オータムサ(ン)マーカップ感想戦 R1編

 2020年11月23日、勤労感謝の日。その日、オータムサ(ン)マーカップは開かれた。総勢12名による三人麻雀、いわゆる「三麻」の大会である。
 ルールは簡単。3回戦って合計点数を競うものだ。1回戦はランダムに選出され、2回戦は1回戦の勝敗で、3回戦は2回戦の勝敗で戦う相手が決まる。つまり、勝った人は勝った人同士で戦い、負けた人は負けた人同士で戦うという事だ。

 今回私はこの大会に参加し、並み居る強豪を抑えての優勝を果たした。非常に喜ばしい限りである。だが、これが実力が全てかと言われるとそうではないだろう。強運もあったに違いない。現に今大会2位であるツリエル姉貴との直接対決では負けているのだ。この優勝に慢心せず、もっと麻雀の腕を磨くべきだと感じた。

 そんなわけで今回、自分がどのように打ち、そして戦っていったかをここに記そうと思う。まあ簡単に言うと感想戦である。そろそろ前書き考えるの疲れたから本題に行こうぜ。

 この記事ではRound1の振り返りを行っていく。お相手はツリエル姉貴とワディ兄貴。どちらも通称だけどままエアロ。事前の2人のイメージは以下の通り。毎度の事ながら、あくまで私のイメージなのでご注意ください。

 ワディ兄貴:事前資料での放銃率がダントツの低さから徹底的な防御力がうかがえる。副露率も低いので多分ダマテンで奇襲してくるタイプ。自分が一番苦手なタイプかもしれない。
 ツリエル姉貴:こちらは放銃率は高めなものの1位率が高く、攻めの姿勢が見られる。爆発力に注意が必要だろう。普段の友人戦だと割とすぐ国士に走る姿が散見されるが、恐らくガチの場だとそういう事もないだろう。絶対に油断はできない相手だ。

 …これ最初からクライマックスだな?としか言いようのない面子である。いきなりこの人達と戦うのかと思うと不安でしかないが、三麻には自身自信があるというものである。(激ウマギャグ)せめて食らいつけるようにはしたいところだ。

 今回、記事中に【Check】から始まる段落がいくつかありますが、これは当時の自分の打牌に対して今の自分が色々物申している事を表しています。なんか過去の自分に文句言ってんなーぐらいの気持ちで見ていただければ幸いです。

※親順:ワディ兄貴→ツリエル姉貴→コールス
牌譜はこちらから確認できます。

東一局

 ワディ兄貴の親から始まる東一局。いきなりツリエル姉貴が中をポン。続いてワディ兄貴がオタ風牌の西をポン。さらにワディ兄貴が発をポン。事前の想像とは違う鳴きに少し困惑するものの、構わず手を進めていく。ワディ兄貴は索子のホンイツ、ツリエル姉貴は中で手早く上がる算段だ。私はまだ鳴いていないが、ぶっちゃけ手が遅い。
 5巡目にしてワディ兄貴がテンパイ。69sの両面と8s単騎が合わさった3面待ちだ。1巡遅れてツリエル姉貴が36s待ちでテンパイ。私は…うん、全然出来てないね。
 
この局はワディ兄貴が3sを引いて手の3sを出した(恐らく6sの筋ひっかけをするためのブラフだろう)所をツリエル姉貴がロン。中ドラ1抜き1で5200点、軽いジャブが決まった形となった。私は完全に傍観者だった。

東二局

 ツリエル姉貴が引き寄せた東二局。いきなりワディ兄貴がドラの白対子を握る。10巡目で私が47p待ちでテンパイ。平和赤1抜き1だがリーチはせず様子見。正直安い手でリーチして振るのが怖いので基本ダマテンである。あと、5sを引いてのイーペーも狙えるというのもある。(8sを引いてもイーペーにはなるが赤5sを切るので翻数が変わらないので無し)ワディ兄貴はまたも索子の染め手、ツリエル姉貴はまだ么九牌を切っているという所。
 直後、ワディ兄貴が4pをツモ切り、放銃。3900点。多分リーチしていたら4pは握られていたと思うのでダマにして正解だったと思う。多分。ただもしかしたらリーチしても4p出したかもしれないし、そうなるとリーチ一発裏1が乗って一気に跳満になるのでどっちが正解かは悩みどころ。

 【Check】6巡目、私は2pを引いて手の1pを切った訳だが、多分ここは2pツモ切りの方が良かったと思う。1p切りだと479pでテンパイだが2p切りだと347pでテンパイ。(索子はどちらでも同じなので省略)9pは手に2枚に対し3pはまだ見えていないので4枚。待ちの数で言うと3pを受けられる2p切りの方が良いだろう。9pを既に対子で持っているのに2pも対子で持つ意味は薄いし平和も狙いづらくなるのも痛い。なんとなく対子の優先順位を高めてしまう私の癖が出てしまった。(結果的には2p対子が頭になったので正解だったかもだが)

