キャスト座談会④テイラー


出席者: 上原実果、藤村希

インタビュアー:オーディションの時の思い出を聞かせてください。

藤村:私はこれが外部で受ける初めてのオーディションだったので、新田さんとか野島さんも同じ回で、お二人と一緒に創さんからすごい無茶ぶりされたんですけど…(笑)。野島さんがおじいちゃん役をやってて、そのほかのみんなもすごく面白くて、私もそれに乗っかってスーツアクターの役をやらせていただいて。それがすごく思い出深かったです。

インタビュアー:ありがとうございます。上原さんはCALLBACK!!の優勝者になったことがきっかけでこの作品への出演が決まりましたが、優勝が決まった時のお気持ちはいかがですか?

上原:信じられないという気持ちでした。私は、CALLBACK!!vol.8 in大阪 で優勝をさせていただいたのですが、実はその一つ前の石井千賀ちゃんが優勝したvol.7にも出させていただいていたんです。その時は右も左もわからずみたいな感じでした。そしてその回は、CALLBACK!!史上稀にみる鬼レベル回と後からいわれているくらいで。東京で名前が売れているみんなが集結していたようで、そんな中で、私は京都から出てきて、(出場者の)みんながどこぞのどなたというのも分からなくて。でも、とにかく、その回は「東京すごい。やばい。うわあ。」みたいなことを思っているうちにあっという間に本番が終わってしまいました。なので、vol.8では、とにかく集中しよう!ということをすごく考えていて「優勝したい」とかそういう気持ちはあまりなかったんです。もう一回チャンスを頂けたのであれば、とにかくvol.7の時よりも、納得のいくパフォーマンスをお客さんにも楽しんでいただけるように、ということに集中していたことが結果的に優勝につながったという感じでした…。名前を呼ばれたときは「嬉しい」というよりも、「え?私ですか?まさか。」みたいな感情の方が大きくて。お客さんも私が喜ばないから、「え?」っていう感じだったんですけど(笑)。優勝を経て、それがこの素晴らしいカンパニーに参加させていただけることにつながっているので、本当に(CALLBACK!!出場は)ありがたい機会だったなと思います。

インタビュアー:この作品の魅力は何だと思いますか?

藤村:私が思うのは、本当にいろいろなキャラクターがいて、いろんな役がいて、しかもクアドラプルなので、いろんな人が演じているので、すごくいろんな色が見える作品だなというふうに思っています。それがいろんなお客様が見て、共感できるものにつながっているんじゃないかというふうにも思っていて。お客様がずっとこの作品を見た経験を胸に抱いていけば「あ、今はこんなふうに考えられるな」と振り返った時に違う見方ができる作品でもあるんじゃないかなと思っていて、それがこの作品の一つの魅力だと思っています。

上原:なんといっても、楽曲の素晴らしさだと思います!イントロを聞いただけで景色が思い浮かんだり、メロディが日常の物音に聞こえたりだとか、音楽の一つ一つから浮かび上がる情景がすごく素敵で、魅力的な部分だなと思います。ただ、いざ自分がお稽古をしてみると、ミザンスだったりやることに追われてしまっていて、楽曲を聴いた時に思い浮かんできた景色などが、自分の中でぼやけてしまっている部分があるなとすごく感じています。そこをいかにクリアにしていくか、自分が思い描く景色と楽曲に散りばめられている"音"をリンクさせていくか、が今後の課題だなと思っています。

インタビュアー:役との共通点や相違点はありますか?

藤村:私とテイラーは本当によく似ていて。私もすごくバイトをしていて…三つやってるんですけれど(笑)。そして、今が大2で、次に大3になる代なので、人生選択を迫られているわけですよ。なので、バイトを選ぶのか、自分の夢を選ぶのか、っていう彼女の葛藤はすごくよくわかってしまうので…。私はバイトは朝番なので、曲を好きに流せるんですよ。それで、「ISLAND SONG」の曲を流していると、本当に泣けてくるという状態です。

上原:私を含め、今回の出演メンバーのほとんどが、テイラーと境遇自体は似ていると思いますね。ただ、テイラーという役は、境遇こそ似るけれど、決して自分自身を映したものではないということを常に頭に置いた上で演じたい、と思っています。これを相違点、と呼べるのかは不明なんですけど(笑)。境遇が似ているからこそ、自分に寄せてしまいたくなる瞬間があるのですが、そこは自分自身とは切り離して、あくまで"テイラー"として生きる。"テイラー"として、感じる。ということを大切に、演じていければなと思っています。日々、模索中です!!

