指す将順位戦7th 振り返り vsルルーさん

指す将順位戦7thにて、B級3組に初参加するしらがと申します。
今回の記事では、指す将順位戦7th 7回戦 (vs ルルーさん) を振り返ります。

1. ルルーさんについて

ルルーさんは、過去に指す将順位戦に参加したことがあるかは分からなかったが、少なくとも前期からの継続組ではなさそう。

スプラトゥーンのプレイヤーであることが分かっており、もう直発売となる『スプラトゥーン3』を心待ちにしておられる様子。
自分もスプラトゥーンは一時期ハマっていたので購入予定です。

ルルーさんの今期の指す将順位戦は、これまでの戦績が2勝3敗 (不戦勝を除く)。
内容は下記の通り。

・動点Pさん戦 勝ち
  四間飛車を採用。相手はミレニアム囲い
・最速キメさん戦 負け
  四間飛車を採用。相手は居飛車穴熊。
・えるさん戦 負け
  四間飛車を採用。相手は天守閣美濃。
・デメテルさん戦 勝ち
  四間飛車を採用。相手はエルモ右四間。
・JUNさん戦 負け
  四間飛車を採用。相手は居飛車穴熊。

棋譜は上記の5戦を確認した。
今のところ確認できてる戦型は四間飛車のみ。

持久戦の際はメリケン向飛車のように、▲75歩、▲76銀として攻めの形を築いているのが何度か見られた。
攻める振り飛車党で、特に終盤の寄せが鋭いという印象。

リーグも後半戦に入ったことで、幸いにも四間飛車に関しては何となく特徴は掴めている。
あとはルルーさんの四間飛車愛を信じるのみ!

2. 事前想定

もちろんノーマル四間飛車に山を張る。
対するこちらは、へなちょこ急戦を採用してみる。

以前まで自分は対四間飛車に居飛車穴熊を採用していたが、▲75歩、▲76銀からの攻めに対応できる自信が持てなかったので、その前にこちらから攻めていける急戦に出ることにした。

また、お互いの過去の戦績等を踏まえても、こちらの居飛車穴熊は一番に警戒されているはずなので、相手の想定を外す狙いもある。

へなちょこ急戦は最近人気を高めているが、自分は普段指さなかった戦法。
今までは指し慣れた戦法の中でしか作戦を考えてこなかったので、これを機に新しい作戦を開拓して行きたい。

2-1. へなちょこ急戦 (先手番)

機を見て▲45歩と仕掛ける。
どのタイミングで△43銀とされるかで展開が変わる。

△43銀とされたタイミングで▲45歩と仕掛けるのが分かりやすそうなので、その順で組み立てる。
△32銀で待たれた場合は、地下鉄飛車を含みに駒組を進める。

2-2. へなちょこ急戦 (後手番)

▲67銀に△65歩としても反撃が怖い。
急戦を見せつつ駒組を目指す。

後手番のへなちょこ急戦については分からないことが多く、普通に△65歩と仕掛けても恐らく難解。
▲75歩、▲76銀の形を防いだことに満足し、後の地下鉄飛車の含みに期待して駒組を進める。


3. 対局本番

先手しらが、後手ルルーさん。
戦型はルルーさん四間飛車に、こちら居飛車急戦。

3-1. 27手目 ▲45歩

へなちょこ急戦で最もオーソドックスな仕掛け。
後手は△同歩だと攻めが繋がる。
ただし替えて別の手も難しい。

遂に作戦通りの局面が出現!
こんなこともあるんですね!
これまで無駄に思われた作戦準備も、ようやく日の目を浴びる時が来た!
次は△64歩くらいが読み筋で、それなら▲24歩、△同歩、▲44歩、△同銀、▲46歩打とする予定。

本譜は△45同歩となったが、それも▲33角成が用意の手で、迷いなくそう指した。


3-2. 38手目 △35歩

▲同歩に△36歩打が見えるが先手有利。
手順は後ほど。

仕掛けのところから、△45同歩に角交換し合って、飛車先突破目前のこの局面。
先手の飛車が成りこんでくる間に、後手は桂頭から手を作る。

この歩突き、確か▲同歩で良かったような?
折角勉強した作戦なので、本譜の進行についての記憶を探ってみる。

きっと見たことはある。確か▲同歩で良かったはず。
だけど△36歩の攻めがどうにも厳しく見える…

悶々としていている内に、この手だけで2分も考えてしまった。
結局、代わる手も見つからないので▲同歩。
一応、▲同歩はソフトの推奨手であり、先手有利の評価。
ただし、指した本人は▲同歩からの具体的な手の作り方を分かっていなかった。


