オータムサ(ン)マーカップ感想戦 R3編

 この度は記事を閲覧頂き、誠にありがとうございます。また、前回、前々回の記事を閲覧して下さった方、スキを押してくださった方などに感謝を申し上げます。

 今回はついにRound3、最終戦の模様をお伝えしていく。お相手はNoral兄貴とな神無兄貴。それぞれ私と同じようにRound2でトップを勝ち取った二人との対局となる。事前の2人のイメージは以下の通り。毎度の事ながら、あくまで私のイメージなのでご注意ください。ただ今回は割と良く知っている2人なのでちゃんと紹介できるはず…

 Noral兄貴:前回大会をぶっちぎりの成績で優勝した強豪兄貴。どちらかというと防御寄りで、あまり鳴いて牌を集める感じではない。相手のリーチにはすぐオリ気味に打つ姿勢を見せる。だがテンパイ即リーの原則には従い、ダマテンはあまりしない印象。
 な神無兄貴:事前資料によると和了率と副露率が相当高く、放銃率も相当高い。そして1位率もかなり高い。とにかくガン攻め、全ツッパ、防御よりも攻撃を優先、点を取られたらそれ以上に奪えば良いのだ、という姿勢がよく見られる。

 とにかくな神無兄貴には気をつけないとバッサリやられる…そう考えて良いだろう。だがNoral兄貴にも気を配らないといけない。な神無兄貴には特に注意しつつ、Noral兄貴の攻めもどう気にしていくかが重要になるだろう。

 【再掲】今回、記事中に【Check】から始まる段落がいくつかありますが、これは当時の自分の打牌に対して今の自分が色々物申している事を表しています。なんか過去の自分に文句言ってんなーぐらいの気持ちで見ていただければ幸いです。
 【12/7追記】牌譜のリンクがなかったのと東二局0本場が存在しなかった不具合を修正しました。とんだ大ポカかましててすみません…

※親順:Noral兄貴→な神無兄貴→コールス
牌譜はこちらから確認できます。

東一局

 Noral兄貴の親から始まる東一局。こちらの配牌はいい感じ。2巡目にしてな神無兄貴が自風牌の南をポン。役を確定させて速攻で上がりに行くいつもの戦術だ。その後、今度は私が東をポン。役牌は速攻で鳴くタイプである。5pを切ってテンパイ、ドラ6sカンチャン待ちで東赤1抜き1、早さに見合った打点だ。
 その喜びもつかの間、Noral兄貴が4巡目でリーチ。は、早い…!3ドラ6sの両面待ちだが役はリーのみ、高めドラ。親の特権とも言える安手速攻リーチである。いきなり親に振り込むのは痛い、ということで私は速攻でオリた。だがな神無兄貴は攻め続ける。9巡目でな神無兄貴テンパイ、2sカンチャン待ちの南ドラ1。12巡目、8sツモからの7s切りで待ちを1s単騎に変える。だが15巡目、2sを引いて裏目。今度は1sを切って258sのノベタン3面待ちに切り替える。8sが2枚Noral兄貴の現物なのでもし私が8sを引いていたら放銃していたかもしれない。
 直後、私は7pをツモ。生牌の5pを切ってテンパイし直す。14s両面待ちで東ドラ2赤1抜き2の跳満手だ。さっきオリた時よりもかなりでかい手になったので攻めに転じた形だが、果たしてそれで良かったのかは難しいところ。ここで攻めた時の私の神経消費量はヤバかったと思う。
 18巡目、な神無兄貴がドラの6sをツモ。流石に切れず8sを切る。一応テンパイだがドラ6s待ち、当然出ないだろうがそろそろ流局なのでケイテンでも良いという判断だろう。
 結局、全員テンパイで流局。いきなり速攻リーチをかけられ、上家のな神無兄貴にも怯えながらなんとかオリつつテンパイを取る形となった。

