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どうせ死ぬなら最期の記憶は笑顔がいい


この春、そして1年前の春
私にとって大きな、大切な存在が消えた


1年前に亡くなったのは私の親友だった。

彼女が最後、私に話そうとしていたことは
なんだったんだろう。と 今でも考える。
予想はできても真実はわからないし、だいたい
私の予想に収まらないのが彼女だから、
1年経つ今でも、考えて寝れなくなる時がある。
高校で別々になって離れてから、
彼女のためを思って私からアクションを起こしたことが見当たら無くって、親友というのが恥ずかしいくらい、これまで沢山悲しい思いをさせてしまったと思う。亡くなってから彼女の存在の大きさに気付いた私は本当に馬鹿で、どうしよもない人だと自分が嫌でたまらなくなった。申し訳なくって後悔ばかりが募って彼女を思うと辛かった。
寧ろ、辛くなくてはいけないとも思ったいた。
だけど一つだけ救いだったのは彼女との
最後の思い出が私たちらしかったこと。

最後に会った日はなんだか不思議なくらい
優しくて、昔遊んでたみたいに映画を見て、
11年来で初めて一緒にお酒を呑んだ。
昔話で盛り上がったり、いつものように
耳にタコができるくらい、彼女の好きな〇〇君の話を聞いたりしながら、心地よく酔っていた。
夜風に当たりにコンビニに行って、
公園に寄って、彼女のいいなりになりながら遊具で遊んだり踊ったりしていた。
「もう帰ろう〜」と私が言うと、彼女は、
「まだもう少し〜」とやたら引き延ばす。
彼女の悪知恵に私は騙されることが少ないので
帰らせない理由に気がついた私は一気に酔いが覚めた。だけど、せっかく久々に会えて、
やっと楽しめているのだから、ここで怒って
また喧嘩するのは辞めようと思い、一旦、
彼女の手の平で転がされることにした。
(その判断をした当時の自分を褒めたい。そして
この話を深掘りすると小説並みになりそうなので辞めておく)

そんなこんなで気づけば寝ていて朝になった。
朝というよりあれは昼に近い。
マックをデリバリーして、食べながら
各自メイクをして出かける準備をした。
昔、髪を巻くのが苦手と言っていた彼女は
凄く上手になっていて驚いた。
好きな人のために練習を重ねたらしい。
そういう所が彼女らしくてかわいいなと思った。
彼女と当時付き合っていた彼氏が
家まで迎えにきてくれて
私を駅まで送ってくれた。
2人の後ろ姿を写真に収めて
2人に向かってバイバイしたのが
彼女と私の最後に見た光景だった。

連絡はもちろんそれ以降もとっていた。
亡くなる数週間前には、
5月の下旬にまた遊ぶ約束をした
だいたいいつも唐突にくる
「電話しよ」というLINE
その時は「何してる〜?」と
こちらの様子を伺うようで
私が忙しい状態なのがわかると
あっさりと連絡を終わらせた
違和感を感じて送った私のLINEを
彼女は気づいたのかどうかわからない。
ただ、返信はなく、未読のまま
彼女は最寄駅の終電の電車に轢かれた。

次の日
彼女の弟から不穏な連絡があり、
電話越しで今、彼女が
生きるか死ぬか半々の状態だと聞かされた。
何が何だか分からなくなって何も手がつけず
涙をコントロールすることなんて出来なかった
ルームメイトの前で崩れ落ちて泣いた
彼女とも面識のあるルームメイトは
驚いていたが私が泣きすぎていたため、
私の側にただ居てくれた。
もし、あの時1人だったらどうなっていたかと
思うとゾッとする。
ルームメイトの存在に助けられた。

そんな中、私の携帯に電話がなった。
彼女のお母さんからだった。
電話にでるなり、彼女に声をかけてあげてと言われ、なにを言ったか記憶にないが
泣き叫びながら必死に声をかけた。

その後、今度はお母さんから電話があった。
全てを悟ったかのような、か細いゆっくりとしたトーンで話す母からの電話は、彼女が息を引き取ったという知らせだった。
また涙が止まらなくなった。

我を忘れて感情のままに泣いたのは初めてで、
涙が枯れるまで泣くことも初めてだった。
頭がガンガンした。
そしていつの間にか寝ていて、
目を覚ましたものの
私はベットから動けなかった。
始発の新幹線で会いに行こうと思っていたが
帰っても、もう彼女は助からない、
どうにもならないという現実に
なにも力が入らなかった。

それから彼女と対面することになったのは
お通夜の時だった。

棺桶の周りには彼女の好きだったお菓子、飲み物...彼女を表すものが沢山あった。私が昔あげた手作りのプレゼントもあった。
私がいた距離から棺桶に入っている彼女は見えなかったけど、彼女が抱えているクマのぬいぐるみが見えた。そのぬいぐるみは
彼女が生まれたときから一緒にいるぬいぐるみでそのぬいぐるみが無いと寝られないというくらい彼女にとってずっと大切なぬいぐるみだった。それを見た瞬間、一気に現実味が湧いて
怖くなった。彼女の従姉妹に手を引かれるけど、どうしてもすぐには動けなくて、動きたくなくて、少し立ちすくんでいた。
自分のタイミングで彼女と向き合う覚悟を決め、歩み寄った。そこには左の頬、体が腫れている冷え切った彼女がいた。
直面しているのに信じられなかった。
3歳の記憶で止まっていた従姉妹と
久々に会った中学のときの“いつメン”グループの2人と、一緒に来た同じバイト先だった子
みんなに支えられながら、
彼女が息を引き取った0:41に黙祷をした。
一度家に帰って彼女との思い出のもの
(交換ノート)を持ち、泊まる準備をして
柄にもなく私の両親にハグを求めてから、
また彼女がいるところに戻った。
彼女の弟と彼女の元カレと
彼女の従兄弟と4人で彼女のことを沢山話明かしたら気づけば朝になっていた。
そうしてほぼ寝ることなく迎えたお葬式
そしてお骨拾いにも参加した
涙あり、笑いあり、怒りあり
という感じで最後の最後まで彼女らしくて
不思議だった。

後から話を聞くと、
彼女は私が電話越しに声をかけた直後に
涙を流してスッと息を引き取ったんだそう。
最後私のことを待ってたんだと思う
と彼女のお母さんがそう言ってくれた。

沢山ごめんねがあるから
同じことを繰り返さないように
今はあなたのいないこの世で
これからも生きてくね
向こうでも、きっと来世でも会うだろうから
それまで、またね。

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