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スポーツから見る差別と不平等

お久しぶりです。渡辺です

特筆することもないので今回はいきなり本題に入ろうと思います。
今回はスポーツを切り口にしてアメリカに蔓延る差別や固定観念について見ていきます。
ずーーーーっと前から書こう書こうと思ってはいたんですがなかなか触れられず、いつの間にかコロナで自粛が始まり、アメリカでBlack Lives Matter(BLM)の活動が盛んになり、今やその流れすら落ち着いてきてしまいました。さすがに温めすぎた。
ではいきます。

マスコットやチーム名

マスコットやチーム名というのはそのチームや学校を象徴するものとしてとても大きな役割を果たしています。
個人的には無意識にこれらが与える影響って半端なく大きいと思っているので、代表例をいくつかご紹介します。

WVU Mountaineers

まずは私の通っているウエストバージニア大学から。
WVUにはmountaineer(登山家)というマスコットがいて、毎年生徒の中から1人が選出され1年間はその生徒がアメフトやバスケ、その他イベントで学校の顔として活躍する仕組みになっています。

これは昨シーズンに66代目マスコットを務めたTimmy君。検索してもらえれば分かりますが体つきは違えどみんなこんな雰囲気です。
毎年立派な髭を蓄えた白人男性。
今年の候補者には女性の姿もありましたが最終選考で落選しました。
過去には女性でマスコットを務めた人もいるそうですが、また学校に建っている像には髭は生えていませんが、ここ数年マスコットに選ばれるのは髭を蓄えた白人男性。Timmyくんが人によってはあれは髭コンテストだと思っている人が少なからずいると言ってました。

このケースは差別とは違いますが、マスコットに人種と性別を無意識のうちに結びつけかねないという点ではやはり影響力はかなりのものなのかなと思います。

ネイティブアメリカンを使っているチーム

続いてはネイティブアメリカンを使っているケースです。
NFLではWashington Redskins、MLBではCleveland Indians、大学ではIllinois Fighting Illini や Florida State Seminoles などが有名でしょうか。

レッドスキンズに関していえば今日(2020年7月12日)の時点で早ければ明日チームの新たな名前が決まるのではと話題になっています。
これも名前であるレッドスキンというのがアメリカ先住民を差別する言葉であるともう何年も前から議論されてきた結果です。

インディアンスも2018年にワフー酋長のロゴが単にCに変えていたりしています。

そんな中、大学はNCAAがネイティブアメリカンの差別につながりうる名称やマスコットの使用を禁止したにも関わらず、地元の先住民から許可を取ったりなんなり意地でも変えんぞみたいなスタイルのところすらあります。

ちなみにアメリカでネイティブアメリカンがチーム名やロゴに使われる理由は、勇敢だから、悪く言えば野蛮で好戦的だからみたいなイメージがあるからです。
だからイリノイ大のマスコットであるChief Illiniwek(イリニウェク酋長)は伝統衣装に身を包みスポーツイベントの前に踊るというパフォーマンスが行われていたりしました。2007年を最後に廃止になっていますが。

問題はこれらの印象は白人によって作り上げられた先住民像であって本来の姿とはかけ離れているということです。
伝統衣装らしきものやダンスは全くのデタラメ、好戦的でない民族を野蛮なものとして作り変えマスコットとして用いるなど先住民の文化や背景が全くリスペクトされていないケースばかりです。
先述したように、パフォーマンスが廃止になったり、ロゴが変わったり、チーム名を変えようという動きがありはしますが、近年になってようやく影響力のある組織が動き始めた感じなのでまだまだ間違った認識がなくなるのには時間がかかりそうというのが現実です。

スポーツチームにも文化や伝統があるのは十分に理解できますが、それが誤解を招くようなものでは本末転倒です。
あ、ちなみに私が通っていた高校も何故かインディアン“ズ“ を名乗ってたんですが正直変えた方が良いと思ってます。OB見てたら怒られそうだけど、間違ってるものは間違ってるので。

スタッキング

今まではチーム名やマスコットの話でしたが今度はポジションと人種の関係を見てみます。
スタッキングというのはある特定の人種がそのポジションに多くみられて他のポジションではあまり活躍してないよねみたいな状況を指します。ポジションというのにはスポーツに限らず仕事の役職も含みます。

例えば、NFLでクォーターバックを務める白人の割合はおよそ80%なのに対し、ランニングバックの90%は黒人であるみたいなものです。
バスケで言うなれば、正確なデータがなくて申し訳ないですが、外も打てるビッグマンといえばヨーロッパ系で黒人の印象ってあまりないですよね。みたいな感じです。固定観念の話なのでイメージだけあれば大丈夫なはず。
あとはNBAの白人のプレーヤーの割合は約20%なのに、ヘッドコーチは70%がCEOは97%が白人である、みたいなのもそうです。

これが良いのか悪いのか、本当に人種によってプレーや仕事に得意不得意があるのかどうか科学的な話は置いておいたとしても、これだけ差が顕著なのは別の個人的な信条や固定観念が働いていると思わざるをえません。

男女の差

スポーツにおいて管理職やコーチのポジションを見ると男女にも大きな不平等があるのは明らかです。
これに関してはこれだけで十分なネタになるので次回またじっくりと書かせてください。
差別や不平等というとしばしば人種間での出来事と思われがちです。当たり前といえば当たり前ですが、性別間でも同等もしくはそれ以上の不平等が存在しているという事実は改めてこの機会に認識しておくと良いかもしれません。

最後に

sport is a microcosm of society(スポーツは社会の縮図だ)とはよく言ったもので、スポーツを見るとアメリカの現状が本当に色々と見えてきます。
前もどこかで言った気がしますが、スポーツ大国アメリカですら完璧とは言い難く様々な問題を抱えたままです。
今回はざっくりとした部分だけ触れましたが面白いと少しでも感じてくれた人がいれば幸いです。

またいつもの如く長くなりましたが今回はこの辺で。
最後まで読んでくれた方々はありがとうございました。
次回は男女間での不平等やTitle IXについて書きます。
ではまた。

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