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[ 映画録 ] No.06


[ 映画録 ] 2024.01.26(Fri)

「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」を初日に観てきました!いやぁ〜、ガンダムハレンチードでしたねぇ(笑)ストーリー後半は、畳み掛けるように破廉恥でしたw初めに言わせていただきますが、20年かけて今回の映画を作ってくださった監督や関係者の皆さん、素敵な映画をありがとうございます。楽しませていただきました。観終わった感想としましては、モビルスーツやキャラが好みのビジュアルで良かったですが、ストーリーはイマイチでした。少し辛辣に記していますが、素晴らしい作品だという感想に変わりはありません。良き映画に出会わせてくださったこと、感謝申し上げます。

ガンダムハレンチード


個人的にガンダムは、戦争物語だと思っているので、安易に戦争を美化したり、今を生きる人々に戦争を正当化させるような洗脳染みた物語にはしないで欲しいという願望がありました。特に今回の映画は、20年かけて完成されたということで、とても期待していました。ただ公開前のMOVIE WALKER PRESSのインタビューで福田己津央監督が、「『ガンダム』の映画だと思って観ないで欲しい。」と語られていたので、シン・アスカのように深く考えず、「あのラストから2年後の話なんだな」とモビルスーツ同士のカッコイイ戦闘シーンを中心に鑑賞する心づもりで映画館の椅子に座りました。映像は20年前の面影を残しつつ丁寧に作られている感じがして綺麗でした。オルフェとの最終戦闘時のストライクフリーダム弐式がプラウドディフェンダーを装備してマイティーストライクフリーダムになった時の金色と桃色に光輝く場面は、個人的に好きな組み合わせの色合いだったからか神々しく見えました。マイティーストライクフリーダムのビジュアルの美しさは、今作の見どころのひとつであったことは間違いないですね。マイティーストライクフリーダムになる直前のシーンで、キラの危機に新装備のプラウドディフェンダーに乗って助けに来るラクスのスーツが、エヴァパイロットみたいなピッチピチのスーツだったので、だいぶエロかったですね。さらに、フリーダムに新装備が装着する際にラクスが「ドッキング!」と言った時は、エロすぎて吹き出しちゃいました。エロい方の想像力が豊かでなくても反応してしまう人は少なからず居たのではないでしょうか。このアルバート主導のもと、キラとコンパスの開発部で設計された新型ウイングのプラウドディフェンダーは、精神感応でコントロールするナノ粒子を持っており、これは完全に男女の交わりを連想させますね。(これは流石に僕だけかもw)それと、実剣フツノミタマをプラウドディフェンダーは備え付けられていますが、古事記に登場する建御雷神(タケミカヅチノカミ)が地上界である葦原中つ国(あしはらのなかつくに)を平定する際に使った剣がこの布都御魂(フツノミタマ)なのです。布都御魂には、荒ぶる神を鎮める力と悪神の毒気を祓う力、そして肉体を活性させる力があります。今回の映画と照らし合わせると、荒ぶる神はオルフェが搭乗するブラックナイトスコードカルラのことで、悪神とはラクスを欲するあまり自分を失いかけているオルフェ、肉体活性に関してはラクスが愛しているのはキラでありオルフェに気は無いことを知らしめるために使ったのではないかと思いました。そんな感じでピチピチスーツのままキラと共にオルフェを倒したため、「最後に愛は勝つ」よりも「最後にエロは勝つ」って感じの終わり方で、福田監督が仰られたようにガンダムとしてではなく、誰でもリラックスして観られる普通の映画(いや、破廉恥映画)として楽しむために作られた作品だなぁと思いました。自分的には風刺的なストーリーを本当は期待していましたが、SEEDにそんなものを期待した僕がバカでしたね。現実の世界では、コロナが世界中で感染拡大し続けており、ロシアとウクライナの戦争が始まり、パレスチナのガザではイスラエルによるジェノサイドが激化しています。日本でも、元日に能登半島地震が起き、航空機の衝突事故、元首相の自宅が火事になりました。他にも問題が山積みです。入管法改悪、原発汚染水を海に放出、「稼げる大学」にするための国立大学法人法改正の成立、カジノ万博に大量の税金を投入、歴史を無かったことにし、日本社会がジャニー喜多川や松本人志の性加害を長年黙認し続けてきたこと等々。SEEDシリーズの放送が終わった20年前には想像もしていなかった出来事が、この数年で次々に起きました。そんな時に、ガンダムの新作映画を世に出したことについて、監督はどう思っているのか気になります。インタビュー記事を少しだけ読んでみたのですが、世の中のことよりSEEDのことにしか興味が無い印象を受けました。ガンダム00や水星の魔女といった人気作も一切見ていないと答えられていて、監督だからということもあるでしょうが、よほどガンダムSEEDが好きな方なんだなと思いました。ガンダムSEEDシリーズは、1作目から破廉恥な場面がそこそこある物語だったので、今回もある程度そういったシーンがあるのではないかと心づもりをしていたのですが、予想を上回るエロさだったので、そこはそんなに強調しなくてもいいんじゃないかなぁと個人的に感じました。アスラン・ザラとシュラ・サーペンタインが戦っている時に、アコードであるシュラに思考を読み取られそうになったアスランが、次の行動を読み取られないようにカガリの裸体を妄想してて、シュラが「神聖な戦いの場で、なんと破廉恥な!」とドン引きしてたシーンが変な意味で印象に残りました。戦場の場でエロい妄想が出来るほどアスランはド変態なんだなぁと逆に感心しましたね。あんなに優柔不断だったのに…(笑)あとシュラが戦場を神聖な場と捉えているのが、中世ヨーロッパに活躍した十字軍の「聖戦」に対する捉え方と似ている部分があるような気がしました。ファウンデーションのイメージも、中世ヨーロッパのルネサンス期をモチーフにしたであろう感じだったので。相手の思考を読めるアコードであるブラックナイトスコードの隊員たちがシン・アスカとの戦いで、シンの思考を読もうとしても読み取れず、「まさかコイツ何も考えていないのか!」と叫んでて、「あ、アスランとは違って、シンはシンのままなんだなぁ〜」と安心しました(笑)デスティニーでは、PTSDで精神が病んでたけど、ようやく本来のシンに戻った気がして、視聴者として嬉しかったです。今は亡き脚本家の両澤千晶さんは、今回のストーリーをどのように感じられるのか聞いてみたいですね。

