ELLEインタビューについて

ELLEインタビューを読んだ個人的感想です。相変わらず話が飛躍し過ぎですが一応ネタバレ注意です。

羽生さんがプロに転向して以降、プログラムをつくるための創作観のような話をされている機会が増えたように思いますが、わたしはそれを聞くたびにとても嬉しくなってしまいます。うわーっと書きなぐったものもありますが↓(断定的なワードを使ってるのが気に入らないのですが全て個人的な感想です)

今回も超個人的な見方で感想言わせてください。

まず、インタビュー通してビシバシ伝わってくる羽生さんの客観視力。だからそれ普通のことじゃあないですよね……??という驚き。衝撃を受けると見えない圧にやられてだんだんのけぞってしまうんですけど、もう読み始めてすぐ後ろに体が倒れちゃいました。すごい。
羽生さんの場合、表現につかうものが自分自身(からだ)だし、プログラムをつくる根底に自分自身がいることが多いと思うので、客観視は不可欠だと思いますけど、相変わらずそのレベルが高すぎ。どれだけ自分を俯瞰して見ているの?といつもいつも思います。
表現をするために技術力を高めるとか、表現面や自分で作り上げるような新しいことへの挑戦に関しては自信がないとか、うんうん頷いて読み進めたんですが(ここで、時代に合ったものなのか、ってあるのがいいなって思った)
一番の衝撃は「9歳の自分」
発売日前日にインタビュー内容についてクリエイティビティの原点、とあったので、まってそれわたしが大好きで知りたいやつじゃん知りたい羽生さんの創作のきっかけ目線考え、とその時すでに興奮しきってましたが、インタビュー読んでもう心の中で大絶叫でした。原点そこなんだ……。(ここだけではないでしょうが)
何かをつくったことのある方であれば経験があるかもしれませんが、自分の子ども時代の経験等ってものすごく大きな影響を受けますよね。わたしもそういう、こどもの頃に見た特別な景色を意識して覚えておこうと思ったことはたくさんあります。小学生の頃2月から3月上旬の時だったと思いますが、それまでに見たことがないくらい綺麗な桜の木を見たんです。大きな木で桜が満開で、うわすごい!ってよく見たら、葉も何もない枝だけの大きな木の後ろに、夕焼けにそまったまるい雲がちょうどいい感じにあっただけだったんです。たまたまわたしの視力が弱かったのと、早く春こないかなって気持ちが見せてくれたものかもしれません。よく目を凝らして見て事実に気づいても全然ショックじゃなくて、むしろ、えーっそんなことってあるんだ?!でもこの桜がわたしの人生の中で一番綺麗な桜!(暫定)と嬉しさいっぱいで、この時の感情をいつまでもとっておこうと思ったのを今でも覚えていますし、大人になってからもそういったこどもの頃の気持ちや見た景色を掘り出してきて、それを描いてみたいと思うことはたくさんあります。
わたしの子どもの話ですが、花火大会の日に夜空を見上げて、
「ほしがいっぱいだね!てでさわれそうだね!」
と言って手を一生懸命伸ばしてて、ちょーーーーーーーーー可愛すぎてびっくりしたんですが、翌年そのことを思い出し同じ花火大会の日に、あの星に手が届くかな?と聞いてみたところ
「ママ、星は触れないよ?」
と言われて大爆笑してしまったんです。
わたしにはこういったものも、社会やコミュニティに適応していくなかで(あるいは学びで)失われていく感覚なのかなって感じました。成長ともいう。
でもこの、星に手が届くかもしれないって信じられることとか、信じてやってみようと疑いのない気持ちって、最強なんですよね。子どもだからこそ最強になれる。
最強で、自分が一番で、なんでもできる、そんな9歳の自分が自分のポジティブな面であり、クリエイティビティの原点。なのかなー……と勝手に解釈しましたが、衝撃。そこにもいたんだ9歳の羽生さん。でもわかる気がするって感じです。
例えばわたしの子どもがたった1年で夜空の星は触れないことに気づいてしまったり、わたし自身も出産を経てから見られなくなってしまった絵画等があったりで、社会に適応していくなかで失われていく感覚を痛感しているので(でもそれでいいと思ってる)インタビューの内容はとても共感できました。
何かをつくったり、表現するためのものの見方ってそういった「失われていく感覚」の中にこそあると思うんです。でも自分は成長していかないといけない。だからこそその時の自分自身を見失わないように握り締めている。うーーーーーーーーーーーーーん、創作者である。最高。
(羽生さんの場合は表現の面以外でも、技術的に進化するための指標としても9歳の自分がいると思ってます)
この考え方やものの見方を知った上で羽生さんの演技を見たら、また面白い発見があるかもしれないとわくわくしてしまいました。
ELLEのインタビューは町屋良平さんが作家ならではの掘り下げをしていってますが、同じクリエイターとして共感性があるからこその問いかけだったなと思います。羽生さんの回答もすごいけど問いかけもすごい。ファンに限らず何かを創る方みんなに読んでほしい、そんなインタビューでした。本当に面白かったです!!