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水本ゆかりさんと宮本フレデリカさんを考えよう

■ 始まり

2018年1月12日、一部の水本ゆかり担当Pと宮本フレデリカ担当P、そして極僅かな担当でないPに大きな衝撃を与えるできごとがあった。

『美に入り彩を穿つ』 OP I'm Home, KYOTO

2011年11月28日のアイドルマスター シンデレラガールズ 配信当初から活動していた二人がイベント『美に入り彩を穿つ』内にて実に6年と2ヶ月の時を経て、初めて共演を果たしたのだ。
このイベントに塩見周子さんと小早川紗枝さんの友人として出演した二人は、初めての会話から上記の通りに「どっかーん♪」と衝撃を与えた。その後も登場する度に終始お友達二人を褒めながらボケを重ね続け、最後には塩見周子さんにツッコミを放棄させる活躍を見せてくれた。

それから約5年、未だに二人の直接的な共演は一度もない。これはそれでも沼に沈み続けて抜け出せないオタクの煮詰まった感情と思考のまとめになる。

▶︎ きっかけ

[美に入り彩を穿つ]小早川紗枝

2018年1月12日、自分はまだアイドルマスター シンデレラガールズというコンテンツに触れて4ヶ月目に入ったばかりの担当もいないプロデューサーだった。
元々が二次創作から入った関係性オタクの自分は【LiPPS】や【羽衣小町】に関しては多少の理解があったものの、今ほどに描写の多くなかった【Rêve pur】に関しては知識がなく、彼女たちの関係性についてはとある動画投稿サイトに投稿されたとある動画のおかげで誕生日が同じと知っているくらいのものだった。
一応【ドミ◎ドナ】に関しては割と知識があり、水本ゆかりさんに関しても椎名法子ちゃんの組んでいるユニット【メロウ・イエロー】で一緒に行動している真面目で天然気味のお嬢様であるという程度の知識はあった。
しかし逆に言えば【メロウ・イエロー】での水本ゆかりさんくらいしか知らなかった自分は『美に入り彩を穿つ』での姿を「なんだか楽しそうにしているな」とか「意外と宮本フレデリカさんと相性いいな」くらいに捉えて、イベント期間中にはただ静かに【羽衣小町】のにわかオタクをしていただけだった。

初めて違和感を覚えたのはエンディングコミュを見た時だった。

『美に入り彩を穿つ』 ED I'm Back, TOKYO

イベント中、何度か生まれる二人のツッコミ不在空間は水本ゆかりさんが宮本フレデリカさんのおふざけを真面目に受け取るからできあがっているものだと考えていた。しかし、この場面ではどうしても面白い方向に進み始めた原因が水本ゆかりさんの行動にあるように思えてならなかった。

彼女が八つ橋を渡す直前に取った宮本フレデリカさんの行動は「シューコちゃん味だね〜♪」と感想を告げただけである。これはおそらく渡された八つ橋が彼女の実家の和菓子屋さんのものだから、諸々を込めて彼女の味がしたと表現したのだろう。
ここに言うほどおふざけの要素があっただろうか? 正直そんな風には感じられなかった。次の宮本フレデリカさんの言葉は「これはまさか……」と水本ゆかりさんの行動にノっかった形になり、続く宮本フレデリカさんの「ゆかりちゃん味だね〜♪」は分かり易く満足そうな声色で答えている。おそらく、八つ橋が被ってしまったけれど、味が違うから大丈夫というフォローのニュアンスを含んだ返しであるように思える。ここにもやはりおふざけの要素は感じられない。
となるとやはり面白い方向は水本ゆかりさんが八つ橋を取り出したときで間違いはないはず……てことは、おふざけを受け取ったのは宮本フレデリカさんになるのでは? じゃあ、ここの水本ゆかりさん分かってボケていない? そうなると宮本フレデリカさんはボケていたことに気づいて拾っている? と一度気づくと疑問は次々と浮かび上がってきた。

