しゅへ 『中級ネパール語講座 #786』について
某Discordサーバーのアドベントカレンダー企画に、しゅへ氏の『中級ネパール語講座 #786』という記事が上がった。
これはウミガメのスープによくあるフレーズをネパール語にして、それを語学番組風に紹介するという趣旨の記事である。正直、ネタのインパクトは薄く、面白味に欠けると思われたが、記事の端々にはなにか違和感のようなものを感じさせるものがあった。
某Discordサーバーでしゅへ氏はウミガメのスープの出題を好んでしているようだが、ときに思いついたようにトリッキーな問題を出題したりする。『中級ネパール語講座 #786』にも何らかの仕掛けがあるとみて、私は注意深く読み解くことにしてみた。
出題されているウミガメのスープについて
まずこの記事はウミガメのスープのよくある質問をネパール語にするというネタなわけであるが、読み進めればわかるように後半につれて質問の内容が限定的になっていく。これはこの記事自体が何か特定のウミガメのスープの問題を解きすすめていると考えてよいだろう。
このへんの質問から推測するには、男は女に殺され、おそらく腕を切られて花瓶に飾られたといったところだろう。動機は不倫が夫にバレた or バレそうだから。ウミガメのスープにありがちなサイコパス展開である。
これに類する指摘をしたユーザーは他にも居た。これに対してしゅへ氏は、記事内にはさらに謎が含まれていることをほのめかす投稿をしている。
そこで記事内に残されている違和感を、いま一度洗ってみることにした。
講座についての考察
まずウミガメの問答の中で気になるのが、
この部分である。質問のみでYES NOの判定は不明だが、少なくとも1つめはYES判定でないと、2つめの質問は出てこない。だからこの問題で男は記憶を失っていることになる。しかしこれ以降、記憶喪失に関する要素は出てこなくなる。
次に、記事の終盤に出てくる謎のネパール語。
まずこのやりとりでわかることは、この講座自体には講師と生徒の想定があったということだ。冒頭に「私のあとに続いて発音」するように指示があった。それに対して例文は2回書かれている。これは、講師と生徒が1回ずつ発音しているということなのだろう。
であれば、(私は生きていますか?)は生徒の発言であり、講師は(どちらとも言えません)と答えている。つまりこの生徒は生きているとも死んでいるとも言えない状態であるとされている。
しかし通常、人間は生きているか死んでいるかしかない。
また生死をさまよっている状態であるなら、この講座が開かれているのもおかしい。
そして最後の花の画像。
これはノースポールという名前の花であることは検索で判明した。
ウミガメのスープ内で花の要素は出てくるため、あまり気にしてはいなかったが、この花について調べる中で、気になる要素を発見した。
この花の花言葉についてである。
その中に「輪廻転生」というものが含まれていた。
また、ネパールで広く信じられている宗教はヒンドゥー教だ。ヒンドゥー教も輪廻転生の思想がある。
これに関して、私の中でつながるものがあった。
講師の(どちらとも言えません)という発言である。
生徒は一度死に、輪廻転生の機会を得る前の状態なのではないか。
ここがひらがなになっているのがワザとらしい。これは講座の「復習」と「復讐」がかけられていると考えられる。
この記事内で「復讐しましょう」と呼びかけられているのは、生徒である。そしてそれまでのウミガメのスープを踏まえると、この生徒はウミガメのスープ内の「男」であろう。
またウミガメのスープ内の問答で、男は記憶を失っているという要素が出てきた。これは殺害前のことではなく、殺された後に前世の記憶を失っているということではないだろうか。
つまりこういうことである。
『中級ネパール語講座』はいわば次の人生に転生する前のオリエンテーションのようなもので、「男」が死ぬと、転生前に次の人生で「役に立つ」ことを「男」に伝えようとする。
よって、死後記憶を失った「男」が『#786』で自分が女に殺されたことを仄めかされ、「次回(人生C終了→D開始前)までに復讐せよ」と促された、ということだと思われる。
後日談
わかったら一報せよとのことだったので、私はしゅへ氏にDMを送った。
ほどなくして彼から返信があったが、それは思わぬものであった。
返信はしゅへ氏のアカウントからであったが、中身は全くの別人だったのである。
その人物はしゅへ氏の大学時代からの友人だという。
彼に経緯を訊くと、信じ難い話を聞かされた。
その友人は私よりも先に『ネパール語』の真相に気づき、しゅへ氏に連絡したのだという。するとしゅへ氏は、友人に「自分の代わりにDiscordで投稿を続けてくれないか」と頼んだのだという。理由を尋ねると、「いま手が離さないことがあって投稿どころではないが、投稿が止まると不審がる者がいる」とのことだった。
なにか事情があることを察した友人は、ひとまず彼の指示で以下の投稿をした。
それ以降、しゅへ氏のアカウントによる投稿はすべてその友人が行っているものだという。しゅへ氏はそれ以降、友人の連絡を無視し続け、現在も音信不通の状態である。
心配に思った友人がしゅへ氏の妻に連絡を取ると、彼は7日の朝に仕事で海外に向かったという話だった。しかし詳細な行き先は知らされず、その話も急なものだったという。しゅへ氏と妻はもともと別居婚をしており、数週間連絡がつかないこともお互いによくあることらしい。
友人が「なにかおかしな様子はなかったか」と訊くと、妻は不審がったが、しゅへ氏が5日の朝に「変な夢を見た」と連絡してきたという。「いろいろと思い出した」「やっぱり俺がやるってことなのかな」など、良くわからない内容だったので、仕事で疲れてるのではないかと心配したとのことだった。
1週間ほどが経った今でも、しゅへ氏は音信不通のままだ。友人は活発にしゅへ氏のなりすまし投稿を続けているが、それも彼の名前で好き勝手に発言することで彼から何らかの連絡が来ることを期待しているとのことだった。
私は、一連のこのやり取りについても、またしゅへ氏の演出ではないかと疑っている。友人がなりすましているなどの話ももちろん全てデタラメで、私をからかっているだけだと思っている。
よってこの件についてはもうこれ以上の詮索をしないつもりだ。
質の悪い悪ふざけにつきあわされたと思っておこう。
しかし、私はふとしたときに、海外のニュースサイトを見てしまう。そこに、日本人絡みの殺人事件のニュースがないかを確認してしまう。
この『中級ネパール語講座』自体はフィクションだとしても、そもそもしゅへ氏はどうしてこんな荒唐無稽な設定を思いついたのだろうか。
そして、彼はなぜこの記事の謎が誰かに解かれるのを期待していたのだろうか。
もしこれまでの、全ての推論と証言が正しいものだとするならば。
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