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火星人が地球を侵略!?『マーズ・アタック』で、 笑いと恐怖のカルトクラシックを体感しよう

SF映画好きの皆さん、特に40代以上の映画ファンにお届けしたい一作があります。それは、ティム・バートン監督の異色作『マーズ・アタック!』です。

1996年の公開当時、斬新なビジュアルとブラックなユーモアで話題をさらいました。
今回は、この映画の魅力と、映画を見て思い出す日常のエピソードについてご紹介します。

あらすじ

『マーズ・アタック!』は1996年に公開されたティム・バートン監督のSFコメディ映画です。この映画は、突然地球に襲来した火星人たちと、彼らに立ち向かう地球人たちのドタバタ劇を描いています。

物語は、アメリカ中西部の牧場で奇妙な火の玉が空を横切るシーンから始まります。すぐに火星人の大艦隊が地球に接近していることが判明し、アメリカ大統領を中心に世界中がその対応に追われます。

火星人との初接触が行われますが、当初の友好的な雰囲気から一転し、火星人たちは突如、一瞬にして人や動物を消滅させてしまうレーザービームで攻撃を開始し、大混乱が巻き起こります。

火星人は高い技術力と破壊的な兵器を持ち、次々と都市を襲撃します。一方で、地球人たちはその脅威に対して無力に見えます。

しかし、事態は急転直下、火星人の弱点が偶然にも発見されます。それは、ある特定の音楽で、火星人たちがこの音楽を聞くと、頭が爆発してしまうのです。

こうして、地球人たちはこの音楽を利用して反撃に出ます。最終的には火星人の侵略を食い止め、地球は平和を取り戻します。

この映画は徹底したおふざけの姿勢とパロディ的な要素が強く、風刺とユーモアを交えて進行するため、終始笑いが絶えない展開です。

見どころ

『マーズ・アタック!』の見どころは、その独特なビジュアルとブラックユーモアに満ちた演出です。ティム・バートン監督ならではの奇抜なデザインと、カラフルでエキセントリックな火星人たちの姿は、一度見たら忘れられません。

まず、火星人のデザインは圧巻です。大きな脳と薄っぺらな体、そして不気味な笑みを浮かべた顔は、他のSF映画では見られないユニークなビジュアルです。また、彼らのテクノロジーも興味深く、透明なドーム型の宇宙船や、レーザー銃など、どこかレトロな雰囲気を漂わせています。

次に、キャストの豪華さも見逃せません。ジャック・ニコルソンがアメリカ大統領役とラスベガスの実業家役の二役をこなし、グレン・クローズやダニー・デヴィート、ナタリー・ポートマン、サラ・ジェシカ・パーカー、ピアース・ブロスナンといった一流の俳優陣が脇を固めます。これらの俳優たちが、真剣にバカバカしい状況に対処する姿は、見ていて飽きることがありません。

さらに、映画全体に散りばめられたパロディと風刺も魅力の一つです。1950年代のSF映画へのオマージュが随所に見られ、冷戦時代の核戦争の恐怖を皮肉ったストーリー展開は、笑いと同時に考えさせられる部分もあります。

最後に、音楽の使い方が非常に効果的です。特に、火星人を撃退するきっかけとなる音楽のシーンは、シュールでありながらも爆笑を誘います。このように、『マーズ・アタック!』は、そのビジュアルとユーモア、そしてパロディ精神が見事に融合した作品です。観る者を楽しませるだけでなく、ティム・バートンの映画作りの巧みさを堪能できる一作となっています。

マーティン・ショートと「マーズ・アタック」の美女

映画『マーズ・アタック!』には、多くの印象的なキャラクターが登場しますが、中でも特筆すべきはマーティン・ショートが演じるホワイトハウスの広報担当、ジェリー・ロスと火星人が化けた美女のエピソードです。このシーンは、映画の中でも特にユーモラスで、風刺的な要素が強調されています。

ジェリー・ロスは、仕事中にもかかわらず美女に目を奪われ、完全に骨抜きにされてしまいます。この美女は、実は火星人が人間の姿に変装したもので、ジェリーを誘惑して彼の無防備な状態を利用しようとします。しかしながら火星人は地上では呼吸することができないので、呼吸の代わりになるガムをずっと噛んでいる、という設定です。
ジェリー・ロスが火星人に誘惑されるシーンは、火星人の恐ろしさと同時に、彼らの巧妙さをも際立たせる名シーンとなっています。

このエピソードを思い出すたびに、私は現在働いているミュンヘン空港での人間模様を思い出します。そこには、私たちの同僚の間で『マーズアタック』とあだ名をつけられた他社の地上職員の女性がいます。
彼女は一部の隙なく整えた髪型、美人なのに無表情で、通りすがりに挨拶もしないという、まるで映画の中の火星人のような雰囲気を漂わせています。時々チューインガムを噛んでいる姿も、その無機質な感じを強調しているのです。

このように、映画『マーズ・アタック!』は、奇抜でユーモラスなだけでなく、私たちの日常生活の中にも共感できる要素を提供してくれます。映画の中のシーンが、私たちの現実とリンクすることで、作品の面白さがさらに増すのです。この映画をまだ観ていない方には、ぜひ一度ご覧になることをお勧めします。


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