3-3. 42手目 △37歩成

先手は▲同銀と我慢できれば有利を維持できる。
△15角打の反撃があるが、▲23飛成として先手の銀を取らせてる間に攻めに転じられる。

38手目△35歩から、▲同歩、△36歩打、▲34歩打、△37歩成としたこの局面。
▲同銀には△15角打が目に入り、それを喰らって幸せになれる気がしなかったので、目を瞑って▲33歩成。

こうなると後には戻れないので、△48と金、▲42と金、△58と金と取り合いになり、最後は先手が▲58同金と手を戻した。

進むも地獄退くも地獄。
先手が良いと思って飛び込んだものの、局面が進むにつれ、先手陣がどんどん危険になっていく。
対して後手陣の美濃囲いは未だ美しさを保っている。
結果、▲58同金まででのソフト評価は後手優勢。

こんなはずじゃなかった!

△37歩成に▲同銀のみが先手の生きる道だったらしいが、みすみす逃してしまって一気に混沌の終盤戦へ。


3-4. 48手目 △46角打

本譜は△46角打だったが、△46桂打が勝る。
桂であれば攻めが早く後手優勢だったが、角を打ったことで先手は▲52と金と迫れる。

飛車取りで厳しい角打ちだが、一直線に▲52と金、△24角、▲61と金と進んだ際、後手玉に詰めろが掛かってるので△61銀としたいが、そこで▲22飛打が王手角取りになるため、先手行けると踏んでいた。

ソフトも▲52と金を推奨しており、先手優勢の評価。
ここで本譜も▲52と金と指せたのは良かったが…


3-5. 50手目 △64桂打

△68金打からの詰めろになっているため、先手は受ける必要がある。
68,79の地点を守る▲69金が推奨手で、こう指せば攻守逆転に近づく。

ここが本局の一番のターニングポイント。
△68金からの詰めろを防ぐために▲77銀と指したが、これが敗着となった。
後に57の地点から殺到されることが目に見えていたので、玉の逃走経路を確保するための▲77銀だったが、79の地点への利きがなくなったのがマズかった。
この手を境に一気に終局へと向かう。


3-6. 52手目 △69銀打

絶品の一着!
▲同玉、△24角で先手玉が詰めろのため、▲61と金と入れない。

この△69銀に対して、取らずに▲88玉と寄れば大丈夫だと踏んでいたが、そこで△79角成をうっかりしていた。
このうっかりは流石にガックリときた。


3-7. 56手目 △77桂成

△82馬が受からない。

後手玉にアヤもなく、この局面で投了。
お疲れさまでした!


4. 対局後

VS ルルーさん。結果は負け。

4-1. 本局の振り返り

序盤は作戦通りに進んで良かったものの、中盤以降を指し切る力が全く備わっていなかった。
38手目△35歩に対して、『▲同歩で良し』という見解を妄信しており、その後の自分の読み筋に対して正しい評価ができていなかった。
終盤は読み抜けが炸裂してしまい、終盤力の弱さが明るみになってしまった。
本局は自分の弱さが全面に出た将棋になった。

4-2. 振り返っての感想

自分が急戦を指すとこんなに弱いとは思ってませんでした…
自玉が薄い分、繊細な攻めが要求されるところでしたが、中終盤の感覚が備わっておらず指し手が雑過ぎました。
これは明らかに急戦の経験不足が原因だと思います。

今回は実践経験の少なさが懸念点でしたが、思った以上に響きました。
追い込み馬が逃げに打って出てしまったような、そんなやらかし感。
自分、不器用ですから…

でもまあ、これは収穫としては大きいです。
急戦の習得は緊急度大のミッションだと思っていたので、これだけ重症だったら今後迷いなく力を入れれます!

