イカんことで

皆さんには好きな数字、嫌いな数字がありますか?好きな数字は人によって色々あるかもしれませんが、嫌いな数字となると、死を連想させる「4」を挙げる方が多いのではないでしょうか。私自身は中学校時代、野球部で背番号4だったので、どちらかと言えば好きな数字なんですけど。米国などでは、4は「上向きの矢印」にも見えるので好感を持たれている数字のようですよ。
 
さてこの辺りでは、身近な人が亡くなられた時に「この度はいかんことができまして」とおっしゃる方がございます。「いかんこと」=「あってはならないこと」という意味のようですが、身近な大衆魚であった「イカ」にも、それこそ「いかんこと」が起こっているようであります。
 
函館などではスルメイカの水揚げが昨年の2割以下で、初競りの最高値は2倍超だったとか。実は私イカが大好物で、刺身はもちろん独特の旨味が出る天ぷらは海老以上に好きかもしれません。回転寿司でも、まずはイカから注文派です。
 
イカの不漁を伝える某新聞のコラムでは、まど・みちおさんの「するめ」という題の詩が紹介されていました。「とうとう やじるしになって きいている うみは あちらですかと・・・」。干からびきっても海を恋しく思っているようで微笑ましくなるような詩です。
 
「(イカが沢山獲れる)豊穣の海はどちらですか?イカに尋ねても教えてはくれないだろうけど」と、コラムの筆者は結んでいましたが、せめてイカの漁獲量がその姿と同じく上向きの「やじるし」に転じることを祈ります。あ、イカって本当は足(腕)のある方が上だったっけ?下向きの矢印だったか。全くイカんことでございます。

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