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“20th Century Boy / T.REX”

[RADIO DAYZ] 1973 あの頃ラジオから流れていた懐かしい名曲を紹介します。
 
1970年にデビューしたUKグラムロックの雄T.REX。71年の「Get It On」を始めとして72年にシングルヒットを連発し、その人気を不動のものとしていました。

そんな彼らが初来日を果たした1972年末に都内のスタジオで録音され、73年にリリースされたシングルがこの「20th Century Boy」です。オリジナル・アルバムには未収録。CD化にともない73年リリースのアルバム『タンクス』に収録されました。

「みんなお前のことを最高だって言うんだよ。猫のようにしなやかで、羊のように勢いよく、蜂のように心を射抜く・・・君の恋人にしてくれよ」「君は僕と出会うために生まれてきたんだ。君の好きなようにしていいんだ」「僕は君の20世紀ボーイなのだから」。何とも陳腐な愛の告白の歌でした。

ファズギターによるジャーン(オープンE)というシンプルなイントロですが、何ともキャッチーで、その後の女性コーラスのオーバーダヴは様式美のような、まさにT.REXサウンドです。キャッチコピーの「ソリッド・ゴールドなロックン・ロール」は意味不明ですが(苦笑)、どこか合点がいくフレーズです。

曲の最後にF.O.していく中で、ボソボとマークの語りのような部分がまた格好良いのです。T.REXのシングルヒットは数多くありますが、個人的にはこの曲が一番好きです。


時は経ち1999年、青年向け漫画雑誌のビッグコミックスピリッツに「本格科学冒険漫画 20世紀少年」の連載が始まります。作者の浦澤直樹氏は、私と学年が同じ1960年の早生まれ。この作品で描かれる大阪万博 EXPO '70 にまつわる時代の空気感には共感しまくりです。

1960-70年代のロックファンで、自身もロックバンドを組んでいたという彼が名付けた作品のタイトルは、まさにT.REXへのオマージュでしょう。同作品の映画化でもこの曲が当然のようにテーマ曲として使われていました。


そこまでミーハーなファンでは無かったものの、当時の私の周囲の音楽友達の間ではエアチェックで物足りず、これらシングルヒット満載のベストアルバム『Great Hits』(1973)を聞きまくっていました。個人的にはT.REXのアルバムといえば、これ!って感じです。当時のT.REXは本当に勢いがありました。

マーク・ボランは1977年秋に交通事故でこの世を去ります。オカルトにハマっていた彼は、自分は30歳までは生きられないと信じていたようで、奇しくも30歳の誕生日の2週間前の事故だったといいます。英雄伝説の悲劇的な結末ですね。


夢中になってラジオを聞いていた頃の思い出をこちらでも語っています。

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