 【Check】16巡目、7pをツモしてテンパイが取れるからとずっと持っていた5pを切ったが、そこで危ない橋を渡るならの5巡目の時点で切っとけという話。と、正直ここで振り返ってみるまでは思っていた。だがもしもの展開を頭でシミュレートしたところ、5巡目で4pを切らずに7s切り、5p切り(14s待ち)、北抜きからのドラ6sツモで2s切り(9p3s待ち)、(中略)、13巡目でドラ6sを引いた所で3sを切って放銃していたと思われる。その場合、リーチ抜き1と安手ではあるものの自分が一歩遅れる事になってしまっていただろう。どちらにしろ、相手の手が未知であること、その時点ではドラが全く見えていなかった事を考えればあの時点では唯一の安牌である4pを切ってオリるのは正解だったろうし、その後自分の手が成長したから危険牌の5pを切って攻めたのも正解だと思う。

 神経を削った後の東一局1本場。Noral兄貴が3巡目でリーチ。嘘だろ…?今度は5pカンチャン待ちでリーチイーペーの2翻。またしても安く、そして今度は待ちも狭いリーチだ。だがこちらには当然それは分からないので当然逃げつつ打っていく。
 9巡目、元々持っていたドラ発が重なるもののNoral兄貴が直前に落としていた事もあって切る。切るのは良いがツモった方から切りなさい。どちらにせよ両方切るので些細なことだが。
 12巡目、な神無兄貴がNoral兄貴の南をポン。やはり攻めの姿勢を崩さない。現物の4pを切ってテンパイ、25pのシャボ待ちで南赤1抜き1。安牌を切りつつテンパイに出来るのはでかい。15巡目、9pをツモ。私も一応テンパイを目指したくて9pを切った。だからツモ切りをしろ。
 
結局、誰も上がれないまま流局。Noral兄貴とな神無兄貴がテンパイしていたので私だけ-2000点となってしまった。振り込むよりはマシなのでまあいいのだが。後滅茶苦茶神経使った。まだ2局しか打ってないのに…

 【Check】9巡目、10巡目とドラ発対子を切って行ったが、このドラ発対子を握って手を作りに行っても良かった気がする。この時点でNoral兄貴がドラを持っていない事が確定している以上ドラによる打点上昇はないと考えると、頭としてでも良いのでドラ発を使って少し攻めても良かったのではないかと思う。まあこの局、攻めた所でテンパイすら取れなかったっぽいが。

 東一局2本場、そろそろ東一ぐらいは終わって欲しい。先程までとは打って変わって全く動きがないまま終盤へ。12巡目、私がテンパイになるもののリーチはせず。14s両面待ちでリーチ抜き1、高めタンヤオ。安手でリーチはしたくないという考えだ。
 14巡目、な神無兄貴が1sでリーチ。258pの3面待ちでリーチタンヤオ平和赤1抜き2の跳満手。見えてる範囲でもリーチ抜き2なので警戒が必要なリーチである。だが直後、5sを引いた私は現物の2sを切って追っかけリーチ。え、今…?待ちは4sカンチャンのみ、リーチタンヤオ抜き1である。これで勝負するのは正直どうなんだ。いやな神無兄貴の現物である1sの筋である4sで引っ掛けたいというのは分かる。でもリーチする程か…?というかリーチしなくても上がれるんだからリーチする必要なくない…?などと過去の自分に困惑しつつ流れを見ると、直後にな神無兄貴が4sを引いて私に放銃した。そこから出るのか…(困惑)
 リーチ一発タンヤオ抜き1裏1で満貫、溜まりに溜まったリー棒と点棒を合わせて12400点となった。

 【Check】リーチするなら12巡目でしろ。リーチしないなら15巡目でするな。この一言に尽きる。今回はたまたま上手く行ったが、下手を打てば跳満手(今回だと裏が乗って倍満だが)に振り込んでいた可能性を考えるとこのリーチには困惑しかない。

東二局

 ようやく東一局が終わって東二局。まず私が南をポン。その後しばらく動きはなく、10巡目にNoral兄貴が東をポン。捨て牌からして明らかに筒子の染め手である。そして13巡目にはテンパイ。47p両面待ちで東ホンイツ抜き1の満貫手だ。だがな神無兄貴も負けてはいない。ここで9pを切ってリーチ。待ちは9mと6sのシャボ待ちだが6sは枯れているので実質9mの単騎待ち、役はリーチ赤1抜き1。正直あまり強くない手ではあるが、9mのドボンに期待というところか。Noral兄貴は自分の手を崩すことなく生牌でも切っていく。私は安牌を意識して切っていく。山も残りわずかという所でな神無兄貴が9mをツモ。門前も加わり満貫となった。