インタビュー:カンパニーの印象を教えてください。

藤村:名前を知っている方々が大量にいて、私は初挑戦という感じで。私は「ずっと(ミュージカルを)習っていた」とか「藝大にいる」わけでもなくって。なのでめちゃくちゃ緊張して入って「私は下っ端だから」っていうふうに思っていたんですけど、それじゃダメだと思い直しました。本当に皆さんお優しいし、面白いし、何より本当に毎日が刺激的で「自分も頑張ろう」ってすごく思えるし、底上げもして下さるんです。「一緒に頑張ろう」みたいな感じで押し上げてくださるので、本当に毎日が充実しています。

上原:みなさんとにかく、凄いです!みんなが2回目でできることを、私は5回やらないと出来ません!!みたいな感じで。みんなの対応力や瞬発力みたいなものに本当に驚かされます。もう、とにかく「絶対置いて行かれないようにしなきゃ」っていう毎日です。
なかなかうまくいかない時はすごく悔しくて、しんどいですが、それこそ、ISLAND SONGのテーマである「前向き!ポジティブ!」じゃないですけど、「泣いている暇があったらやらなきゃ!」という気持ちで、泣く暇もないくらい毎日やることがたくさんあって、充実しています。とても幸せな毎日です。このカンパニーでいられる時間を1分1秒無駄にしないで、たくさん吸収したいです!

インタビュアー:野望を教えてください。

藤村:これが一番難しくって(笑)。将来選択っていうのをこの作品をきっかけに、し始めたいなというふうに思っていて。うーん…私の場合は、4年間学業を修めて、そのまま就職する道もあるし、舞台の上に立つっていう道もあるし。どちらかを選ぶのはすごく勇気のいる選択なんですけど、私は(この作品を通じて)どちらか決めたいです。なので、こやついいなって思ったらぜひ応援してやって下さい!背中押してやって下さい!!

上原:野望…。うーん。色んな考え方があると思いますけど、私は先のことよりまず、目の前のことに、全力で向き合いたいと常々思っています。いま目の前にあることを全力でやって、初めて見えるものがあると思いますし、それが未来につながっていくんじゃないかなと思うので。なので、野望という野望はないっていうか。あ!でも「歌と音楽が大好き!!自分にとっての生きがいだ」といつまでも胸を張って言える未来ではありたい、と思います!いつまでもその気持ちを忘れずに、ミュージカルや音楽と関わっていられたらいいなと思います。

座談会には欠席だった庄子さんが、インタビューに応じてくださいました!

Q1 オーディション時のエピソードを教えてください。

かなり緊張していたのでオーディションの時のことをあまり覚えていないのですが、参加している皆さんがすごく上手で、こんなに素敵な人たちと一緒に舞台に出られる機会を掴むことができたなら、それはすごく幸せなことだなと思いました。

Q2 テイラーは等身大のキャラクターかと思いますが、どのように役作りをされていますか?

テイラーはウェイトレスとして働く現実と、役者という夢の狭間で揺れ動いているキャラクターですが、私自身も「やらなければいけないこと」と「やりたいこと」の間にギャップを感じることがあります。その葛藤を役作りに活かすべく、日々自分の内面を見つめながら稽古に挑んでいます。

Q3 このカンパニーの雰囲気はいかがですか?

このカンパニーには歌や芝居に対して熱い想いを抱いている仲間が集まっています。瑞々しくもエネルギッシュな”ISLAND SONG”という作品を、皆さんと一緒に創り上げられることに大きな喜びを感じています。

Q4 どんなテイラーを演じたいか教えてください!

テイラーとして“ISLAND SONG”を全力で生き抜き、カンパニーの皆さんと一緒に、観た人の心に新しい風が吹き抜けるようなエネルギーをお届けしたいです!

インタビューには間に合いませんでしたが、この度、降板された生形まなみさんに代わり、松浪ゆのさんがテイラー役に追加で起用されました。松浪さんへの応援もどうぞよろしくお願い致します!

左から、藤村希、上原実果、庄子紗瑛、松浪ゆの


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