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アメリカの大学でバスケがしたい人たちへ

note関連とバスケのことをちゃんと管理するためにTwitterのアカウントを新しくしました渡辺です。
そのタイミングでこのnoteはアメリカでバスケがしたいという考える人達に何かを残せたらと始めたのだと思い出したのでそういう人達にむけてぼちぼち書いていきたいと思います(今までは自分の思ったことを書き起す場にしてました、すみません笑)


今回は日本の高校を卒業したあとにアメリカの大学でバスケをしたいと思っている人達に絞って、どんな選択肢、進路があるのかをお伝えしていきたいと思います(本当は高校からアメリカに来ればもっと可能性は広がるよと言いたいですが、日本の高校卒業後から留学を考えるのが一般的だと思うので)。
自分は日本で高校を卒業後、渡米しシアトルの短期大学で2年間プレーしたのですが、普通に留学するのとは訳が違い、全く情報がなく苦労したのでこれが少しでも他の方々の役に立ってくれれば幸いです。また、これは自分の経験や聞いた話を基に書いているので間違いがある場合があります。何か引っかかる点や気づいたことがあった方はご連絡ください。

大前提

本題へと入る前にアメリカの大学でバスケをする上での大前提が2つほどあるので先に触れておきたいと思います

まず1つ目、これはもちろんですが英語力です。
仮に大学へ入るための英語力が足りずに語学学校から始まることになったとしましょう。
その語学学校が大学の付属のものだとしても、英語を勉強中の選手はチームに所属することが基本的にできません。というのもチームに入るには1 semester(一学期)に大学レベルのクラスを(ESL等の語学のためのクラスを含まずに)12単位以上取得している必要があるのです。
ESLと並行して取れるクラスがある学校もあるかとは思いますが、最低限の英語力がない中でネイティヴと共にクラスを受けるとなるとなかなか大変だと思います。
そしてもちろんチームに所属してバスケットをするのであればコミュニケーションを取らなくてはいけないので英語の勉強を避けることはできません。正直これは早くからやった者勝ちだと思います。
TOEFLなどの留学に必要な英語についてはまたどこかで触れさせてください。

そして2つ目は勉強に関してです。
これは本来当たり前であるべきですが学生の本分は勉学に励むことです。
この辺りはアメリカはしっかりしていて、どんなに優秀な選手であっても、ある一定数以上の単位を維持できていないとプレーをする資格を失ってしまいます。
なので練習やウエイト、遠征などで時間が無い中でも勉強はしなくてはいけません。もちろんそれを避けるために個人にチューターが付いたりとサポートは充実していますが、神の手で単位が降ってくることは無いので最終的には個人の実力で単位をとらないといけません。
要は勉強も頑張る覚悟がないといけませんということです。とはいってもやることさえやっていれば滅多なことがない限り単位を落とすなんてことはないのでそこは安心して大丈夫だと個人的には思います。

前置きが長くなってしまいましたが、本題へと移っていきたいと思います。

3つの選択肢

アメリカの大学でバスケがしたい!とはいっても大学はありえんほど数あるし、なんかNCAAとかいろんな組織あって訳分からんし、何が何だか正直分からんという方も多いと思います。
そんな方達は目的やレベルに応じて3つ選択肢があると理解していただければ良いかと思います。
ここでは選択肢のみを提示して後ほどそのメリットとデメリットなどを細かく説明していきたいと思います。

1. プレップスクールに通う
2. 短期大学に入る
3. 四年制大学に直接入学する

選択肢その1:プレップスクール

選択肢の1つ目はプレップスクールに通うことです。
プレップスクールというのは複雑な仕組みではあるのですが、一言で表すならば大学進学の準備をするための学校です。つまり大学ではありません。
スラムダンク奨学金を貰った選手が通う、また渡辺雄太選手がGeorge Washington大に入学する前に通っていたセントトーマスモアがいわゆるプレップスクールです。

メリット
・eligibilityを失わずに大学で4年間プレーできる(後で補足しています)
・渡辺雄太選手のようにD1の大学からオファーを貰える可能性がある

デメリット
・大学卒業の時期が遅れる(これは個人の価値観と本気度次第)
・オファーを貰えない可能性も十二分にある。
・オファーまたは奨学金が貰えない場合、プレップスクールと大学共に通うことになるのでコストがかかる

補足
Eligibilityとはプレーをする資格のことです。大学というカテゴリーではトータルで4年間しかプレーの資格が与えられていません。短大と四年制大学どちらも含めて4年間です。
例えば自分のように2年間短大でプレーしたあとに四年制大学に編入したとします。このケースでは既に2年間プレーしてしまっているので四年制大学では残り2年間しかプレーができません。
ただし、プレップスクールは大学ではないのでこれに影響がないのです。高いレベルで長いことプレーをすることができる可能性があると言う点ではプレップスクールのメリットは大きいです。

ただし、過去のスラムダンク奨学生の経歴を見てもわかるように、1年や2年でD1やD2の壁を破ることはとても難しいです。
もちろん渡辺雄太選手のように1年でオファーを受けることが出来れば万々歳ですが、オファーが来るかどうかは分かりません。このように1年でD1に行くような選手達は、日本にいてリクルートの機会が無かっただけでそもそも実力はそのレベルであったといって間違いないと思います。

選択肢その2:短期大学

選択肢の2つ目は短期大学に入ることです。
アメリカではcommunity collegeやjunior collegeと呼ばれているようなものが短期大学、2年制の大学です。
桜丘高校の富永啓生選手が入学したRanger Collegeは短期大学です。ちなみに自分も短期大学でバスケしてました。
また一般的に留学するとなった時に多いのが初めは短期大学に入学して、3年目から四年制大学に編入するといったルートだと思います。

