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チーム名に不可算名詞が使われてるのは何故

お久しぶりです。
渡辺です。

特に前置きに使う話も無いので最近思ったけど多分ツイートしてないことを3つ

・ありえない程noteのフォロワー増えたけど中身が人間のアカウントはどれだけあるんだろうか。
・忙しくなるとアイディア出てこなくなるけどそれは心を亡くしてるからかー(別に巧くない)。
・情報はタダじゃない


はい、どうでもいい話は置いておいて今回はタイトルにもある通り、スポーツチームの名前に不可算名詞が使われてるのをチラホラ見るけど、あれってなんなのって話です。
これ正直どうでもいいと思う人にとっては本当にどうでもいいんだろうけど、ある時ふと気になってしまったので調べました。英語の特性とかアメリカのスポーツ文化が何となく見える気がして面白かったからシェアします。

基本的にはこちらの記事をベースにして書いているので、英語ですが原文を読みたい方はそちらへ。
2014年の記事からの引用なので多少数字に誤差があったりするかもしれませんがそこは御容赦を。


前提

記事の内容に入る前に少しだけ本当に基本的なところに触れます。

そもそも英語を用いるスポーツチームの名前には複数形を取る名詞(可算名詞)を使うのが一般的です。
これを読んでいる方はおそらくスポーツを好きな方が多いと思うのでパッと何個かチーム名を出してみてください。
だいたいは可算名詞(最後にsがつくやつ)だと思います。

例えばNBAで言えばLakersとかCelticsみたいなやつ。
Heat、Thunder、Magic、Jazzみたいなのは不可算名詞で例外な訳です。

だけど最近はこの不可算名詞を使っているチームを色んなところでよく見るよね、それはなんでだろうってことで本題に入ります。

歴史

先程も触れましたが、チーム名には可算名詞を使うのが一般的でした。
しかし、90年代になると複数形を取らない名詞を名前に用いたチームが増えてきます。

なので、97年にリーグが発足したWNBAでは12チーム中8チームが。その1年前に発足したMLS(アメリカのプロサッカーリーグ)では初期10チームのうち8チームが不可算名詞をチーム名に採用しています。

その後に続いたGリーグ、女子サッカーなどでも似たような傾向が見られます。

理由

では何故こういった傾向が見られるようになったのかです。

大きな理由として挙げられるのはニュアンスとして単数形(不可算名詞)の方がチームとして力強く1つなんだみたいなイメージを出せるのと、数えられない名詞なのでチームの精神とかコンセプトみたいなものが(物によっては)伝わりやすいということです。

分かりにくいと思うので詳しく解説すると、昔ながらの可算名詞で複数形を取るチーム名だと、それぞれバラバラのパーツが集まって1つのチームになってる!みたいなイメージです

可算名詞の複数形で例えばbooksって言われた時に思い浮かぶのはサイズも厚さも違う色んな本がその場所バラバラとあるみたいなイメージ。まとまりはあまりないような印象を受けるのが可算名詞が複数形をとった時の特徴です。
同様にworriesって言われたら歩兵なり騎馬兵なり色んなスタイルの戦士がいる的な感じで、訓練されてみんな同じ服着てびちっとしてる軍隊みたいなものは思い浮かばないみたいなことです。
伝わっててくれ。

逆に不可算名詞でheatみたいな名前だと、
熱(どーーーーんっ!)
って可算名詞の時に受けたバラバラ感みたいなものは一切感じられなくなって、これが俺たちだ、みたいな雰囲気にガラッと変わるということです。
ベストは尽くしたつもりだから伝わっててくれ。

あとは名前がユニークだから他のチーム名と被る心配が少ないというのも良いところです。
可算名詞では実際にGiantsやCardinalsがそれぞれNFLとMLBにあって、ジャイアンツファンなんだよねーってなんの文脈なしに言われてもどっちの事言ってるか分からないっていう状況に陥ります。それがないのも大きいです。

難点

力強く一体感を感じさせるものの難点もいくつかあります。
それは単語によっては概念がすぎることです
不可算名詞ということは数えられない、つまり存在が目に見えない概念だったりするわけです。

例えばWNBAのNew York Liberty
Libertyとは自由という意味ですが、自由がチーム名って何ぞやってなりますよね。その感覚は正しいです。

じゃあ自由をチーム名にするので、自由を題材にロゴやマスコット、グッズとか作ってください。って言われた時パッとイメージ出てこなさそうだなと思いませんか。
プロでは特にユニフォームや色んなグッズの売上がチームの大きな収入源となって居る訳ですがグッズ作りもなかなか大変そうですよね。これが1つ目です。

2つ目は不可算名詞だと実況解説が困る、です。
よく試合中などに実況解説がチームの特定の選手の話をチーム名を使ってすることがあります。
例えばレイカーズの若手が最終局面で活躍して勝利に貢献したのを振り返る場合
A young laker came up big down the stretch(若いレイカーがクラッチタイムに大活躍した).
みたいな感じで名前を使わずともある選手のことを表現できるんです。(多分この文章の感じであってる)

これは可算名詞だからできることで、不可算名詞の時どうなっちゃうのってのが疑問に残る訳です
例えばLibertyの選手はa Libertarian(自由意志論者)になっちゃうの?みたいな。
まあ難点と言うほどでは無いかもしれないてますけど、これも英語ならではの話でなかなか面白いと思います。

四大リーグと大学

最後にちょこっと余談。気になる方だけどうぞ。
新しめのチームの名前に不可算名詞が使われがちって話だったので歴史ある四大リーグ、NBA(バスケ)、NFL(アメフト)、MLB(野球)、NHL(アイスホッケー)と大学を見てみます

結果から言うと、NBAに4チーム、NHLに3チーム、MLBとNFLには0チーム不可算名詞をチーム名にしている所があります。
MLBとNFLに関しては歴史が古すぎて保守的であるというのが大きな理由のようです。
それに比べてNBAは歴史がまだ浅めで、そもそもフレキシブルな組織だから割と進んでる(最近は外国人選手の数もすごい多いし)。
NHLはチームの移転が多くて、現在ある30チーム中12チームは90年より前にはなかったチームだから組織は古くともチームは若いところが多いらしいです。

まあ歴史っていうけど、大学のチーム名は昔から不可算名詞のところも多いようなのでリーグやチームがファン層に気を使って保守的になってるのも大きいのかななんて思います。
不可算名詞を採用している具体的な大学の名前あげると、Alabama Crimson Tideとか、Stanford Cardinalとかがあります。
スタンフォードはcardinalなのに何故単数なのかは謎です。

と、こんな感じでちょっと余談でした。

最後に

途中ちょっとよくわからないテンションで書いてたところもありましたがいかがでしたでしょうか。
自分はアメリカ的なところも、英語的なところも見れてなかなか面白いトピックだったんじゃないかななんて思ってます。

いつもの如くまたかなり長くなってしまいましたが、最後まで読んでくださった方々はありがとうございました。
ではまた。

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