BTSとグラミー賞と最近のアメリカのMV

BTSが観たくてグラミー賞のパフォーマンスを観てみた。

最近、アメリカのMVを観る度に、なぜこんなにも「丸出しのお尻を高速で揺らしまくり&谷間見せまくりの女性アーティスト」と「プールサイドに露出過剰なビキニの女性をたくさん登場させ、横で酒飲んでラップする男性アーティスト」のMVばかりなんだろうと思っていた。曲自体はすごく好きなのに、MVが...。聴いている曲のジャンルに問題があるのかもしれないが、グラミー賞のパフォーマンスでも肌露出多めや股大きく開いてみました的なパフォーマンスがいくつかあった。セクシー?をアピールしすぎのパフォーマンスを観て、顔をしかめる常識人はアメリカにもたくさんいるはずだ。

そんな中、カラフルで上品なスーツを身に纏い歌とダンスのパフォーマンスを見せてくれたBTSは本当に素敵だった。寒かっただろうにビルの屋上のヘリパッドでダンスする姿からは、彼らのエンターティメントに対する真摯な姿勢が伝わってきた。

グラミーに関しては、最初から彼らに賞を与える気持ちはなかったのだろう。だってBest Duo and Group なんていう目立たない部門にだけノミネートなんてそもそも彼らの2020年の活躍からしたらおかしいし、ノミネートされたアーティストもBTS以外はduoでも何でもないただのコラボ。で、ネームバリューのあるアリアナとガガが受賞すれば裏工作も怪しまれないでしょ~みたいな筋書きが見え見えだ。

Yahooのニュースコメント欄には「アメリカではBTSなんて知られていない」とか「韓国が金を使って売っている」とかいろいろ書かれているが、そういうコメントを書く人はアメリカの「The Late Show」 や「Carpool Karaoke」「Good Morning America」「Ellen Show」などなど、BTSが数々のアメリカの番組に出演していることなんて知りゃーしないだろうし、そういう番組がアメリカでどういうステイタスの番組かも知らないだろう。お金を使って出演しているかどうかは私たちにはわからないが、有名な番組だけに、そもそもある程度の需要がなければ出演も難しいはずだ。アメリカの雑誌「Esquire 」「Time」「Variety」の表紙やティーン雑誌の付録のポスターがBTSだということもきっと知らない。よく「アメリカ住みだが、自分のまわりでBTSを知っている奴はいない」というコメントを見るが、どの国にも多種多様な嗜好があり、自分の周囲がすべてではない。

まあ、そういう訳でBTSはグラミー賞を受賞しなかったけれど(どういう訳だよ)、彼らのパフォーマンスを観て魅了された人たちも多かったのではないだろうか。これをきっかけに、あまりにもお下劣になってしまった一部のアーティストたち(曲は良いのに、なぜそこまで露出にこだわる…)のMVやパフォーマンスの方向性が少し変わってくれるといいのにと、個人的には思っている。

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