 【Check】5巡目、4pを引いてドラの8sを切った場面。1mは安牌として持っておきたい、となると自分の手から浮いているのが正直8sだけだったのと、ドラを抱えていると相手に攻められた時困るのではないかと8sを切ったのだが、安牌は1sもだし、ドラの8sはもう少し抱えて手として使えないか様子を見ても良かったと思う。実際その後8s重なってるし。
 あと14巡目、1sを手切りしている。なぜ東をツモ切りしていないのか、コレガワカラナイ。東は既に鳴かれている状態なのだから完全安全牌なのであって、抱えておく必要が全くない。同じ完全安全牌の1sを切るくらいならちゃんと東をツモ切りして下さい。

 な神無兄貴の勢いを止められるか、東二局1本場。Noral兄貴、またもや3巡目リーチ。もう勘弁して下さい。14p両面待ちでリーチ白発抜き1。うん、その早さでその広さと高さはおかしい。直後、な神無兄貴が前巡に切った4pを重ねると放銃。うん、もう仕方ないよこれ。だって4p前巡に通ってるし、リーチ牌が7pだしで4pは通らないなんて思わないもん。しかもな神無兄貴はこれ以上の安牌を持っていない上、手が明らかに索子に偏ってたし。麻雀の神様、な神無兄貴に厳しくない…?

東三局

 そんなわけで急にやってきた東三局。九種九牌で1本場からのスタートとなった。2巡目、いきなりNoral兄貴が1sをポン。直後8pを切った事から明らかに索子の染め手である。4巡目、今度はな神無兄貴が白をポン。さらに10巡目には8pをポン。こちらは筒子の染め手である。ちょっと待って、それじゃどっちも捨てれないじゃん。これは早く手を作って上がらなければ…幸いにもこちらもイーシャンテンでしかも受けが広い形である。タンヤオを維持すればダマテンもしやすいだろう。
 11巡目、な神無兄貴の7sを私がポン。5pを出してテンパイ。36sの両面待ちでタンヤオ赤2抜き1の4翻、手としては上々だろう。しかも6sは直前にな神無兄貴が出しているので出やすそうだ。この5pをな神無兄貴がポン。6pを出してな神無兄貴もテンパイに。3pカンチャン待ちで白ホンイツ抜き1、こちらも4翻。
 ここで苦しいのはNoral兄貴。13巡目、3pをツモ、これを切れず6sを手切り。な神無兄貴を回避した結果私に放銃する形となった。11600点は11800点。これでな神無兄貴とNoral兄貴が全く同じ点数となり、私が二人に差をつけてトップという構図となった。

 【Check】6巡目、赤5pを引いて9sを手切りしたが、現状1暗刻4対子という状況なのでチートイやトイトイ狙いで9s対子を残しても良かったかもしれない。その場合だと7pを切って様子見となるだろう。ただ、私の経験と感覚がチートイを嫌っていた事、ここで9s対子を残すと後々動きづらくなることが予想されたため9s対子を崩す選択を取った。結果的には正解だったので良かったと思う。

 東三局2本場。いきなりドラ4p対子を握る良い配牌。6巡目、な神無兄貴が発をポン。とりあえず役牌を確保する。10巡目、Noral兄貴の7sを私がポン。安牌としてずっと持っていた9mを切ってテンパイ。36p両面待ちでタンヤオドラ2赤1。安定のドラ爆タンヤオである。そこにNoral兄貴が3pを手切り、放銃となった。11600点は12000点、かなり勝ちが固まってきた。

 【Check】7巡目、2pを引いて1p手切りした場面。234pを順子、45pを塔子で固定しつつ安牌の9mを残す一打だが、これはまあミスである。というのも、もしこの状態でドラ4pが更に重なるとまあ困るからである。しかもこの時点で1pは両者の現物であるため、安牌として9mを持たずとも1pで安牌を切れる。安牌としての9m、234pの順子と45pの塔子を意識しすぎた結果のミスである。まあ割とすぐ後に赤5pが来てどっちでも同じになるのだが。

