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角川文庫版と角川スニーカー文庫版のハルヒ読み比べ(涼宮ハルヒの退屈)

 こんにちは。前回に引き続き角川スニーカー文庫と角川文庫の読み比べを行っています。今回は第三回で、『涼宮ハルヒの退屈』です。
 読み比べに使用したのは角川スニーカー文庫四十七版、角川文庫初版。

Twitterで見たい方はこちら。

前回は省略しましたが、表紙から目次までの比較も。

退屈2

退屈3

退屈4

プロローグ

『退屈』角川文庫版はプロローグの文字だけで1ページ使ってます。『憂鬱』と『溜息』ではスニーカー文庫版と同じようにそのまま本文が続いてたけど今回は変更しているようです。『憂鬱』や『溜息』と違って、『退屈』は短編集だから、タイトルごとにその都度ページを変えているのでしょうか。(『憂鬱』と『溜息』は第一章、第二章という風に物語が進んでいました)

退屈5

『涼宮ハルヒの退屈』

角川スニーカー文庫 P.34
 何キロ出てるのか知らないが、目にも止まらぬとはこのことだ。
角川文庫 P.37
 何キロ出てるのか知らないが、目にも留まらぬとはこのことだ。
補足…『目にも止まらぬ』から『目にも留まらぬ』への修正。私も『目にも止まらぬ』だと誤って覚えてました。

※ちょっと読み比べから脱線しますが、スニーカー文庫版の『退屈』で古泉が持ってる携帯の描写、いとうのいぢさんのイラストではガラケーだったんですね。本文では共に『携帯』となっていますが。『退屈』がザ・スニーカーに掲載されたのは2003年なので、時期的に2G携帯電話のmovaでしょうか。

退屈6

退屈7

『笹の葉ラプソディ』

角川スニーカー文庫 P.97
 ここは変わり者たちのメッカなのか?
角川文庫 P.97
 ここは変わり者たちの聖地なのか?
補足…メッカから聖地への表記変更。意味としてはメッカでも十分通じますが、聖地の方が文脈のニュアンスが近い感じがしますね。

『ミステリックサイン』

角川スニーカー文庫 P.146
 さすがにメイド衣装には着替えてはいない。少し残念。
角川文庫 P.143
 さすがにメイド衣装には着替えていない。少し残念。
補足…『〜には〜は』と一文の中に『は』が2つあるのを1つにした模様。声に出して読むと角川文庫版のほうが言いやすい。前者も好きですけどね。

『孤島症候群』

角川スニーカー文庫 P.252
 本物メイドの森園生さんは、卓上に酒瓶をボーリングのピンのように並べると、(以下略)
角川文庫 P.244
 本物メイドの森園生さんは、卓上に酒瓶をボウリングのピンのように並べると、(以下略)
補足…ボーリングからボウリングに修正。文科省が言うなら仕方ないね。

角川スニーカー文庫 P.256
 この展開では胡乱な大海獣が出てくることも森の奥から原住民が出てくることもないだろう。
角川文庫 P.248
 この展開では胡乱な大海獣が出てくることも森の奥から先住民が出てくることもないだろう。
補足…原住民から先住民へ修正。これは色々とやむを得ない変更文字数。

角川スニーカー文庫 P.278
 (前略)ようやく扉の内側に入れたときには全身まんべんなく濡れネズミとなっていた。
角川文庫 P.269
 (前略)ようやく扉の内側に入れたときには全身まんべんなく濡れ鼠となっていた。
補足…濡れネズミから濡れ鼠へ変更。スニーカー文庫版も直前に『濡れ鼠』と表記有。

あとがき

変更点はこれ以降見つかりませんでした。
角川スニーカー文庫版では作者である谷川流さんのあとがきで終わるのですが、角川文庫版では代わりにはやみねかおるさんの『ハルヒの退屈に、読者は退屈してられない』が収録されています。最後のコメントは、すべてのファンの声だと思います。

おしまい

退屈8

 スニーカー文庫版と角川文庫版の『涼宮ハルヒの退屈』読み比べ、これにておしまいです。大変長い内容をお読みいただき、誠にありがとうございます。見落とした修正個所があればコソッと教えてくださると幸いです。ありがとうございました。また『涼宮ハルヒの消失』の読み比べの時に…。

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