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1972年リリースのアルバム#35 「Caravanserai」

自分のブログで ”1972年リリースのアルバムでRateYourMusicのユーザ評価が高いもの” トップ50を調べてみた。
50年後に世界中のユーザーが振り返っての評価なので、リアルタイムでの評価・評判とはもちろん異なっている。

半世紀前、1972年のトップ50アルバムと当時と今の評価を紹介したい。

1972年のトップ50リストのNo.35はサンタナ(Santana)の「Caravanserai」(キャラバンサライ)。

当時人気絶頂のサンタナの4枚目。もちろん日本での人気も評価も高く、翌1973年の来日ライブは「ロータスの伝説」になるわけだ。

「天の守護神」、「サンタナ(III)」とラテン・ロックとして普遍的なエネルギー全開だった70年代のサンタナ。アルバムだけでなくシングルもちゃんとヒットしていて、まぁ天下を取った状態である。

「キャラバンサライ」もリリース時点では最高傑作扱いだったけど、実はこの辺りをピークに一般的な人気は下がっていく。ボーカル入りの曲は3曲しかないし、ラテン・ロックというより今で言う ”フュージョン”、当時で言うと ”クロスオーバー” 的なサウンドはそれまでのようなラテン・ロックを期待していた人にはどう聴けばいいのか分からなかったのである。

カルロス・サンタナ自身もジョン・マクラフリンやアリス・コルトレーンとコラボして、サウンドはジャズだしスリ・チンモイに帰依してとか訳分からん方面へ。聴く方も困るし、評論家も精神性が云々みたいな言葉しか出なくて匙を投げた状態へ。

まぁその後「哀愁のヨーロッパ」でロックに戻ってくるのだけど。

デビュー当時からのパワフルなラテン・ロック期の最後のアルバムで、クロスオーバー化していくサンタナの最初のアルバムがこの「キャラバンサライ」。
ただ今振り返ってみると、エモーショナル溢れるラテン・ロックとスペイシーなジャズ・ロックがうまくミックスされた聴き応えのあるアルバム。今も高く評価されているのも納得である。

1972の#34はこちら


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