形に残らない愛情の話

好きな人に花の名前を教えると
その花を見る度に相手は自分を思い出す。
少し憧れたりするけど
そんな機会はそうそう訪れない。
僕は好きな子の心に何を残せるだろうか。
五感を刺激する何かを
僕はあの娘の心に残せたのだろうか。
そんな事はきっと未来永劫分からない。
もし何か1つ選んで残せるのだとしたら
僕は「言葉」がいい。
僕の残した言葉に彼女が気づかなくてもいい。
彼女が誰かを笑わす時。
彼女が誰かを励ます時。
彼女が誰かに気持ちを伝える時。
彼女が目に見た美しい景色を表現する時。
彼女の口からペン先からフリックから
発せられる表現が。
僕が彼女を笑わした時。
僕が彼女を励ました時。
僕が彼女に気持ちを伝えた時。
僕が目にした美しい景色を表現した時。
僕が選んだ言葉を
彼女も同じように使っていて欲しい。
それに気づいてくれる必要は無いから。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?