一つ息を吸い直し、暴走し始めた頭を落ち着ける。それから数少ない知識から頭の中の水本ゆかりさん像を整理していく。水本ゆかりさんはお嬢様であり清楚で真面目で天然気味である。おそらくお嬢様故に世間の感覚に少し疎く、真面目に受け止めるから天然気味と受け止められているはずである。つまり、水本ゆかりさんは言葉を”額面通りに受け止めて”考えているのではないだろうか。
一旦は彼女をそう捉え、浅い理解ながらも頭をできる限り水本ゆかりさんに近づけ”言葉を額面通りに受け止めて”考えてみる。
「お土産の八つ橋だよ〜」
つまり、八つ橋を頂いたということ。
「シューコちゃん味だね〜♪」
塩見周子さんの味がしたということである。……そんなことはないはずである。八つ橋味でなければおかしい。
……分からない。浅い知識では自分が水本ゆかりさんでないことしか分からない。しかし関係性オタクは自分の琴線に僅かでも触れたものを前に易々と引き下がれないのだ。

このまま視点を水本ゆかりさんから変えずに状況も考えてみる。今、京都からお土産に八つ橋を買って帰ってきたら、ちょうど同じものを用意されていたところだ。それもおそらく塩見周子さんの用意してくれたものは彼女の実家のものである。
塩見周子さんとの絡みはあまりなかった気がするが、小早川紗枝さんとは仲がいい話し相手だ。宮本フレデリカさんと二人で京都まで出向いていたことも考えると、彼女の実家についてなにも知らないとは考えにくい。
対して自分の用意したものは市販のものだ。これは困る。違うものを選べばよかったかもしれない。というか、お土産選びを失敗したかも、なんて考えが過ぎってもおかしくないように感じる。だって頭の中の水本ゆかりさんは冗談にも気づかないほどに真面目なはずなのだから。

しかし、水本ゆかりさんは笑っている。それどころか、いつもの調子のまま「私もお土産があるんです」と笑顔で答えて八つ橋を取り出していた。
これは違う。自分の中の水本ゆかりさんが明らかに違う。理由は全く分からないが、この瞬間に水本ゆかりさんは同じお土産を用意してしまったことへの後悔よりも同じお土産を用意してしまったおかしさが勝ったことになる。
そもそも「私も八つ橋が」ではなく「私もお土産が」と表現している以上、中身を隠す意図さえあったように見える。となればそれを隠してお土産を見せることで笑いが取れると判断した可能性すらあった。

水本ゆかりさん思ったより愉快なのでは? というか「楽しそう」とか「相性がいい」って実は間違っていないのではないか? 【メロウ・イエロー】のときとは少し違う気がするのは水本ゆかりさんにとっても珍しい関係性である可能性があるのでは?
そんなふうに様々な可能性を感じながら彼女を知る為に足を踏み入れーー
極僅かな担当でなかったPは沼へと沈み込むことになった。


■ 水本ゆかりさんと宮本フレデリカさん

改めまして、”ゆかフレ”こと【喜び爆発ユニット(仮)】のオタクです。始まりの沼に溺れる瞬間を表現するには丁寧な言葉では「なにかが違うな……」と思い、できる限り当時の心のままを思い出し書くことにしました。
ですが同じように心のままを綴っても他人行儀な呼び方や読みにくい文章が続くままですので、ここから先は取り繕ろって柔らかな文章を目指して書いて行こうかと思います。
まずは二人について軽く触れ、次にイベント『美に入り彩に入り』でなにがあったのか、そして最後になぜそうなったのか、の三つに分けて考えていきたいと思います。

