かくれんぼ


映画をみた。震えた。

子供が大人をかき回して大事件を起こす物語。
大人たちをかき回す大きな出来事の数々。
その原因が、ひとりの少年の恋心だなんて。学校とかクラスメイトとか親とか、全部全部苦しくて、ごちゃごちゃでやりきれない。逃げ出したかった、あの時を思い出す。

うまくいかない種類。小学五年生の子供にそう思わせてしまう世界にいることが苦しい。
ふーっと、誰にも言えない気持ちを誰にも知られないように吐き出す方法を教えてくれる人がいる希望。
誰も知らない秘密基地に2人だけでいる時の幸せ。
ずっとずっと、みんな幸せでいられたらいいのに。この幸せが、ずっと続いたらいいのに。このまま、満たされたまま大人になったらいいのに。

トンネルを潜って、泥だらけになった2人がたどり着いたのは、明るい光の中。
まるで生まれ変わったと錯覚するような眩い現実。
2人の宇宙が破裂して、世界が逆回転したのかな。だから、楽しかったあの時に戻れた?そうだとしたら、このまま宇宙の収縮が止まればいいのに。解放されたままで、続いているままで、止まってしまえ。

それぞれが、それぞれの怪物に脅かされていた。対応はさまざま。立ち向かったり、服従したり、力を抜いて感じないふりをしたり、2人だけの楽園に逃げ込んだり。
誰もが怪物の存在から逃れられないならば、私も逃げ出したい。私と誰かの楽園に。
怪物が決して入り込めないところに。

ひとまず今は、世界と向き合う道を選ぶのだけど。

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