また今回の経験から、色んな戦型を指しこなす人は凄いんだなと改めて感心しました。
※思いつくのは naokiさんやネブラスカさん。ネブラスカさんに至っては囲碁にまで手を広げてるんだから次元が違う(笑)

最後にルルーさん、対局ありがとうございました。

見事な指しまわしでした!
完全にこちらの術中でしたが、その場の読みで上回られましたのかなと思ってます。
特に終盤の寄せは圧巻でした!

スプラトゥーン3については自分も楽しみにしてます。
ガチ勢ではないのですが、スクイックリンでチマチマ遊ぼうと思ってます!
もし野良で当たることがあればお手柔らかに。

また将棋でも対局できれば嬉しいです。

おしまい。


4-3. 棋譜

開始日時:2022/09/04 21:00:29
終了日時:2022/09/04 21:26:40
棋戦:R対局 持ち時間15分
手合割:平手
先手:su0625(1125)
後手:doseikun(840)
手数----指手---------消費時間--
1 7六歩(77) ( 0:02/00:00:02)
2 3四歩(33) ( 0:01/00:00:01)
3 2六歩(27) ( 0:01/00:00:03)
4 4四歩(43) ( 0:02/00:00:03)
5 2五歩(26) ( 0:01/00:00:04)
6 3三角(22) ( 0:01/00:00:04)
7 4八銀(39) ( 0:01/00:00:05)
8 4二飛(82) ( 0:02/00:00:06)
9 6八玉(59) ( 0:01/00:00:06)
10 9四歩(93) ( 0:02/00:00:08)
11 9六歩(97) ( 0:01/00:00:07)
12 7二銀(71) ( 0:03/00:00:11)
13 7八玉(68) ( 0:01/00:00:08)
14 3二銀(31) ( 0:02/00:00:13)
15 5八金(49) ( 0:01/00:00:09)
16 5二金(41) ( 0:02/00:00:15)
17 3六歩(37) ( 0:02/00:00:11)
18 6二玉(51) ( 0:01/00:00:16)
19 3七桂(29) ( 0:02/00:00:13)
20 7一玉(62) ( 0:09/00:00:25)
21 4六歩(47) ( 0:02/00:00:15)
22 8二玉(71) ( 0:04/00:00:29)
23 6八金(69) ( 0:01/00:00:16)
24 5四歩(53) ( 0:38/00:01:07)
25 5六歩(57) ( 0:02/00:00:18)
26 4三銀(32) ( 0:14/00:01:21)
27 4五歩(46) ( 0:03/00:00:21)
28 4五歩(44) ( 1:03/00:02:24)
29 3三角成(88) ( 0:25/00:00:46)
30 3三桂(21) ( 0:04/00:02:28)
31 8八角打 ( 0:07/00:00:53)
32 4四角打 ( 0:29/00:02:57)
33 2四歩(25) ( 0:03/00:00:56)
34 8八角成(44) ( 0:11/00:03:08)
35 8八銀(79) ( 0:02/00:00:58)
36 2四歩(23) ( 0:15/00:03:23)
37 2四飛(28) ( 0:04/00:01:02)
38 3五歩(34) ( 0:43/00:04:06)
39 3五歩(36) ( 2:58/00:04:00)
40 3六歩打 ( 0:03/00:04:09)
41 3四歩(35) ( 0:12/00:04:12)
42 3七歩成(36) ( 0:16/00:04:25)
43 3三歩成(34) ( 0:02/00:04:14)
44 4八と(37) ( 0:03/00:04:28)
45 4二と(33) ( 0:38/00:04:52)
46 5八と(48) ( 0:01/00:04:29)
47 5八金(68) ( 0:04/00:04:56)
48 4六角打 ( 3:07/00:07:36)
49 5二と(42) ( 3:07/00:08:03)
50 6五桂打 ( 0:54/00:08:30)
51 7七銀(88) ( 2:24/00:10:27)
52 6九銀打 ( 2:54/00:11:24)
53 8八玉(78) ( 2:21/00:12:48)
54 7九角成(46) ( 0:08/00:11:32)
55 9八玉(88) ( 0:23/00:13:11)
56 7七桂成(65) ( 0:02/00:11:34)
57 投了 ( 0:50/00:14:01)
まで56手で後手の勝ち

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