東三局

 今度は私が引き寄せた東三局。いきなり字牌が多いが大丈夫か?筒子の染め手も狙えそうだが狙わず、普通に面子を作りにかかる。ワディ兄貴は発と東を立て続けにポン。役牌を使ってのトイトイを狙っていく。
 8巡目、ツリエル姉貴が西を出すが私はこれをスルー。まあここは鳴いても仕方ないというか、実質白単騎になるのは嫌だったのでスルーした。直後にまたもやツリエル姉貴が西を出すもこれもスルー。私は4pを引いたのもあって、西を崩す事にした。
 11巡目、ワディ兄貴の白をポン。役牌が完成してやっと自由に動けるようになった。残りの西を切って45pのシャボ待ちでテンパイ。
 14巡目、私は2pを引いて1pを手切り、ドラ3pと6pの両面待ちでテンパイし直した。普通に両面待ちの方が枚数が多かったからである。その2巡後、6pをツモ。待ちを変えたのが功を奏した。白ドラ1赤1抜き1で4翻7800点、1歩リードした。

 【Check】5巡目、1mをツモ切りしているが明らかに東か発を切った方が良い。5ブロックは既に揃っている以上、それ以外の牌はいつかは切る事になる。そうなると先に切るべきは後々危険牌になりそうな牌である。今の手でいらない牌は東、発、1m。1mは1枚切れに対して東と発は生牌、しかもそれぞれ役牌である。重なる可能性もなくはないがそれよりは今の面子を完成させる方が早いだろう。となると東と発のどちらを先に切るかだが、今自分が親だと考えるとダブ東の前に発を先に切るほうが良いだろう。

 東三局1本場。まずはツリエル姉貴が白をポン。更に6巡目、ツリエル姉貴が白を加槓。これにより中がドラとなった。中を対子で持っている私には嬉しい結果だ。そして10巡目、その中をポン。更にツリエル姉貴の9pをポンしてテンパイ。1mと2pのシャボ待ちで中ドラ3赤1の満貫手だが、1mと2pがそれぞれ1枚切れなので待ちが2枚しかないという状況に。そしてこのタイミングでツリエル姉貴も3sのペンチャン待ちでテンパイ。
 結局この局で上がったのは、3sをツモったツリエル姉貴だった。白ドラ1抜き2で4翻、満貫6000点は6200点。一応まだ1位だが、2位のツリエル姉貴とわずか100点差となってしまった。

 【Check】12巡目、9pをポンした後7pを切って1m2pのシャボ待ちにしたが、ここは少し悩みどころ。待ちの多さを取るなら2pを切って4枚ある6pのカンチャン待ち、心理戦を重視するなら7pを切って1mと2pのシャボ待ち、そして打点を取るなら1mを切ってテンパイ外しからのホンイツ目指し。どれも一長一短だがこの時の私はシャボ待ちを選んだ。まあどっちにしろツリエル姉貴のツモ上がりなので考えても仕方ないのだが。

南一局

 南一局。最初に動いたのはワディ兄貴、4巡目でリーチを仕掛ける。1p待ちでリーチチートイ赤1。この時点でツリエル姉貴は5対子、捨て牌からしてチートイかトイトイ狙い。私も5対子でチートイorトイトイ狙い。ってみんなチートイじゃないか。だが私は安牌を切るために2pの対子を崩した。チクショウ、安牌さえあれば…
 そして続く5巡目、今度はツリエル姉貴がリーチ。もちろんチートイです。待ちは発、こちらはリーチチートイ抜き1。直後にワディ兄貴が発を引いて放銃、一発も付いて満貫に。リー棒も奪って1位となった。

 【Check】4巡目、5対子になったのでチートイ狙いにするため直前に切られた2sを合わせて切ったが、個人的には白中あたりを切った方が良かったように思う。手を作られる前に危険牌になりそうなのを切ってしまおうという考えと、2sがツリエル姉貴に対する安牌になるのもある。まあここは好みの問題な気はする。

南二局

 南二局。しばらく鳴きがないまま黙々と進み、11巡目に私がテンパイ。6pのカンチャン待ちでイーペードラ2抜き1。カンチャン待ちでリーチはしたくないのでダマテン。続く13巡目に南を引き、南が暗刻になった所で6pを切って待ちを変えた。5pドラ7pのシャボ待ち、南ドラ2抜き1、高めドラ7p、ツモなら門前三暗刻。一番高い7pツモなら倍満も狙える手になった。が、後ほど解説するがこの待ち変えが恐らくこの卓で一番致命的なミスである。
 結局誰も上がらず流局。ツリエル姉貴とワディ兄貴はテンパイになっていなかった。一応罰符は貰えたがとてもまず味な結果となった。

