指す将順位戦7th 振り返り vsうぃるさん

指す将順位戦7thにて、B級3組に初参加するしらがと申します。
今回の記事では、指す将順位戦7th2回戦 (vs うぃるさん) を振り返ります。

1. 対局前

1-1. うぃるさんについて

うぃるさんは前期指す将順位戦6thもB3で参加しており、7勝4敗で勝ち越し。
今期の一回戦ではドラキーさんの中飛車相手に、なぎ流右玉を用いて勝利。
24の東京道場では、直近10局の戦績が9勝1敗。
勢いの良さを感じさせる。

棋譜を拝見したとろ居飛車党で、振り飛車相手には持久戦、相居飛車では角換わりの棋譜がほとんどだった。
角換わりでは、(後手番で)3三角から3三金型とする早繰り銀を用いることが多く、これを見たときは「横歩取り模様でも角換わり戦に誘導している」程度の印象だった。
ただし、どうやらこれは角換わり後手番における有力な戦法として確立されているとのこと。

西村駿さんという方が33金型早繰り銀を開発。
リンクは、うぃるさんの局後ツイートに応えるかたちで紹介されていた記事。
2手目△34歩での33金型早繰り銀は可能か? | とある将棋好きの戯言 (west-shogi.com)

また、対局前に一度うぃるさんとお話する機会があり、その際
「時代は角換わり!」
と宣言されていましたが、その発言直後に
「これはしらがさんとの対局前のブラフのようなもので…」
のような感じで自分にフォローを入れて下さいました。やさしい。

1-2. 対局前の準備

ブラフなぞ知らん!
とういことで角換わりの一点張りで対策。
33金型早繰り銀が有力であることに全く気づいてないまま、腰掛銀で迎え撃つ算段を立てる。

自分が後手番の際は以下の進行を想定し、危ない筋に一通り目を通した。

こちらが横歩取り模様に進めた際、77角から角換わりに誘導されると想定。
この局面。ソフトだと若干後手に評価値が振れていたので、迎え撃ってみることに。
ここからは△7五桂と跳ねる将棋を狙う。

自分が先手番の場合は、上記の対策を応用。
これは早繰り銀側が1歩交換に成功してるが、それが77金型の効果であることにこの時全く気づいてない。

2. 対局本番

先手うぃるさん、後手しらが。
戦型は相居飛車。

2-1. 9手目 ▲4八銀

あーこれ後手横歩側でされると、一番良く分からんやつ!
今回の自分は角換わりを指す気満々。ここから角換わりに合流できると期待していた。
よって来たるべき角換わりに備えて様子見の指し手が続く。

2-2. 18手目 △2三歩打

後悔している一手。なぜかこれで飛車は下まで追い返せると勘違いしていた。
ここではこちらも△8六歩で飛車先交換すべき。
次に機敏に▲3四飛車と横歩を取られ、想定とかけ離れた将棋になって冷や汗をかいた。

改めてこの進行、後手の指し手が結構不気味。
横歩を取れって挑発してるようにしか見えない。
うぃるさんよく横歩取れたなあ。

2-3. 30手目 △7四歩

お互い難しい指し手が続く中でも均衡が保たれていたが、この△7四歩で後手が危なくなった。
ここから、この手をうぃるさんに完璧に咎めることとなる。
どうやら△6五歩とするのが正着だったらしく、後の進行で△6五歩が如何に大事だったかが分かる。

2-4. 35手目 ▲8五飛車

陣形差を活かして、機敏に飛車交換を迫ることで先手優勢となった。
先程触れた△6五歩や、△7三桂が指せてればこんなことにはならなかったのに…
この飛車回りが全然見えておらず、この局面でヤバさに気づく。

2-5. 68手目 △6二角

飛車交換から一気に寄り筋に入り、こちらは受ける一方。
この局面になるともはや詰みまで生じているが、お互いに必死すぎて一瞬生じる詰みに気づく余裕もない。
ここで先手は▲7三金打として、まだまだ長い戦いは続く。

2-6.  93手目 ▲6一竜

あの飛車交換から58手が経ったところでやっと後手に反撃のターンが回ってきた。
なんとここで先手玉に詰みが生じていたよう。
ただし一手でも緩むと負け!
この時流石に詰みは無いと思ってました。諦めが早い。

2-7.  99手目 ▲3九玉

ここで残り21手詰まで追い込んでたようだが、詰まないと判断して△3六角成と上部開拓に切り替え。
これで先手玉は一気に遠くなるが、再度自分の後手玉が生きるかどうかの戦いに。

2-8. 101手目 ▲3五歩打

なんやかんやありつつ、この歩打ちが本局の決め手となった。
そうか。馬を引いてもダメなのか。

2-9. 114手目 ▲5二金打 (投了図)

いやー、お疲れさまでした。

3. 対局後

3-1. 本局の振り返り

序盤はお互い駆け引きがありましたが、自分の用意した作戦に縋りつき過ぎたのが反省です。
うぃるさんの方も用意の作戦 (対矢倉、三間飛車) があったようでしたが、早々に切り替えて、慣れてないであろう手順に飛び込んで行かれたのは流石でした。

中盤は▲8五飛が見えてなかった。中盤のうぃるさんの指し手はソフト曰く完璧に近いとのことでしたので、それに着いて行けずにすぐに終盤に入ったのが悔やまれます。

終盤はあれだけ粘れたので、そこは頑張れて良かったです。最後詰みは逃しましたが、あの局面にできただけでも満足でした。

3-2. 振り返っての感想

想定と全く違う将棋になったとき、如何に自分が今の局面で考えられなくなるのか分かったのは収穫でした。
作戦も今思えば浅いものだったので、軽く準備して、本番では即座に捨てるくらいの心構えで良いかなというのが今の気持ちです。
準備の仕方は、これから対局を重ねる中で勉強が必要そうです。

最後にうぃるさん、対局ありがとうございました!
矢倉も対策を練られていたとのことでしたが、簡単に避けられる戦型ということもあって、迎え撃とうとしてくれたのが嬉しかったです。
矢倉の時代も来てる!

またいつか対局できると嬉しいです。

おしまい。

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