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GoogleBigQueryは無料? 課金形態とコスト管理方法の紹介
こんにちは株式会社TAMでデータエンジニアをしている緒方です。
今回はGA4との連携で耳にする場面が多くなった「GoogleBigQuery」の課金形態やコスト管理方法についてご紹介します。
1.そもそもBigQueryは無料?
まず結論から言うと
「GA4との接続は無料ですが、運用していくと課金される。ただし運用次第では無料で使い続けることも可能」です。
GoogleBigQueryにはストレージやクエリの処理量に応じた従量課金があり、それぞれ無料枠が設けられています。その無料枠を超えないよう運用することで実質無料で使い続けることが可能です。
2.GoogleBigQueryの課金形態
GoogleBigQueryには大きく下記の3つの課金対象枠があります
アクティブストレージ(10GBまで無料、10GBを超えた時点から/GB)
長期保存ストレージ(10GBまで無料)
コンピューティング(分析)料金(毎月1TBまで無料,$7.50 / TB)
![](https://assets.st-note.com/img/1687223089524-0qJcFmRqHt.png?width=1200)
※東京(asia-northeast)リージョンを利用すると下記の料金となります。
※2023年7月時点での料金形態となります
・料金 | BigQuery: クラウド データ ウェアハウス
https://cloud.google.com/bigquery/pricing?hl=ja
それではそれぞれの課金対象について解説していきます。
①アクティブストレージ(Active Strage)
アクティブストレージは過去90日間で更新のあったテーブルが対象のストレージ枠で、過去90日以内にインポートされたGA4データなどが対象になります。
つまり90日以降は、GA4のイベント数によって波はありますが基本的にはアクティブストレージの利用量は横ばいになり、90日間の平均ストレージ量が10GBを超えない場合は無料で使い続けられます。
②長期保存ストレージ(Longterm Strage)
過去90日間で更新のないテーブルが対象のストレージ枠です。
課金の枠が分けられているだけで、データの活用に関してはアクティブストレージとなんら違いはありません。
ただ長期保存ストレージはアクティブストレージと異なり保存期間の上限がないため放っておくと10GBを超えてその後も積み重なっていきます。
![](https://assets.st-note.com/img/1689124334587-ku3Cq83khr.png?width=1200)
③コンピューティング(分析)料金
コンピューティング(分析)料金はテーブルの"データ整形"やLookerStudioなどの"外部ツールへデータ送信"した際に処理される「クエリの処理料金」です。
こちらはGoogleCloud内のAPIツールで1日の処理上限を設定することができ、0.029TiB/日などにすることで月間のクエリ処理量を0.99TB/月に制限して、クエリ処理量が1TB/月を超えることなく無料枠で使い続けることができます。
3.上手なコスト管理
それではこれらの課金形式を踏まえた上で「無料もしくは費用を抑えて運用する方法」を考えていきましょう。
①アクティブストレージ(Active Strage)
前述した通りアクティブストレージは「90日間」の最新データが対象になります。つまり90日の平均が10GBを超えないようでしたら半永久的に使い続けることが可能となります。
(逆に3ヶ月間で10GBを超えるようなサイトのGA4は課金を覚悟してください・・・)
②長期保存ストレージ(Longterm Strage)
長期保存ストレージは91日以降のデータが対象となり、その保存料に限度はありません。つまり無料で使い続けるためには「古いテーブルを削除する」必要があります。
例えばdatesetという名前のtable_20230418、table_20230419、table_20230420というテーブルをまとめて削除する場合CloudShellで下記のように実行しテーブルを削除します。
bq rm -f -t dataset.table_20230418;
bq rm -f -t dataset.table_20230419;
bq rm -f -t dataset.table_20230420;
③コンピューティング(分析)料金
クエリの処理量は1TB/月を超えなければ課金はされず、BigQueryの割り当てで日当たりのクエリ処理上限を設定することができます。
・IAMと管理>割り当て>BigQueryAPI「query usage per day」
![](https://assets.st-note.com/img/1689814664702-wuf3y2VeXR.png?width=1200)
例えば1日の上限を0.026TiB/日にしておけば、1ヶ月31日換算で0.806TiB/月(0.886TB/月)になりずっと無料枠で使い続けることが可能になります。
注意点としては1日のクエリ処理量が上限に達するとその日1日クエリが処理されませんので、クエリの実行内容自体も軽くできるようにするのがおすすめです。
#たとえば5年間運用したら料金はどうなるかシミュレーション
それでは下記のような条件で実際に5年間(60ヶ月)運用していったらいくらぐらいの費用がかかるのかシミュレーションしてみましょう!
▼運用条件
・1万GA4イベント当たり0.0085~0.0087GB
(あくまで私が持つアカウントを参考にしたものです)
・クエリ処理量は1TB/月に収まるよう割り当て
・長期保存ストレージは削除しない(5年分のデータを残す)
①3ヶ月間のイベント数:69万のGA4の場合
・3ヶ月間のGA4イベント数:69万
・1ヶ月当たりのストレージ蓄積量:0.2GB
アクティブストレージ(3ヶ月あたりのストレージ):0.6GB→無料
長期保存ストレージ(57ヶ月):11.4GB→0.0896$(¥12~13)
クエリ処理量:1TB/月→無料
5年間の運用総額:0.0896$(¥12~13)
②3ヶ月間のイベント数:150万のGA4の場合
・3ヶ月間のGA4イベント数:150万
・1ヶ月当たりのストレージ蓄積量:0.45GB
アクティブストレージ(3ヶ月あたりのストレージ):1.35GB→無料
長期保存ストレージ(57ヶ月):25.65GB→1.60$(¥224)
クエリ処理量:1TB/月→無料
5年間の運用総額:1.60$(¥224)
③クエリ処理量を2TB/月に設定した場合
それでは上記のクエリ処理量を毎月2TB/月とした時のシミュレーションもしてみましょう。
・3ヶ月間のGA4イベント数:150万
・1ヶ月当たりのストレージ蓄積量:0.45GB
アクティブストレージ(3ヶ月あたりのストレージ):1.35GB→無料
長期保存ストレージ(57ヶ月):25.65GB→$1.60(¥224)
クエリ処理量:2TB/月→$7.5(¥1,050)/月×60ヶ月=$450(¥63,000)
5年間の運用総額:451.60$(¥63,224)
クエリの処理量を1TB上げるだけで一気に課金が膨らみます。
なのでクエリを処理する際は
・割り当ての設定で月間の処理量を制限しておく
・クエリで読み込むデータ量または頻度を調整する(直近1日のデータだけを処理してパーティションでストレージにためていくなど)
など処理量を工夫しながら運用する必要があります💦
#GoogleBigQueryでお困りの際は
ここまで読んでいただきありがとうございました。
株式会社TAMではさまざまな業界のマーケティング支援をさせていただいており、BtoB企業のWebマーケティングに特化したサービスも展開しております。
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