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日本橋三越は「行く」ではなく「お出かけする」が似合う

先日日本橋三越に行ってきた。

三越に用があったわけではなく、日本橋にある別のお店に買い物に行ったついでに、近くにあった日本橋三越にいったのである。

日本橋三越といえば言わずもがな、老舗百貨店。三越の本店である。

建物も歴史を感じさせ、中央ホールにある天女の像やパイプオルガンは、更にノスタルジックな気分にさせる。

中央ホールの天女の像
パイプオルガンの演奏は週末のみ

そして、ここ三越日本橋には、アンモナイトの化石が壁に埋まっているのである。

お客さんも通れる階段の壁にシレっとあるアンモナイト

こんなにも商品以外の情報量が多い百貨店はそうそうないであろう。
もはや文化財の中で商品を売っているといっても過言ではないぐらいである。

そんな三越日本橋、三越本店というだけあってとてもお上品である。
販売している商品も若干ターゲット年齢が高めであり(もちろん若い人向けのものもある)、お客様も品のある方が多い気がした。

6階の宝飾品や時計を扱っているフロアにいたっては、もう「私のくるところではないな」という空気感をまとっているのだが、なぜかトゲトゲはしていなくなんとなく温かい雰囲気なのである。
店員さんがいわゆる高級店にいそうなすました感じではなく親しみやすそうであるとか、フロアの設備に残る歴史感とかそういったものからくるのかもしれない。
他のデパートの宝飾品売り場とは違う不思議な空間だった。

そしてそのフロアにある喫茶店がまた素敵であった。

カップとソーサーやお皿はWedgwoodで揃っており、それが店内の飾りにもなっている。

全てWEDGWOODだと思われる

メニューも昔ながらのもので今時のものは無く、どれも想像がついて安心して注文できる。

コーヒーとベイクドチーズケーキ

そして日本橋三越には「特別食堂」というものがある。

https://www.mistore.jp/store/nihombashi/shops/restaurant/nihombashi.html

ここはいわゆる「デパートの食堂」とは一線を画す、高級な食堂である。
お値段もさることながら、入り口にはビシッとネクタイをしめたご案内係の人がお客様をお迎えしていて高級感あふれる佇まいなのである。
「ちょっとお茶しようゼ」なんてお気軽には入れ無さそうなオーラを、その門番、、、ではなく案内係の男性が漂わせているのである。

うっかり「食堂」という名につられて気軽なお食事どころとイメージしそうになるが、もうそこは覚悟を持っていくところである。

きっと昔は、日本橋三越に行くというのは、一家の一大イベントで、

「せっかくのおでかけだから奮発して特別食堂でご飯食べてこよう。
ご飯食べたら、6階の素敵なフロアで、買い物はできないけどコーヒー飲んでこよう。子供たちにはフロートがあるしね。
中央ホールの天女様を見て、パイプオルガンに演奏も聞いてこよう。
子供にはアンモナイトを見せて博物館の代わりになるね。」

といった何日も前から企画されたとっても楽しみな家族のイベントだったのかな、と想像してみたりした。

今はどこのデパートもそれほど敷居が高くなく、高級感はあふれるけれど、現代的なデザインだったりするので、重厚感を感じるかといえばそこまででもない。
しかし、日本橋三越は古さというよりも歴史を経て重厚感が増して、昔の人が感じていたであろう敷居の高い百貨店のおもかげを、良い意味で残しているように感じた。

自分は他の大手のデパートや百貨店も買い物によく行く、、
(いや、買わないけど行くこともあるな…)
が、日本橋三越はそれらとは違う目的で、あそこの雰囲気とか空気を味わいに、行きたいところだと思った。

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