大人の境目。

高校生の頃、塾でコーヒーとかカフェラテ飲んでるのが大人っぽくてかっこいいからコンビニでよく買って飲んでた。でも苦いからチョコも一緒に買って飲んでは食べてを繰り返して紛らわしてた。いつからか、コンビニ行って足早にコーヒーだけ手に取ってレジに並ぶようになった。
これが大人の境目。
小学校の頃、通学路の側溝の鉄格子の蓋にゲボの残骸があるのを見て「誰か通学中に体調悪くなっちゃったのかな?」なんて心配してた。
今なら家の近くの医大生の飲み会の結果だと直ぐに分かる。
これが大人の境目。
クリスマスという響きを聞いていつもワクワクしていた。街はキラキラ光って、食卓には豪華な料理、枕元には欲しかったプレゼント。今は、猫の手も借りたいとはこの事か、というほど休む暇もなくピザを色んな家庭に届けている。いつからから、クリスマスは笑顔になる日から笑顔を届ける日になった。
これが大人の境目。
小学生の頃、家に帰って自転車を庭に停めている時、勝手口から魚を焼く匂いがして少し損をした気分だった。メインディッシュは肉の方が好きだった。バイト終わりの帰り道。近所の一軒家から魚を焼く匂いがした時、無性に焼き魚が食べたくなる。肉よりもラーメンよりも焼き魚が食べたくなる。
これが大人の境目。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?