 余談だが、ここでのNoral兄貴の放銃は非常にもったいないと感じた。6pを引いたので3pを切ってテンパイに持っていった形だが、待ちがドラ4pのカンチャン待ちというかなり苦しい待ちである。ここは3pではなく5pを切って9sと3pのシャボ待ちに持っていった方が出やすかっただろうと思うし、実際山を見ると次の巡目で9sをツモっていた。
 ただ、ここで4p待ちにしてしまった気持ちはなんとなく分かる。3pと9sは両方残り1枚づつなので2枚しか残っていないのに対し、4pは生牌なので4枚残っている。要は残り枚数を見て4pカンチャン待ちを選択したのだと思われる。Round1で私がやらかしたのと同じミスだろう。(多分)

 閑話休題。まだ続く東三局、3本場。6巡目、な神無兄貴が1pをポン。やはり染め手である。更に7巡目で東もポン。最悪役牌で上がれるようになった。そして8巡目に中を切ってテンパイ。9p単騎待ちで東ホンイツ抜き1の満貫手。
 次に動くのは9巡目、Noral兄貴が中をポン。索子の染め手にできそうだが筒子を切れず9mの対子を切る。直後、な神無兄貴が1pを引いて加槓。7pを引いて9pを切るもカンドラは9pだった。だが待ちは47pと広くなった。
 その後13巡目、な神無兄貴の待ち変えが功を奏し7pをツモ。満貫6000点は6600点となった。

南一局

 とうとう親が終わり南一局。な神無兄貴がいきなり6s、8p、3pと次々に中張牌を切っていく不穏な動きを見せる。だがそこから西、北抜き、東と打牌。正直何を狙っているのか読めない。だがこちらはかなり良い手牌、ここはサクッと上がって流したいところ。
 しかし7巡目、な神無兄貴が私の9mをポン。やはり不穏な動きを見せる。だが9巡目、私が4sを切った所でテンパイ。58pの両面待ちでタンヤオ赤1、高め5pイーペー。直前にな神無兄貴が8pを切っているのもポイントが高い。ここではリーチせず。な神無兄貴が不穏な動きを見せている以上リーチは怖いし、何より現状トップなので攻める必要がなく、リーチしなくても上がれるのだからダマテンで行くべきである。
 10巡目、Noral兄貴が1pを切ってテンパイ。ドラ白と2sのシャボ待ちだが2sはそのままだと無役。ドラ2抜き1の3翻が確定、白なら白ドラ1で2翻追加、ツモならどちらでも門前と三暗刻で3翻追加。満貫以上確定、一番高めで倍満もありうる手だが、ドラ白は今更出づらいだろうし、2sは既に枯れている。完全に形が変わるのを待つ姿勢だろう。
 ここでな神無兄貴がこの1pをポン。…これは間違いなくチャンタかホンロー狙いだろう。直後、Noral兄貴がツモ切りリーチを敢行。こうなったら全ツッパ、先に上がってやるという姿勢だろうか。もしくは脅しとしてのリーチという可能性もある。
 だがな神無兄貴はひるまない。自分の手を作るために全力疾走だ。私は…ここで1mを引いてしまった。この時点で生牌、明らかにな神無兄貴が待っているに違いない牌だ。この瞬間私のオリが確定した。1mを持って上がれるとも思えないので安牌を切って逃げ切る算段だ。
 14巡目、Noral兄貴の9sをな神無兄貴がポン。これもう完全にホンローじゃないか。9m、1p、9sと鳴いていて、1sが3枚切れと9pが2枚切れ、1mは私から見て1枚見えなのでまだギリギリ清老頭の可能性もある。ポンの後に3sを切ってテンパイ。1mとドラ白のシャボ待ちだが白はNoral兄貴と持ち持ち。
 な神無兄貴の手はとても怖いが、逆に言えばほぼ完全に手は割れている。読めてさえいれば避けるのは簡単だ。そしてNoral兄貴の方はリーチしているものの現物はまだ残っている。逃げ切るのは簡単だった。自分だけノーテンで-2000点だが放銃に比べれば安いものだ。

 【Check】6巡目に2sを引き、2sを手切り。再三になるがツモ切りをしろと。どうもツモ切りに抵抗があるのか、手にあるものと同じ牌を引いた時に手癖で手にある方を切ってしまう傾向にある。また、この時点で5対子なのでチートイ狙いで456sのどれかを切るという手もありそうだが、明らかに順子手なのでやっぱり2s切りで良いと思う。牌の重なり次第では二盃口も狙える。