ということで”水本ゆかりさん”改めゆかりちゃんと”宮本フレデリカさん”改めフレちゃんについて、見ていきたいと思います。

■ プロフィール

水本ゆかり

[エアリアルメロディア] 水本ゆかり

身長:155cm
年齢:15歳
誕生日:10月18日
出身地:青森
趣味:フルート

ゆかりちゃんは外国の古典文学や戯曲が好きな父のもと、本人曰く”それなりの教育”を受けて育ちました。そんな両親に勧められて幼少の頃よりフルートを学び、音楽に対しては深い造詣を持ちます。
素直な性格で両親の教えを律儀に守ろうとするだけでなく、言葉を正直に受け取り過ぎてしまうことから周りからはよく天然と称されます。
また柔らかな物腰と礼儀正しさから清楚と評されることも多くあります。

宮本フレデリカ

[アベニュー・モード] 宮本フレデリカ

身長:164cm
年齢:19歳
誕生日:2月14日
出身地:パリ
趣味:ファッション

フレちゃんは日本人でサラリーマンである父とフランス人で名家のお嬢様だった母が駆け落ちをして、その間に生まれました。母の窮屈な思いをした子供時代の経験から比較的自由に、そして愛情をたっぷり受けて伸び伸びと育てられました。
仕事で尋ねた現地のお嬢様を攫ってしまう父と一目惚れしてそのまま駆け落ちしてしまう母の自由さを存分に受け継ぎ、明るく自由に振る舞います。
一方で小さい頃に自身の容姿から多くの人の目を浴びた経験もあり、人一倍その場の空気を大事にする側面も持ちます。

プロフィールからは共通点なんて見当たらないような二人ですが、勿論なにも知らなかった自分が「なんだか相性がいいな」と感じただけの理由があります。
まずは本題の『美に入り彩を穿つ』を振り返る前に、二人の普段の台詞や行動から、それがどこにあったのか確認していきましょう。

■ 考え方

▷ 自然体に臨む

ススメ! シンデレラロード 池袋晶葉 第4話
シンデレラガールズ劇場 第1067話 頭を空っぽにして

まず最初に二人に共通するのは自然体という言葉です。アイドル活動を始めた後もフルートやファッションの勉強を続ける彼女たちはとても忙しない日々を送っています。
そんな忙しない日々を過ごしながらも気負わず、無理せず自分のペースで進むことを心掛けています。

▷ 楽しければおっけー♪

シンデレラガールズ劇場 第846話 スピード出し過ぎ注意!
2019年7月7日 デレぽ

フレちゃんはもちろんのこと、ゆかりちゃんも楽しければ大抵のことは水に流して受け入れます。というよりも多くの場合では喜びます。
また好奇心も強くだいたいのことは楽しく感じます。そのため、なにか目的を持って行動していても、楽しいことがあると次々と話題や目的そのものが変わっていきます。

シンデレラガールズ劇場わいど☆ 第273話
シンデレラガールズ劇場わいど☆ 第496話

ゆかりちゃんはそんな性格が影響してか、よく夜更かしをしてしまい寝不足になっていたりもしています。

ホーム・ルーム共通 昼会話

▷ みんなで!

[とんでいっちゃいたいの]宮本フレデリカ ホーム会話
『あいくるしい』 ED My Heart Choose This Way.

一人で楽しいことだってみんなで楽しみたい二人です。一足す一は二。一人で楽しいことが二つ集まれば二倍になるはずです。

[Tulip]宮本フレデリカ ルーム会話
[Kawaii make MY day ! ]水本ゆかり ホーム会話

また一人ではできないことがあることも知っていて、それを乗り越えられることにも喜びを覚えます。

[Tulip]宮本フレデリカ 特訓エピソード
[HARURUNRUN]水本ゆかり ホーム会話

LIVEはみんなで楽しいを共有できる瞬間です。本番であっても硬くなりすぎず自然体でいられるのは、人前に立つ緊張感以上に多くの人と楽しいを共有できることに喜びを覚えているからです。

宮本フレデリカ ホーム会話
水本ゆかり メモリアルコミュ1

アイドルとなってからこの気持ちはより一層強くはなっていますが、それ以前から洋服と音楽という形で誰かに届けようと行動をしていました。
二人にとって楽しいとは一人で完結することがなく、誰かと共有して初めて完成するとも言えるかも知れません。