戦争美化物語に断固反対


それでも、やはりいくらモビルスーツ同士の戦いが迫力満点であっても、絶対に戦争を美化してはいけないと考えます。セリフでは戦いを止めるんだなどと美辞麗句を並べていますが、それは口だけで、やっていることは殺人。カガリも外交に務めてはいましたが、話し合いが上手く進まず最後にはブチ切れたため、せっかくの外交のチャンスを台無しにしてしまいました。単純にポジティブな方向で今回のストーリーを受け止めると、戦争や人種差別はダメ、最後に愛は勝つだと思います。最近公開された「ゴジラ-1.0」のような戦争を美化するストーリーほどではなかったので、まだ良かったかなとは感じました。ただ、レクイエムなどで人が焼け死ぬシーンは、だいぶオブラートに包んで描かれていると思います。現実はもっと残酷なので、もっとグロテスクにして欲しかったです。少しでも戦争をテーマに掲げているのならば、怖い、死にたくない、殺したくない、戦争なんて絶対に嫌だとなるほどリアルに。それだと、客からの受けが悪くなり興行収入が減るのが嫌だと思うのは分かりますが、パレスチナのガザでは虐殺が続いているし、日本もいつ戦争になるか分からない現状なので、その考えは逃げなのではないかと考えます。そこまで求めてはいけないかもしれないですが、それぐらいの作品がいつか出てきて欲しいと願っています。それと、「必要だから愛するのではありません。愛しているから必要なのです。」というラクスのセリフは、その通りだなと勉強になりました。ここ数年、愛に飢えている人が増加したように感じます。そのせいか2〜3年の間で、恋愛ドラマの放送が多くなっている気がします。視聴者層は、SNSの反応などを閲覧する限り20〜30代の若者だけでなく40〜50代の中年も観ていると思います。これは、寂しいと感じる人の割合が増えたということではないでしょうか。老人の孤独死や若者の自殺、SNSでの誹謗中傷被害などの数が肌感覚だけでなく目に見えて増加しています。今回の映画は、愛とは何なのか、愛するとは何なのかを考えるキッカケのひとつになりました。この問いを改めて考えさせていただけたことに、とても感謝しています。このラクスのセリフ、「⚪︎⚪︎だから××するのではありません。××しているから⚪︎⚪︎なのです。」は、言葉遊びをするのに汎用性が高い気がします。弄って遊ぶ方が増えそうですが、良い使われ方で広まって欲しいですね。