 南一局1本場。3巡目、な神無兄貴がNoral兄貴の中をポン。だがNoral兄貴も手が早い。5巡目にしてリーチ。5s6pのシャボ待ち、リーチ白抜き2が確定、ツモなら三暗刻。早い・広い・高いの三拍子揃った良いリーチである。な神無兄貴が現物を切りつつ手を維持するのに対し、私は唯一の安牌を切って手を崩す。9巡目、な神無兄貴がNoral兄貴の6sをポン。生牌の白を切ってテンパイ。7sドラ南のシャボ待ち、中ドラ2の高めダブ南ドラ1。まだ上がりを、トップを諦めない姿勢だ。
 その姿勢が功を奏したのか、Noral兄貴が南を引いて放銃。中ダブ南ドラ3で跳満。ここに来てな神無兄貴と私の差は9700点、かなり縮まってしまった。

南二局

 そしてここで来たな神無兄貴の親、南二局。最初に動いたのはな神無兄貴。6巡目でリーチをかける。79pのシャボ待ちでリーチ抜き1のみ。親のテンパイ即リーといったところ。そして2巡後の8巡目に9pツモ。リーチ門前抜き1で5200点。とうとう差が1900点となってしまった。

 【Check】3巡目、な神無兄貴の親を早く流したいのは分かるが、白を切るのはまだ早い。このタイミングではな神無兄貴に対する安牌はきちんと確保しておきたい場面である。

 南二局1本場。ここが正念場といったところ。2巡目、早速な神無兄貴が6sをポン。さらに4巡目、な神無兄貴が私の白をポン。この鳴きから、な神無兄貴は索子の染め手だと判断。そして8巡目、北を抜いて引いた5s。4pを切ればテンパイ、だが無役というところ。リーチ、かけるか否か。待ちはドラ2sと5sの両面、そして9m。役はリーチ、抜き2のみ。普通ならこんな手でリーチはかけない。2sは4枚あるがドラだから出ないし5sは残り1枚、9mも2枚。枚数にも不安が残る。9mを切ってタンヤオにし、ダマでも上がれるようにするか…?
 …な神無兄貴は恐らく索子の染め手。そして何より攻めに全ツッパの姿勢。ならばな神無兄貴が9mを引けば絶対に出してくれるはず。そう考えた私は、ここでリーチを、勝負をかける事にした。
 それは偶然か、それとも必然か。な神無兄貴はドラ2sを引き、そして安牌として一度抱えたであろう9mを、出した。リーチ一発抜き2の4翻40符、満貫。ここ一番の大勝負で、賭けに勝ったのだ。
 もしな神無兄貴が9mをツモ切りしていたら恐らくリーチをかけずに9mを切ってタンヤオを目指し、最終的にはツモった9pを切って放銃していたかもしれない。な神無兄貴が9mを抱えたその一手が、普通ならどう考えても正しいはずのこの一手が明暗を分けてしまったのだ。

南三局

 そして迎えた南三局。この時点でそれぞれの点数は以下の通り。

コールス:228500点
な神無兄貴:210200点(-18300)
Noral兄貴:161300点(-67200)

 このリードを保って局を終わらせれば勝ち。多少放銃しても点数で勝っていれば良い。ここから逆転される条件は、な神無兄貴からの跳満以上直撃か倍満ツモ。もしくはNoral兄貴からの三倍満以上直撃。あるいは、な神無兄貴がNoral兄貴に三倍満以上直撃。とにかくな神無兄貴に振り込まないことを最優先に動かなければならない。