 【Check】13巡目、この時点での手牌は55677p123s東東東南南、ツモ南、ドラ7p。ここから私は6pを切った訳だが、上で述べたようにここが致命的なミスだった。
 状況を見てみよう。1位のツリエル姉貴との差は+8900点、3位のワディ兄貴とは-31700点。ツリエル姉貴は親なので満貫ツモかだいたい3翻50符の直撃くらいで逆転できる。ワディ兄貴のツモ、ワディ兄貴への放銃は大きくなければ問題にならないラインだ。特にツモならツリエル姉貴が親被りでさらに点数が縮まる。
 手を見てみよう。5p7pシャボ待ちの場合、南ドラ2抜き1、この時点で満貫確定。赤5pか7pで上がればさらに1翻、ツモなら門前と三暗刻で3翻。リーチは考えないとしてもどこから出ても1位を捲れる手ではある。だが5pは手に2枚河に1枚なので残り1枚、かつ赤ドラ。7pは手に2枚、河に0枚なので2枚。数だけ見れば3枚あるように見えるがよく考えて欲しい。全部ドラである。んなもん他家から出るわけがない。なので他家が引かないように祈り、自分で引くしかないのである。どう考えても悪手である。
 対して東を切って6pカンチャン待ちにしたらどうなったか。南イーペードラ2抜き1、5翻で満貫、ツモなら門前がついて跳満。打点で見てもこちらで十分捲れる。そして待ちは6p、手に1枚王牌に1枚で残り2枚。数だけ見ればシャボ待ちより少ないがこちらの方がより他家から出やすいと考えられる。そして実際にツリエル姉貴は索子の染め手だったため6pをツモ切りしていた。6p待ちなら上がれていたのだ。しかもダメ押しのようにその後自分でも6pを引いている。鬼か。
 
なお、残りの赤5pと7p2枚は最終的に全部ワディ兄貴の手に握られていた。ここはさすがワディ兄貴といった所。

南三局

 南三局。オーラスで親のここが逆転のチャンス。この時点で点数は以下の通り。

ツリエル姉貴:215500点
コールス:209600点
ワディ兄貴:174900点

1位のツリエル姉貴との差は5900点。割と適当に上がっても追いつける程度の差、ここが勝負所である。結果はお察しだが。
2巡目にして早々にイーシャンテンになるものの、打点は明らかに低く、何より残りが来ない。その間にツリエル姉貴は自風牌の西をポン、更に発をポン。中を切ってもうテンパイ。あれ?こっち全く進んでないんですけど…2pのカンチャン待ち、西発ホンイツ赤1で満貫。
 直後に私がその2pを手から出して放銃。2巡前に通ったから行けると思ったのに…とかそれ以前の思考だった。見え見えの筒子の染め手に適当に筒子捨てたらそりゃ放銃するわ。
 
かくして、オーラスはとてつもなくあっけなく終わってしまった。

 【Check】じゃあ実際に何を切れば良かったのかを考えよう。とは言っても答えは索子の中でも面子として完成していない6s8sあたりを切りましょうとしか言えないが。
 因みに山を見てみると、ツリエル姉貴が南→自分が8p→ツリエル姉貴が6p→自分が北(抜き)→自分が1p、とツモが続き、この時点できちんと6sと8sを切っていれば123356778p123s東東となり、3pを切ってテンパイに持っていけた。まあ適当な考えではあるが、とてももったいない事をしたのは分かると思う。

終局

最終的な点数は以下の通り。

ツリエル姉貴:223700点
コールス:201400点
ワディ兄貴:174900点

 途中までは確かにリードを保っていたはずなのに、ツリエル姉貴が堅実にかつ大胆に打って上がっていったことでトップをまくられ、結局2位に甘んじてしまう結果となった。原点割れなかっただけまだマシだが。

 とにかく相手の手をきちんと見れていなかった事、待ちをじっくり見比べなかった事が敗因に繋がってしまった。相手の攻めを見て即座にオリるのはまあまあ良かったとは思うが、自分で点数を取れなきゃ意味がないというものである。現にツリエル姉貴はワディ兄貴からかなり点数を吸い取っていた。これはワディ兄貴の攻めに対して自分はベタオリに走ったのに対しツリエル姉貴は構わず攻めていき、点数を稼いでいったのが原因である。時には攻める勇気、というよりは戦術も必要という事なのだろう。

 かくして今回2位となってしまった訳だが、点数がまあまあ良かったからかギリギリで勝ち組面子には入れたようだ。(言い方)
 優勝を目指すためにはRound2で今度こそ1位を取りたいところ。反省もそこそこに、次の試合に集中するのであった。Round2で戦うのはどちらもRound1で1位を取った兄貴達、果たしてコールスは勝つことが出来るのであろうか…!?いや結果は既に出てるんだけども。

 ここまで記事を読んで下さり、誠にありがとうございました。よろしければ次回もこのような駄文にお付き合い下されば嬉しいです。

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