"心が通じ合わなかっただけ"



はじめに

いつも読んでいただき
ありがとうございます。

皆様は
3連休をいかがお過ごしでしょうか。

私は
久しぶりに
大好きなaiko
の特番ラジオをきいて
テンションが上がりまくっていました。

この記事では
英語のイディオムの紹介と
そのイディオムを用いた
小説風の短編ストーリーを
楽しめる内容となっています!

英語が苦手な方にも
ぜひ
お気軽に読んでいただけたら嬉しいです。

今回のイディオムは
”see eye to eye”
です!

”see eye to eyeの意味”


"see eye to eye"
意味: 意見があう、話があう

反対に”誰かと意見があわない、話があわない”と表現するときは
"see eye to eye with (人)"
また"物事に対して意見があわない"と表現するときは
"see eye to eye on (物事)"
というように前置詞が変わります。

”心が通じ合わなかっただけ” 小説風短編ストーリー


高校生ぐらいだろうか。
カフェで
恋愛の悩み相談のような話をしている。

彼女達の会話を
盗み聞きするつもりはなかったのだが
隣の席に座っているので
ついつい耳に入ってきてしまった。

" I don't see eye to eye with him on idea about life.
Do you think it's time to break up with him?"

カップを持つ手が思わず
とまってしまった。
"see eye to eye"

確かにそうきこえた気がする。
自分の気持ちを
真正面から伝えることに
恥じらいがなかったあの頃。

恋は盲目というけれど
そんな言葉では片付けられないくらい
一途で真っ直ぐだったあの頃。

両親の仕事の都合で
突然
高校進学直前から
日本を離れることになった。

制服に憧れ
自分も同じようにいつか
可愛らしい高校生になると思っていたのに
あっさり裏切られ
かつ
思春期特有の
自分の感情をうまく伝えることができず
嫌々ながら
カナダの高校に通うことになってしまった。

英語もわからず
何もかもが変わってしまった環境の変化に戸惑い
クラスには全くなじめなかった。

日本に帰りたい。
毎日そう思っていた。

そんなある日
いつものように
中庭で一人でランチを食べていると
"Hey, what are you reading?"
と突然声をかけられた。

サラサラの髪の毛に
コバルトブルーのような瞳。
どう返答していいか戸惑っていると
" I like the book as well. Did you read the new book?"
と本を指さされたので
あぁ。本の話かと思い
少しほっとして
拙い英語でなんとか返事をした。

彼は
私のたどたどしい英語を気にせず
きちんと耳を傾けては
自分の意見を嬉しそうに語ってくれた。
それだけで嬉しかった。

我ながら単純すぎる性格なので
そこからは彼と話したくて
必死に英語を勉強した。

もちろん
ネイティブのレベルにはなれなかったが
相手の話している内容は
だんだんと理解できるようになって
英語を英語で理解するとは
こういうことなのだなぁ。
と思えるようになってきた。

ただそれは
あくまでも
自分の思い込みだったのだ。

中庭で出会った彼と
久しぶりに会った。

いつものように
本の話をしていると
本の内容から発展して
議論めいた雰囲気になり
お互い段々と
ヒートアップしてきて
遂には
"Well, to be honest, I don't see eye to eye with you on the way of thinking about this book."
と言われてしまった。

困惑しすぎて
何も返答できず
しばらく黙って見つめ返していたら
無言で立ち去られてしまった。

その時は
あまりにも驚きすぎて
思考が停止していたし
悲しいという気持ちと
やるせない気持ちが混じって
段々と腹立たしくなった。

愚かな私は
彼は
”私が彼の目を見て話をしない”
ことに
腹を立てているのだ。
と勘違いして
勝手に拗ねて

私は日本人だから
人の目をまっすぐ見つめて
堂々と話すあなたとは
違うのだ。
という
訳の分からない理由を盾に
自分の殻に閉じこもってしまった。

冷静に考えれば
彼はただ単に
議論した内容の本に対する私の見解が
彼の見解と合わないと言っただけであって
彼が怒っていただけではなかったのだと
後々になって気が付いた。

もしあの時
変な意地を張らずに
勇気をもって
彼に話しかけていたら
私たちは
誤解を解いて
友達になれたかもしれない。

なんて
思い返すだけで
甘酸っぱい気持ちになった。


ー終ー




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