■ 行動

▷ ノリがいい

シンデレラガールズ劇場わいど☆ 第420話
『Secret Daybreak』 1話 旅路のはじまり
[エアリアルメロディア] 水本ゆかり ルーム会話

楽しいことが好きなフレちゃんは大体のフリに全力でノってくれます。

ゆかりちゃんは楽しむことを重視していて、とても素直です。なので、取り敢えず意味が分からなくても楽しそうな雰囲気に同調してみます。

駄洒落には”額面通りに言葉を受け取る”ので、気付かずに真面目に返すことが多くなりますが、明らかにあり得ないと分かる嘘は楽しいことなので持ち前のノリの良さでノっかってきます。

▷ 最初の一歩

フレちゃんは初対面であっても積極的に声をかけてコミュニケーションを図ります。ゆかりちゃんは少し消極的で初めの一歩は躊躇います。
フレちゃんは相手が楽しいままでいられるように、踏み込まずに一歩引きます。ゆかりちゃんは仲良くなったなら積極的になります。

[クレイジークレイジー]宮本フレデリカ ルーム会話

ゆかりちゃんは走り出したら止まらないジェットコースターで、フレちゃんはそれを後ろから押すような感じです。正確にはフレちゃんは先を走りながら引っ張るので気づいたら追突されて、一緒に連れて行かれる感じですが。

ですので、ゆかりちゃんはいつもより積極的に、フレちゃんはいつもより遠くまで辿り着くことになります。


■ 『美に入り彩を穿つ』

ここまでで二人のどこに相性のよさがあるのか大まかに把握することができたと思います。
ここからはそれらを踏まえて本題の『美に入り彩を穿つ』を見ながら、貴重な公式の絡みから読み取れる二人の関係性を見て行きましょう。

■ 振り返り

▷ OP 〜I'm Home, KYOTO〜

塩見周子さんも自然体と評されたり、小早川紗枝さんははんなり(大衆的な用法)と言われることが多い二人です。自然体と言う部分では近しい4人でゆったりとした空気が好きですが、テンションには差が生まれていることが窺えます。
開幕から”楽しければおっけー♪””みんなで!”が見られる瞬間ですね。楽しいことは小さなものでも素直に喜ぶ二人です。親友と呼べる気の置けない相手がLIVEとなれば自分ごとのように嬉しく思ったはずです。そのテンションのまま嬉しいを分かち合いたいと思ったわけですが、相手は自分たちほどではなく空回りしてしまいました。
嬉しいけれど少しだけ消化不良、二人の初めての会話はこんな雰囲気の中から始まります。

ゆかりちゃんにとってはお友達のお友達と少し打ち解けるのに時間がかかりそうな間柄ですが、素直に心情を打ち明けています。どこか楽しいだけでない話しやすい雰囲気を感じ取ったのかもしれません。

フレちゃんは”みんなで!”を果たしながら場の空気を楽しい方向に導きます。ここのさり気ない「フレちゃんとゆかりちゃんの喜び爆発ユニット誕生!みたいな」で窺いを立てるところが上手ですね。「フレちゃんとゆかりちゃんの喜び爆発ユニット誕生!」だと、自分とゆかりちゃんが喜びを共有している状態です。もし、ゆかりちゃんの消化不良が小早川紗枝さんと喜びたかったという部分が強かった場合には、自分と喜び爆発ユニットが誕生しても嬉しくないことに配慮しています。
結果的にゆかりちゃんは誰かと楽しいを共有することが好きなので気にした様子もなくノってきました。小早川紗枝さんとならもっと嬉しかったのかもしれませんが、ゆかりちゃんとしては”みんなで!”が果たされ、さらに「どっかーん♪」という”楽しければおっけー♪”も貰えました。
先ほどとは打って変わって「そうですね」という同意と「どっかーん♪」の一言で十分とばかりに少ない言葉数からも満足度が窺えます。二人ともここまでの会話を終えて一人で盛り上がって消化不良気味になってしまっていた楽しいが共有され、しっかりと二人分になれました。