 だがな神無兄貴は早い。1巡目にして中をポン。だが打点は足りるのか。例えば中トイトイホンイツとドラ1で跳満が考えられる。これに直撃すれば終わり、どちらの染め手かきちんと見なければならない。
 しかしな神無兄貴、3巡目に中を引いて加槓。ドラを増やして逆転の可能性をさらに高める。5巡目に北を抜いた所で気づく。この状況でまさかの北がドラ。抜いただけで2翻プラス。ヤバい。な神無兄貴は明らかに索子の染め手、追加ドラが8sなのも拍車をかける。対して私はとにかく他人の捨て牌に合わせて捨てつつ、あわよくば手を作る考え。一枚一枚、これは切って良い牌か捨て牌とにらめっこを続ける。
 そのまま時は過ぎ、17巡目にしてようやくな神無兄貴がテンパイ。48sのシャボ待ちで中ホンイツドラ3抜き1の跳満高めドラ8sで倍満。もし直撃すれば逆転されて終わり、絶対に振り込んではいけない。だが8sを引かれてもおしまい。だがこちらは大丈夫、私とNoral兄貴が1枚ずつ持っている。私が手放しさえしなければ
 だが、もう終わりだった。幸いな事に手には安牌が豊富にあり、しかもな神無兄貴の手は読めている。振り込むことは万に一つもない。…大会の最終戦、トップを決める戦いがこんな終わりで良いのかと思いつつ、安牌を切り通して流局。見事トップを維持したまま、オーラスを終わらせた。

終局

 最終的な点数は以下の通り。とは言っても、流局して終わったので書くほどではないが。

コールス:227500点
な神無兄貴:212200点
Noral兄貴:160300点

 序盤はとにかくNoral兄貴のリーチが怖くて仕方がなかった。親のリーチが3巡目だの4巡目だのに飛んでくるのは生きた心地がしなかった。やはり、東三局で上がり続けて点差を確保し、その点差を絶対に手放すまいと守り続けた事が結果に繋がったと言える。
 そして何より南二局、な神無兄貴にあと一歩まで差を縮められた所で一か八かの勝負をかけ、賭けに勝った事が勝因である。一歩間違えればな神無兄貴に逆転されていたであろうこの対局、最初から最後まで緊張の続く実に神経を使う戦いだった。この戦いに勝てて本当に良かったと思う。

 また、今回放銃が一回もなかった事も実にめでたい。やはり三麻での防御は重要なのだと気付かされた。まあ今回は相手の手が分かりやすかったり、序盤からリーチされて最初からオリ前提で戦う場面が多かったからだとは思うが。

 そして何より、今まで続いてきたRound3の悪夢(Round1・Round2で調子が良いとRound3でひどい目に会う現象)からついに解き放たれたと言って良いだろう。まあ今回はRound1で2位だったので少し違う気もするが。とにかく、Round3で勝てた事が重要なのだ。

最終結果

 あまり他人の成績を見せるのも良くないと思うので自分の分だけ。

画像1

 滑り出しこそ良くなかったものの、Round2、Round3と後になるほど調子が右肩上がりになり、見事1位を取ることが出来た。

 …余談かつこれを言うと一部茶番になるのだが、2位のツリエル姉貴の最終成績が50.2、自分のRound2までの成績が38.3なので点差は11.9、Round3で12.0以上なら優勝、つまり212000点以上なら勝ちだった事を考えると、今の点数からさらに15500点は取られてもセーフだった事になる。例えば最後の局が流局ではなくドラ8sの放銃だったとすると…いやよそう。勝ってよかった。それで良いじゃないか。

 ところでもしかしたら気づいた方もおられるかもしれないが、今回の大会、自分は全てラス親だった。どういう確率だ。オーラスで勝ち逃げ出来るという点でラス親はやはり有利であるように見える。まあ起家は最初に流れを作れるし、2番目は自分の親の後にオーラスを流せる、とそれぞれメリットはあると思うのだが。

 ここまで色々言ってきたが、今回の大会も本当に楽しかった。自分の実力をいかんなく発揮できたし、様々な人と戦って色んな戦術を見られたのも良かった。奇跡のような大逆転も、ひっくり返されそうな状況での逃げ切りも、全てが楽しかった。こうして記事を書くことで初めて分かる大事なポイントもいくつか見つけられたので、出来るなら今後もこうして振り返り記事を書いていきたいとは思います。(出来るかどうかはリアルと相談ですが)

 これにて私のオータムサ(ン)マーカップに関する記事は全て終わりとさせていただきます。ここまで記事を読んで下さった皆様、スキを押して下さった皆様、本当にありがとうございました。過去のRound1、Round2の振り返り記事も読んで下されば幸いですし、既に読んで下さった方には感謝を申し上げます。

 最後に、大会の発起人及び運営進行をして下さった楓兄貴ことyngm氏と、一緒に大会に参加してくださった皆様方。楽しい大会を本当にありがとうございました!

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