ファウンデーションが現実にも


アウラ・マハ・ハイバルを女王とするファウンデーションは、コーディネーターを超えた存在であるアコード以外は下等種族かのように見下す自分大好き集団。ファウンデーションと聞くと、銀河帝国興亡史を連想させますね。ルックスやビジュアルなど容姿端麗ではあるが、お上絶対主義の考え方を持つため性格が終わっており、やっていることは差別主義そのもの。このような考え方をしている集団は、現実世界にも存在しており、しかもそれが権力側だという非常に悲しい事実となっています。お上絶対主義や差別主義者として、日本では2023年に法務省から人権侵犯と認定された自民党の杉田水脈衆院議員が初めに挙げられます。杉田氏は2016年、スイスのジュネーブで開かれた国連女性差別撤廃委員会の会合に日本から参加した在日コリアンの女性らやアイヌ女性について「チマチョゴリやアイヌの民族衣装のコスプレおばさんまで登場」などとネットに投稿。2023年12月、北海道アイヌ協会はホームページに「昨今のアイヌ民族に関する情報発信、SNS投稿等について」と題して「アイヌ民族衣装の着用を蔑んだり、揶揄する投稿に大きな怒りを覚える」と杉田氏を批判しました。北海道アイヌ協会が怒りを覚えるのは当然だと思います。杉田水脈衆院議員のヘイトは、人として酷い発言です。一応謝罪をしているとはいえ、その後に「もしもブログを読んでどなたも傷ついていないのであれば、謝罪をする必要はないと思う」と語っており、「差別が無くなっては困る人たちと戦ってきました」と、まるで反省していないかのような主張をしています。他にも、生活保護受給者バッシングまで煽る始末。このような感覚の方が日本の政府側に居座っていること自体、信じられません。さらに日本が致命的なのは、権力者側だけでなく一般人にもネトウヨと呼ばれる差別的な方々がネットを中心に多数存在していることです。これからの日本の未来が心配でなりません。世界では、民主的選挙結果を認めないという民主主義の破壊者と呼ばれているトランプ元大統領や、パレスチナの人々を大量に虐殺しているイスラエルのネタニヤフ首相など、極右のような思想が蔓延してきています。徐々に戦争をする空気感になってきそうで不安になりますし、いつか日本も戦争に巻き込まれるのではないか、もしくは戦争を始めるのではないかとビクビクしながら毎日を過ごしています。戦争反対と声を大にして訴えることが、今の日本人に出来るのか、それともファウンデーション宰相のオルフェ・ラム・タオのような人物に洗脳されてしまうのか、とても恐ろしい気分です。明るい未来が良いので、これからも政治や社会情勢について語っていきたいと思います。

SEED FREEDOMキャラのご当地ビジュアルで
色々なキャラの違った顔が見れて最高!!!

参考資料

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