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神様になったいたずらタヌキ①


このお話しは、ずいぶん昔のお話しです。

 あの山のずっと奥のそのまた向こうまで、山がずーっと続いています。
霧がわき立つ谷をわたり 見晴しのいい峠を超えます。

それから更に 奥山の急な坂道を登って行くと、小さな畑が見えてきます。
その畑を横手に見たり、下のほうに見たりしながら、どんどん歩き続けます。
足がしびれて息があがったころ、ようやく平らな所に出ました。
 ホッとしてあたりを見渡すと、そこが小さな村だと気がつきました。
このあたりは、夏が終わると 山全体が紅葉して真っ赤になります。十一月に入るとまもなく、谷から冷たい風が吹き上がってきます。そして枯葉がカラコロ、カラコロと 音を立てて山道を走りだすと、いよいよ冬の訪れです。
気温が、ぐっと下がってきたそんな時、この事件がおきました。

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