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CALLBACK!!vol.13 出演者インタビュー③ 菊地原宏太

【CALLBACK!!vol.13 出演者インタビュー③ 菊地原宏太】

Q「菊地原さんは3歳くらいからずっとピアノを習われてきたとのことですが、2012年に声楽に切り替えていますね。このきっかけはなんでしたか?」

A「直接のきっかけは、高校の時の文化祭ライブの出演、そしてその時の先輩の一言でした。ぼくは5年生のとき出会った、ESCOLTAというボーカルグループに、ずっと憧れていて、彼らのような歌を歌うというのが夢でした。その夢を叶えるというか、初めて挑戦したのが、高校一年生で出演を決めた文化祭ライブだったのです。友達4人とCygnusというボーカルユニットを組んで、ピアノ一本で4人の声を重ねて歌っていました。もちろんまだ、練習メソッドも発声法もままならなくて、ハーモニーを作れていたのかどうか分からないですけれど、それでも自分の夢に一歩近づいた感触を持っていたのです。一方で、もっと歌を上手くなりたいと思っていたのもこの時期です。けれど、ずっと続けていたピアノをどうするのか、そしてなんでかは分からないのですが、あの時期は歌を習い始めることにすごく大きなハードルを感じていたんですよ。周りにそういう人がいなかったことと、習い始める=プロ志望と思ってしまう自分、周りにそう思われたくない自分がいて、なかなか言い出せずにしました。けれど、ライブが終了したとき、同じライブに出演していた先輩が、菊地原歌習えばいいのに、と言ってくれて、その一言を根拠にしながら、親に歌を習わせてもらうことをお願いしたのを覚えています。」

Q「親御さんは快諾してくれましたか?」

A「そうだったと思います。そして、始めるなら基礎からだよねとなり、ぼくもIL DIVOが好きになり始めていた時期だったのもあって、ピアノを習っていたヤマハ音楽教室の中で、ピアノ科から声楽科に転向しました。」

Q「菊地原さんは東大に通われていますが、受験生時代は勉強と歌のレッスンを両立されていたのですか?」

A「高校3年の時、最後の発表会を機に声楽をレッスンをやめたのですが、家ではいつも歌っていました。浪人1年の時も同じような生活だったのですが、浪人2年では歌うことも、歌を聞くこともそれ以前ほどしなくなったと思います。予備校にこもりっきりで、you tubeを開いて歌を聞くこともめっきりなくなっていました。そうであったからか、大学に合格した後、ミュージカルサークルへの体験練習で先輩たちが見せてくれたナンバー(マンマミーアのダンシングクイーンでした)を見たときに、涙がこみ上げるというか、これがやっぱり好きなんだなって強く思ったことを忘れられないです。」

Q「そのミュージカルサークルはClavisのことかと思いますが、Clavisに入られたことをキッカケに、ミュージカルにのめり込んでいったのですか?」

A「そうですね。ミュージカルの面白さにのめり込んで,そしてどんどんうまく...となって行ったら,話は楽だったのですけれど,ぼくがClavisに出会う前にやっていたのは歌だけで,ミュージカルにはそれに加えて,演技とダンスがありますよね。歌だけなら自信があった自分も,他の二つが入ってきた瞬間,何をすればいいのやらとあたふたでした。演技しているとものすごく自分が恥ずかしくなるし,ダンスなんて小学生の運動会以来なので回転もままならない状態でした。けれど,初舞台では,ダンスの得意な二枚めの役に選んでいただき,うれしさ半分,これはやばいぞという思い半分でした。実際,歌の方では褒められる点もあった一方で,演技やダンスに関してはサークルの先輩方にアレヤコレヤ言われながら,かなり揉まれました。そして同時期に,見るに耐えなかったダンスをなんとかせねばならぬ,ということで始めたのが,今も通っているダンススクールです。サークルとダンススクールに行きながら,観せられるものにするということで必死でした。一方, 演技の方は,もちろん慣れということもあったのですが,ミュージカルに真の意味で没頭するきっかけになったのは,サークルの大先輩の舞台を観に行ったことだと思います。現在もプロとして活躍なさっている方なのですが,その先輩の舞台を観に行った時,彼の演技の熱量に客席の僕は釘付けになり,これこそが演技なのか,これをやってみたいと思ったのです。その日は,家の風呂の中でずっと先輩の演技を真似していました。ここからだと思います。歌にもダンスにも,ただ歌うだけや踊るだけをするのではなく,演技の中で歌い,踊ることを目指し,そしてその楽しみを知ったのは。もちろん今もまだまだ手探りのなかで模索しています。」

Q「菊地原さんの軌跡を本当に詳しく聞くことができ、とても興味深く感じています!では最後に、今後の1番の目標と、やってみたい役を教えてください!」

A「今後の目標は,常にもっともっとです。僕の知らないメソッドや表現の仕方,声の使い方はたくさんあります。それを貪欲に,自分磨きのため丸呑みする意気込みでいたいです。そして,自分の体で以って,見て聞いてくれる人に,何かの形で爪痕を残せるようになりたいです。自分の短いミュージカルに関わる人生のなかでも,思い返すとたくさんの人の影響を受けてきました。誰かにとっての,そうした存在に自分もいつかなりたい,そのように思います。やってみたい役は,モーツァルトのヴォルフガング,ミス・サイゴンのクリスなどです。」

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