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宙ぶらりんの期間

5月の真ん中あたりの日曜日。
小1のむすこの初めての授業参観だった。

その何日か前から、連絡帳を通して学級担任から「学校で約束をなかなか守ってくれないのですが、家庭ではどうしてますか?」と聞かれてむすこへの対応についてお返事する、というやりとりが続いていた。

木曜日の夜、小さい頃のむすこの様子からいろいろ聞かせてほしいのでお話しする時間を取っていただけませんか、と書かれていたので、日曜参観の後にお願いします、と返事をして金曜日の朝むすこに持たせた。

金曜日の夜に連絡帳を開くと、「日曜参観の時は、2〜3校時が授業参観の時間ですが、朝からむすこさんの学校での様子を見ていてもらえませんか。その上で、終わってからお話しできればと思います」と書かれていた。

日曜参観の日、むすこと一緒に登校して、教室の外からむすこを見ていた。
周りの子と比べると、気が散りやすく、ランドセルの片付けや授業の準備などが遅いが、少し声を掛けるとちゃんと終われる。
幼稚園の年中、年長のときから緩やかに続いている「すこしだけ大人の見守りが必要な子」だなぁという印象だった。

授業参観後、学級担任の先生との面談の中で、「いつものむすこさんの様子を見ていただこうと思ったんですが、お母さんがいらっしゃるからか普段より随分落ち着いていました」と言われた。

すこし違和感を覚えた。

2校時までは教室で様子を見ていたけど、4校時はPTA総会に出席していた。
その間(わたしがいない間)はいつもより少し大変な様子になってしまって、と言うので詳しく聞くと。

2〜3校時はカルタ作りをしていたのだけど、作り終えてグループでカルタ遊びをしよう、となった時に、むすこは隣の席の子の作った絵札を、机と机の隙間に差し込もうとしてクシャッとしてしまったらしい。
むすこはお友だちの絵札をグシャグシャにしようとしたわけでなく、ここに挟んだら面白そう!という思いつきを実行しただけだった。
でも相手の子はうちの子に自分が一生懸命描いたカルタの絵札をクシャッとされてしまってショックを受ける。当然だ。泣いてしまったらしい。
それを見て先生が「どうしたのー?」と声を掛けに近寄ったところ、むすこは自分の作ったカルタの絵札、読み札をクシャクシャに丸めて、何度も踏んづけてしまったという。
「ぼくが悪いから、ぼくも嫌な気持ちになったらいいんでしょ!」

むすこは今までの6年間の人生で、人に嫌な思いをさせてしまったら自分も嫌な思いをしたらいい、と思ってしまったようだ。
もちろんそんなことを教えた記憶はないのだけど、きっとわたしや祖父母、周りの子たちとの関わりの中で、そういう「認知」を学習してしまったのだろう。

学級担任の先生はわたしに、4月からずっと気になっていて、自分だけでなく他の先生方からも気になる子だと言われていること、学校での一斉授業を行うにはむずかしいと話した。
幼稚園までは、クラスに担任の先生のほか、補助の先生が2人いて、うちのむすこのほか、何人かの声かけ・見守りが必要な子をサポートしてくれていた。
むすこは理屈はわかってるようだけど、それと行動がなかなか結びつかないようだ、それはしばらくするとちゃんとできるようになるはずだから大丈夫ですよ、と言ってくれていた。

それが、小学校に入学して1ヶ月半で、一斉授業への適応が厳しい子と言われてしまった。
夏休み明けくらいまでは慣れるのに時間がかかるかな、と思っていたので、こんなに早く「判断」するのかと驚いた。

話をしていて、先生の言いたいことがわかった気がしたので、発達の検査って学校を通して申請できるんですか、とこちらから質問した。
特別支援でも何でも、むすこに合った環境にシフトできるならその方がいい。

結局、わが母校の特別支援コーディネーターは、高学年の対応から進めているということで、うちのむすこの検査や面談については夏休み明けになるということだった。
それまでは、毎日のように先生から「今日のむすこさんはこうでした」と訴えられ、むすこからは「学校は2回しか遊ぶ時間なくて、我慢ばっかりでいやだ」と寝しなに泣かれる(寝る前だけ、いやな気持ちを思い出すようで、普段は学校でお友だちと遊ぶことを楽しみに登校している)。

宙ぶらりんだ。

学校って何だろう。
発達障害って何だろう。

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