術の授業だった。 私は勉強もできなくて、できないくせに努力もちゃんとできなくて、ネガティブで、一度考え始めるとマイナス思考がずっと頭をぐるぐるしてしまうような、自信を持てるようなところのない人間。 朝起きて希望を持てる日なんてほぼなくて、勉強も恋も自分磨きもままならない日々。 でも、そんな私の心を揺さぶって鼓舞してくれるのが芸術の時間だった。 ゴッホ、ミレー、ゴーガン、その名を誰もが知るような芸術家たちは、人生の途中で壁にぶつかり、悩み、こんな私と同じようにどうしよ