[ 今日の出来事 ] No.10

今日の出来事 2024.05.12

パレスチナに対してイスラエルがジェノサイドをおこなっていることが日本でも少しずつ認識されるようになってきました。それでもなお、パレスチナで起きていることに無関心な方がたくさんいることを、デモに参加していると嫌でも感じてしまいます。パレスチナの子ども達がこんなにも無惨に殺されていっているのに、どうして無関心でいられるの?と怒りが沸いてきますが、だからと言って無関心の方々を責めることなんて私には出来ません。なぜなら自分も昨年の10月7日までは無関心な人間のひとりであったから。そして今も。そう思うのは、デモで知り合った方がパレスチナだけでなくミャンマーも大変なことになっていると教えてくれたから。何も知らず、パレスチナにだけ目を向けていた自分が恥ずかしくなりました。なのでミャンマーについても知ろうと思います。もちろんパレスチナのことも引き続き声をあげていきます。

ミャンマーで、軍からの3年を超す攻撃や弾圧によって、死者が5000人に達したことが政治犯支援協会(ミャンマーの人権団体)の発表で明らかになったというニュースが、5月12日夜、SNSで流れてきました。犠牲者は、軍と民主派勢力の戦闘が続く北西部ザガイン管区や第2の都市マンダレーなどで数多く出ているとのこと。4月には軍が南東部で、タイとの国境にかかる橋の周辺を空爆し、民間人が少なくとも15人が死亡、5月9日には中部マグウェ管区にある僧院も空爆を受けて10人以上が死亡しています。ミャンマーでは、2021年2月1日のクーデター以降、軍が実験を握り、対立する民主派勢力の関係者らの拘束を続けています。

ミャンマーの民主派勢力NUG(国民統一政府)の閣僚や少数民族の武装勢力が5月15日、都内で記者会見を開きました。会見の中で、NUGのゾー・ウェー・ソー教育相兼保健相は「国土の65%を民主派側が確保している。われわれが勝利すればするほど軍は残酷さを増し、空爆で多くの人を殺害している」また国際社会からの人道支援の多くは軍を経由しているため、軍に協力しないと医薬品や支援物資が手に入らないため、「困っている避難民にタイやインドなどから国境を超えて直接支援を届ける方法を実現してもらいたい」と日本政府に訴えました。日本政府には、無闇矢鱈にお金をばら撒いてほしく無いので適正な支援額をお願いしたいですが、空爆を止めるよう軍に求めるくらいのことは声明を出して欲しいですね。

ミャンマー西部では、国軍と敵対する少数民族の武装勢力「アラカン軍(AA)」がバングラデシュとの国境近くの町に火を放ち、5月半ば以降およそ20万人が家を追われる事態となっています。住民はイスラム系少数民族ロヒンギャで、火の手から逃れ、水田に隠れて何日も過ごすことを余儀なくされている状態とのこと。

22日、JFA(日本サッカー協会)の宮本恒靖会長とMFF(ミャンマーサッカー連盟)のゾーゾー会長が3年間のパートナーシップ協定に署名しました。若手選手の育成や女子サッカーの強化を支援するとのことですが、ゾーゾー会長はミャンマー国軍に近い政商のため、今は協定を結んでいる場合ではなく、他にやるべき事があると思います。ゾーゾー会長は1990年代に起業した後、様々な業種の財閥を築き、当時の軍政トップと近い立場。米国からの経済制裁も受けており、国連の事実調査団は2019年の報告書で、ロヒンギャを迫害している国軍に多額の寄付をしたと問題視されています。2021年5月にW杯予選で来日後、亡命した元ミャンマー代表ピエリヤンアウン氏は「クーデター後、MFFは軍からの独立を表明しなかった」と失望感を示しています。ピエリヤンアウン氏の亡命を支援したジャーナリスト北角裕樹氏は、「当時よりも情勢は悪化している」「スポーツと政治は別という議論があるが、協定や試合の開催は日本は現体制を問題視していないと軍に政治利用され、日本サッカー界の国際感覚を疑われる」と東京新聞の記事で批判しています。サッカーに詳しいジャーナリスト木村元彦氏は「ミャンマーでは反クーデターデモに参加した23歳以下のサッカー代表選手が国軍に殺された。その独裁政権が続き、代表スポンサーのキリンもミャンマーへの投資をやめたこのタイミングでなぜ、3年間の協定を結んだのか」「宮本会長とゾーゾー会長の2ショットが取り上げられているが、軍政の正当性を主張するプロパガンダに利用される可能性を自覚すべきで、サッカーに政治が持ち込まれる危機感を持った方がいい」と指摘しています。過去には元日本代表の本田圭佑氏が、一党独裁化したカンボジア政権下で、同国代表のゼネラルマネージャーを務め、国際人権団体に批判されています。日本サッカー界の人権感覚についても、木村氏は「政治に関係なく夢を与えたいだけという思いだろうが、人権迫害を伴う政権によるスポーツウォッシング(スポーツで不都合な事実を洗い流す行為)の危険性を見極める必要がある」と東京新聞の記事で警鐘を鳴らしています。

サッカー北中米W杯アジア2次予選で日本vsミャンマーの試合がおこなわれました。しかし、この試合でのミャンマー代表らのプレーが非難されているのです。なかでも、元日本代表DF栗原勇蔵氏は「あまりに酷かった」「闘志を全く感じなかった」と心無い発言をしています。ミャンマー代表らが試合に集中できない理由として国軍からの弾圧などがあるのに、彼らの背景を知らずに批判するなんて心は無いのでしょうか。命よりもスポーツの方が大切とでも思っているのでしょうか。在日ミャンマーコミュニティが「日本のサッカーファンの方々へ」とメッセージを出したことを知らないのでしょうか。日本人の人権感覚は、本当に酷すぎます。

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