「子供」の発見
コテンラジオ ♯201 愛が生まれた日〜中世ヨーロッパの教育によって「発見」された子どもたち〜
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愛聴しているコテンラジオ、このシリーズでは、ヨーロッパにおいて大学が発展した歴史を述べている。教育には関心があったので、知っている内容も多かった。
しかし、最も印象に残ったのは、大学の発展に伴い、子どもという概念が発見されたという事である。
それまでの中世ヨーロッパ社会では、子供は小さな大人であり、子供は成長の途中という意味で大人とは異なる存在であるという認識はなかった、ということは知っていた。それは、中世の絵画において、子どもは子供らしい体型ではなく、小さな大人として描かれている、という話で知っていた。
しかし、子供ではなく、ペットでもなく、家にいる小さいもの、家族としても認識しておらず、大きくなってからその数を数えた、という様な状態であったという。
これは、子供の死亡率が高かったこと、そして、大きくなって農作業や家事労働に従事しなければ、価値を見出さないことにあった。ただの労働力であり、人数が多ければ口減しとして子供を減らすことも多かったという。
しかし、大学に通い、教育をすることで、知識労働への道が開ける。子供は投資対象になった。投資対象となった事で大事に育てる。そして愛情が生まれる。
このように、発見する事、今までそこにあったのに言語化して見えてくるものは多く、変わることも多い。分類して、名前をつける事で人の認識も変わる。
例えば、発達障害はかつてそこまで一般的な用語ではなかった、と認識しているが、今では一般的な用語になっている。
用語自体は以前から存在した様だが、ここまで一般的に使われるようになったのはそう昔ではない。
知人の息子さんで、自分が発達障害と診断されて、心が軽くなったと話している方がいる。自分は他人と違う、でも何でだかはわからない、と思っていたが、診断名がついて納得出来たと。
ただ、むやみやたらと名前をつけてしまうことで、名前が一人歩きする事もある可能性は否めない。難しいな、と思う。
今全く意識していないこと、少し意識している事でも、何十年か後に名前がついて、それまでと大きく認識が変わる事もきっと沢山あるのだろうと思うと、これからの社会が楽しみになる。その頃には、昔はね〜と言っていることだろう。
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