メリット
・四年制大学に比べると学費が安上がり
・学力も英語力も求められるものはそこまで高くない。
・junior college上がりの選手の需要が高くなってきている(男子)

デメリット
・eligibilityをプレーした年数分失ってしまう。
・もちろんオファーがもらえない可能性がある

補足
短期大学のレベルは所属する組織やカンファレンスによってまちまちです。
それでも一緒にプレーしたチームメイトがD1の大学にオファーをもらって編入したケースがあります。また、今自分が在学中のWest Virginia大はD1でそれなりに大きいカンファレンスに所属しているのですが、そんな中に2人もjunior college上がりの選手がいます。
近年こういったjunior college上がりの選手の需要が高まっています。何故かと言うとアメリカではトランスファー(転校、編入)が簡単にできてしまうので、様々な理由で多くの選手が転校していってしまいます。ただしjunior college上がりの選手達は転がり込んできた四年制大でプレーするチャンスを活かそうと頑張ってくれるし、再編入で他のライバル校に行ってしまうなんてことも少ないからです。また優秀な人材がone&doneでNBA入りする風潮が一層強まっていく中で、大学側は少しでも長い間学校にとどまってくれるいい選手を求めていて、そういった選手が短期大学にも多くいるということで需要が高まってきています。
短期大学にも充分可能性があるということです。

短期大学ではNJCAA(National Junior College Athletic Association)という組織が有名です。とは言え他にもたくさんの組織があり、先程も言ったようにレベルも高いものから低いものまでまちまちなので、NCAA!とかD1!とかそんな高いレベルでなくていいけどアメリカのカレッジバスケを体感したい。というひとには敷居が低くて良いかもしれないです。
ただそれでも馬鹿にしては行けなくて、それなりのちゃんとしたバスケをします!

選択肢その3:四年制大学

選択肢の3つ目は四年制大学に直接入ってしまうことです。
特にここで説明することはありません。the college basketball 夢の舞台です。

メリット
・walk-onでも4年間プレーできる可能性がある
・eligibilityはあまり気にする必要がない

デメリット
・奨学金がもらえない場合の学費の負担が大きい
・そもそもチームには入れない可能性がある

補足
Gonzaga大(現在はWashington Wizards)の八村塁選手やRobert Morris大の池松ほのか選手はリクルートされてNCAA D1の大学に直接入学しています。(他にも例はあったと思いますがパッと出てきたのがこの2人だったので名前を上げさせてもらいました。)
日本の高校を卒業していきなりアメリカの大学からオファーが来るのは余程のことが無い限り起こらない、稀なケースだと思ってください。

なので四年制大学でチームに入るとしたら基本はwalk-onなのかなと思います。
Walk-onというのはリクルートはされなかったけど、自分で自らの能力を売り込んで実力でチームに入ることです。Georgia southern大の弓波英人選手はwalk-onだったと思います。彼はたしかアメリカの高校を出ていたと思いますが。
このようにD1って大変だけど、入ることが不可能な訳では無いのです。だから選択肢としてなしではないと思います。

また、四年制大学というとどうしてもNCAA D1となりがちですが、D1でも弱いチームはありますし、D2やD3でもとても面白いバスケをするチームもあります。
この間West Virginia TechというNAIA(NCAAとは別の四年制大学が所属する組織)D2所属のチームの練習を見ましたが、身長こそ低めなものの、物凄い練習をしていました。少なくとも自分がプレーしていた短期大学が試合したら軽くボコされるだろうなと驚かされたレベルです。そもそも所詮短大と四年制大学を比べるなと言われればそれまでですが。

このように四年制大学と一括りで言っても様々な選択肢があります。
D1だけが全てでは決してありません。D1でプレーしたいという気持ちももちろん分かります。少なくとも私はD1でプレーしたいと夢見て渡米したうちの1人です。でも言い方は失礼ですが中途半端なD1の大学に所属し、経験を詰めないのであればD2でもD3でもきっちりとした学校からもらったオファーなのであれば、もしくはそこでプレーできる!プレーしたい!と確信できるならばそこに行くべきだとすら今は思います。
日本では時にネームバリューが重視されることもありますが、それが全てではないと心から思います。
そういった視線に立ってみてどうしようかと悩んでみると何か違うものが見えるかもしれません。

四年制大学のところだけ少し長くなってしまいましたが締めに向かいます。

さいごに

3つの選択肢を提示させていただきましたが、いかかでしたでしょうか。
1人でも何もわからなかったけど、ちょっとはこんな選択肢もあるんだって知ったという方がいてくれればとても嬉しいです。
それぞれ目標もアメリカの大学でバスケしたい目的も違うと思います。そんな人達が自分に合った場所で楽しくバスケできたら良いですよね。

本当に最後にもう少しだけ、
チームに入りたければ自分のハイライト動画を作ってコーチに送り付け、俺チームに入りたいんだけど入れてるれるか?ってまずはコンタクトすることです。
あと自分は縁に恵まれて、短大でバスケができたし今はD1の大学でマネージャーをしています。アメリカは特に縁が大事なのでとにかく人づてにでも何でも縁を繋ぐこと、その縁を切らないことが大事だと思います。


長くなりましたが今回はこの辺で終わりたいと思います。
多分過去一で長かったと思いますが読んでくださった方々はありがとうございました。
過去作も是非読んでください
ではまた。

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