最近の競馬について思ったことを殴り書き②

2つ目は、馬のレース選択について。


はじめに

現代競馬では、「その馬に適性のある条件(距離、右/左回り、競馬場)を多用」「レース間隔を十分空ける」など、出走レースを絞る傾向が強いと言われています。
確かに最近は、「春クラシック上位馬の菊花賞回避が珍しくない」「オークス→秋華賞の直行は一般化し、ダービー→菊花賞の直行も出始めている」「ソングライン(左回り&1600m)のような、条件を徹底的に絞り込んだレース選択」といった傾向が挙げられます。
そのためか、「最近の馬は得意条件にこもりすぎ」「最近の馬はレースを使わなさすぎ」などと、批判的な声を時々目にします。

「得意条件に専念」よりも「多彩な条件に挑戦」が偉いのか?
「レース間隔を空ける」よりも「レース間隔を詰める」が偉いのか?

個人的には、全くもってそうは思いません。

「得意条件に専念」か、「多彩な条件に挑戦」か

基本的には、「得意条件を見定め、それに専念」が良いと思っています。

競馬は適性ゲーともよく言われますが、個々の馬によって得意条件が様々であり、あるレースで圧勝した馬が別のレースでは大敗することも珍しくありません。それは大半のG1馬にとっても例外ではなく、G1実績が特定条件に集中している馬が多いです。

例えば、アーモンドアイ。
彼女は古馬になってからG1を5勝しましたが、そのうち4勝が東京競馬場、残り1勝は東京に似たコース形状のメイダン競馬場(ドバイターフ)です。
古馬になって東京、メイダン以外で出走した唯一のレースが有馬記念ですが、そこで9着と大敗しています。
そのため、しばしば「府中専用機」と言われることもありますが… いいじゃないですか。
天皇賞秋とジャパンカップを2勝ずつしている馬、他にいません。歴代の牡馬トップクラスでも、府中で彼女と比較すると見劣りしてしまうかも。

もちろん、究極的には「多彩な条件に挑戦し、無双」が理想です。
ですが現実的に、それに挑む資格がある馬は10年に1頭もいるかどうか。
不得意な条件でも地力でゴリ押しできる、他のG1馬を子供扱いするような馬でなければ、馬柱を汚すだけになるでしょう。

「たとえ勝てなくても、多彩な条件に挑戦すること自体に価値がある」という考えもあるかもしれません。
しかし、競馬は実績が物を言う世界。
色々挑戦したけど半端な成績の馬と、得意条件で実績を積み重ねた馬。
名誉も、金銭も、繁殖の道も、圧倒的に後者の馬が得ることでしょう。

「よくチャレンジした、頑張った」と褒めてくれる人もいるでしょう。
ただ、自分が馬主や調教師の立場だとしたら、実績も得られずにそんな言葉だけで、苦労が報われますか? また挑戦しようと思えますか?
少なくとも、自分は「No」です。

「レース間隔を空ける」か、「レース間隔を詰める」か

正直、どちらでも良いと思います。
大事なのは馬の調子を保ちつつ、レースで結果を出すこと。

例えば、イクイノックス。
3歳秋~4歳にかけて古馬G1で6連勝し、最後のジャパンカップではレーティング135を獲得(日本調教馬史上最高値)。

元々体質が弱かったため、レース間隔を十分に空けて使われていました。
3歳:皐月賞、日本ダービー、天皇賞秋、有馬記念
4歳:ドバイシーマクラシック、宝塚記念、天皇賞秋、ジャパンカップ
体質が改善された4歳秋になって、最初で最後の中3週ローテを敢行。

特に4歳の4戦はいずれも圧倒的なパフォーマンスでしたが、「年4戦しかしてない」「ドウデュースは秋3戦目の有馬記念も出たのに」などと、一部では出走レースを絞っていることに批判的な声も見られました。

個人的な結論としては、先程の得意条件の話と同じです。
単にレース数を使うことには価値を感じません。出走手当や入着賞金が生命線の下級馬ならともかく、G1を狙う立場では。

昨年、ドウデュースは秋3戦を皆勤しましたが、勝ったのは有馬記念のみであり、その時のレーティングは124。
3戦1勝(レーティング124)よりも、2戦2勝(レーティング135)の方を評価するのは、ごく自然なことでしょう。

先日、ドウデュースは今年も秋3戦を皆勤し、それを以て引退する旨が発表されました。
主戦の武豊は「3連勝を目指す」とのこと。言ったからには、最初の天皇賞からしっかり仕上げてもらいたい。
そして、武豊にしか乗りこなせないと言うのなら、鞍上も皆勤で。
今年は、「休み明けだったから」「武豊じゃなかったから」はナシでお願いします。

さいごに

読み直してみると、あまり面白みのない、当然といえば当然のことばかり書いているなあと思いました。
ただ、自分の競馬観を明文化して記録することが必要だと判断したので、記事として書いた次第です。

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