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彩り~私の生活が変わったワケ

私は現在無職である。
2年前コロナ禍で仕事が激減してパートを解雇になったのだ。
じわじわと押し寄せる不安はある。でもこの年での再就職はなかなかハードルが高く、主人の扶養に入り短期バイトをしたりしながらゆるく職探しをしている。

時間はたっぷりとあるがこのご時世なのでお出掛けも出来ず(まぁそんなお金もないのだが)毎日の家事が済んだら育てている花の手入れをしたりそのあとはソファでスマホ見たり。

そんな時、YouTubeでおすすめにあがってきた動画に釘付けになった。

それは関西で活躍されている漫才コンビ、祇園の櫻井さんの個人チャンネルで、毎日の暮らしをただ映しているだけというもの。
ほぼ生活音だけの動画にはベッドと小さなテーブル、あとはヨギボーというシンプルな部屋が映っている。
収納棚はおろかテレビもない。
まさにミニマリストの部屋である。(本人は「憧れている」だけでまだまだミニマリストではないと言っているが)
そんな部屋でご飯を食べ仕事に行き、その合間に1時間ほどのウォーキング。
その間家ではお掃除ロボットと乾燥までしてくれる洗濯機が活躍してくれている。

コンビ名は知っていたが相方のインパクト(衣装)が強過ぎて正直彼の印象は薄かった。
なのに動画を遡って全見(ぜんみ)して一気にハマってしまった。聞くところによると意外と50代の視聴者も多いらしく、このチャンネルに癒されてる同年代も少なくないはず。
テレビでの華やかさと動画とのギャップ、参考になる生活スタイル、独特のワードセンス、散歩途中の可愛らしいネコ、…数多あるチャンネルの中で何故にこんなにもハマってしまったのかわからないが、当時の私が出会えたのは必然だったとしか思えない。
今まで断捨離には興味あったものの「ミニマリスト」というと、無機質で人間らしくないといったイメージだった。しかし彼の毎日はとても楽しそうで、好きなものだけに囲まれて過ごす暮らしはとても贅沢なことなんだと知った。

それ以来私の生活も一変した。
断捨離の概念が変わり、要らないものを処分するのではなく今自分に必要なものだけを残すという考え方にしたら「タンスはパンパンなのに着るものが何もない」というミステリーも起こらなくなった。また収納グッズを駆使してパズルのように物を詰めていくことが収納上手だと思っていたが、物が少ないほうが把握しやすく掃除もしやすい。何より物に愛着がわき大切にするようになった。
食べるものにも気を遣いウォーキングも始めた。
家族もビックリの変わりようだ。

漫才の出囃子(劇場で登場する時の音楽)がMr.Childrenの「彩り」と言う曲だということも知った。(20年以上の大ファンらしい)

僕のした単純作業が
この世界を回り回って
まだ出会ったこともない人の
笑い声を作ってゆく
そんな些細な生き甲斐が
日常に彩りを加える
モノクロの僕の毎日に
少ないけど 赤 黄色 緑

彩り / Mr.Children

ミスチルに名曲がたくさんあるのはもちろん知っていたが、こんなに素晴らしい曲があったなんて…
もしかしたらこの曲を知らずして人生を終えていたかもしれない。




ある朝、花の水やりをしていると、通りかかった見ず知らずのおばさまに「綺麗に咲いてるなぁっていつも見させてもらってるのですよ」と声をかけられた。
実はこのようなことは何度となくあって、写真を撮っていかれる人もいる。
ずっと家にいて社会からも切り離されて何の役にも立たない人間だと思っているけれど、誰かがふっと立ち止まって心癒される瞬間があったのなら花を育てていて良かったと思えた。

なんてことのない作業が
回り回り回り回って
今 僕の目の前の人の笑い顔を作ってゆく
そんな確かな生き甲斐は
日常に彩りを加える
モノクロの僕の毎日に
頬が染まる 温かなピンク
増やしていく きれいな彩り

彩り / Mr.Children

頬が染まる 温かなピンク

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