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その値段は妥当なのか否か?

どうしようもなく喉が渇いてしまい、まずはペットボトルでお水かお茶か、とにかく甘くない飲料水を買ってのどを潤してから、ゆっくり買い物をし始めようと思い、スーパーマーケットに飛び込んだ。
今日は貴重な『平日休み』だから、35℃の炎天下、市役所だの銀行だの郵便局だの、平日の日中にしかできない所用を済ませたり、お誘いを受けていた知人の展覧会にも伺ったり(途中でお祝いに大きなフラワーアレンジメントを購入し、それを抱えて会場まで歩いていき💦)、とにかく駆けずり回った。

帰宅する前に夕飯の材料を買い出しをせねば……と、街中にある普段はめったに行かない大きなスーパーに到着する頃には、もう汗びっしょり、ヘトヘトで喉カラカラだったわけである。
そりゃあね、ここは日本ですから、街中を歩いている最中、自動販売機やコンビニがあちらこちらにあって、いつでも飲み物は買える機会はありましたよ。でもですね、、、

110円のものを110円で買いたくないの!

普段1個320円の美味しいカヌレとかポロっと買うくせに、1本110円のペットボトルのお水を定価で買うのには抵抗があるという、なんと矛盾したことか!この私!!!

そんなわけで、1本89円とか78円とか、特売なら69円で売られることもあるペットボトルのミネラルウォーターを求めて、某〇Kストアまでやってきたのである。
そのスーパーは地元でも有名な超ディスカウントストアで、これだけ物価高の世の中でも、ギリギリの価格で、新鮮で良い品を提供してくれる、庶民の強~い味方なのである。私は1階の食料品売り場に着くなり、近くにいた定員さんに「ペットボトルの冷たいお水とかお茶はどの辺に……?」と聞いてみた。自分で探そうとせずに、すぐ人に聞いてしまうのはオバタリアン(←もはや死語)の特権(いや、悪しき習慣!)なのだ。するとその店員は困惑した表情を浮かべ、「申し訳ありません。ペットボトルは常温のものしか販売していないんです」と、文字通り申し訳なさそうに言うではないか。
そう、ここは超ディスカウントスーパー、無駄を一切省き、店内のディスプレイもいたってシンプル、というか簡素。飲料水や酒類などは、棚に乱雑に積み上げているだけで、冷やした状態で売っているコーナーなどは無いのだった。辺りを見回すと、冷蔵棚はあるにはあるのだが、そこに陳列されているのは肉魚類の他、練り製品や豆腐納豆など、冷蔵でしか保てないものばかり。そしてその奥にはチーズ、牛乳、ヤクルト、ジョア。
ジョアか……でもどうにもこうにもこの喉の渇きをいやしてくれるのは、それではないのだ。こう、なんていうか、もっとさっぱりとしたなにか、のど越しの良いなにか、なにかないのか……とキョロキョロすると、「しぼりたて」「100%」の文字が。近寄ってよく見てみると、それはそれは品の良い小さい透明のプラスチックの容器に入ったオレンジジュースだった。容量200mlぐらいか。いかにも美味しそう。これだ!これしかない!とそのボトルに手を伸ばそうとして怯んだ。

お値段324円(税込)

こ、こ、これが⁉この小さなボトルに入ったオレンジジュース1本が⁉
な、な、なんで???私はその値段の真意(⁉)と問いただしたく、とにかくそのボトルを手に取ってみた。よくみると、ストレートジュースと書いてあり、それは濃縮還元されていない「しぼりたて」をパックしたということらしい。「原材料は果物のみ。香料・酸化防止剤不使用」となんだか良さげな文字も。
良し、買おう!
だって、この夏休み、どこかへ泊りに行くわけではないし!
交通費使って観光地へ行くわけでもないし!
なんなら324円なんて、米ドルにしたらたったの2ドルよ、2ドル!
2ドルでオレンジジュースが買えるかっつーの!
ニューヨークで〇亀製麺食べたら一杯2,000円超えるっつーの!

わけのわからない持論を心の中でまくしたて(いや、実際ちょっと声に出ていたかも知れぬ)、鼻息荒くレジで会計を済ませ、その場でパキッとふたを開けて飲んだ。
一気に飲んだ。

おいしーーー!!!

もちろんのどがカラカラだったというのもあるのだけれど、こんなおいしいオレンジジュースは飲んだことがないと思うほど、それは美味しかった。
324円の価値はある!十分にある!!と私は思わずにはいられなかった。 あまりにも美味しいから、残り全部買い占めたいくらいだ!と息巻いて、私は再びそのジュースが置いてあった棚に戻った。がしかし、そこに売れ残っていた数本のジュースの合計金額を素早く頭の中で計算すると、私は正気をとりもどし(ようやく!)、「と、とりあえず1本だけ買お。息子に飲ませたいし。」と、健全で常識的な判断(?)をしたのであった。

その後、「さぁーて、今晩のおかずは……」などと店内をうろついているあいだに、118円のちくわか、若干お高いぐち入り143円のちくわかで迷うぐらいには、いつもの感覚がすっかり戻り(結局118円の方を2パック買いました)、その他の必要なものを買いそろえて、無事に帰宅の途についたのでありました。やれやれ。





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