因みに『基礎フレデリカ語講座Ⅱ』で勉強できる『フレチャン笑顔学』に於いても「ふふー」は貴重であるとされています。フレちゃんの笑い声は主に「ふふっ」と「うふふ」時々「えへへ」で構成されています。「ふふっ」が悪戯心の混じった楽しいとき、「うふふ」が悪戯心より真面目なお姉さん力が強いとき、「えへへ」が恥ずかしさが混じったときにでてきます。
「ふふー」は「ふふっ」に近いものながら、続く言葉にも「♪」や「!」や「☆」がない様子からとても気が抜けていると思われます。したがってこの笑い方は「ふふっ」に混じった悪戯心の抜けて、ただ楽しさだけが残った状態だと推測されます。

また【喜び爆発ユニット(仮)】というユニット名もここで生まれました。

「まぁ、そこがあのふたりらしいんじゃないー?」とフレちゃんが話を戻したことで会話が流れずに済み、お友達自慢で会話に花を咲かせています。

ここで見逃せないのは「ふっしぎー」と「わんだほー」は『不思議』と『wonderful』なので、ノってこないゆかりちゃん力を窺えるところです。「どっかーん♪」は『どっかーん』なので意味はあまり分からないけど楽しかったところがゆかりちゃんに刺さったこと分かります。


▷ 1話 〜はらり絵巻を紐解いて〜

ここでも二人は登場しますが会話の時間軸がイベントより過去であり【羽衣小町】と【Rêve pur】の双方にまだ壁がある状態になっています。加えて二人の直接の会話も存在しませんので今回は割愛します。


▷ 5話 〜ろうろう、京を詠う〜

少し日付が進んでLIVE当日のできごとです。お友達の晴れ舞台を早く見に行きたい、待ちきれないほど楽しみ、それなら待たないで現場に向かってしまおう、という楽しいへ進む強い行動力が感じられます。
フレちゃんが二人で行動しているときに、自分一人の願望で本番前に突撃しようと決めて実行するとは考えにくいでしょう。一方でゆかりちゃんであれば本番前にお邪魔することに対して躊躇いがあったと思われます。したがって、ここへ来た時点で待ちきれない気持ちを共有した上で、フレちゃんから行ってダメなら諦めようと考え、提案しているはずです。

この推測を補足する裏付けとしてよく見ると、塩見周子さんの「フレちゃんじゃーん」に対して、ゆかりちゃんが「私たち」と代弁する形で答えていることが分かります。ゆかりちゃんにとって塩見周子さんとは寮仲間ではあるものの、基本的には小早川紗枝さんのお友達です。
にも関わらず代わりに答えているということは「本番じゃないよー?」に対して、フレちゃんと同じ回答を持っていることへの確信があったはずです。二人は当日に東京から京都まで出向いたことが濃厚ですから、この時間に楽しいことみんなでするのが好きな二人が話さないはずがありません。そして、その中で当日のLIVEに関して触れていることも確定的でしょう。

またいくら互いの考えが同じである確信が持てても、1話時点ではゆかりちゃんは代わりに答えたとは考えにくいでしょう。1話からLIVE当日までのやり取りは分かりませんが、京都へ来るまでの時間にお互いの理解も深まったことが推測されます。

そして自分は初めて読んだときには気づけなかった、とても”ゆかフレ”度の高い場面です。皆さんも頭の中を水本ゆかりさんにして考えてみましょう。
「息ぴったり。熟年ふーふみたいだねー」
既に何度も”言葉を額面通りに受け止めて”と言ってきたので気づきましたでしょうか。このときフレちゃんは「熟年ふーふ”みたい”だねー」と言っています。学校のお勉強以外に古典文学や戯曲にも明るいゆかりちゃんです。比喩表現に関してはむしろ人並み以上に理解があります。
その上でゆかりちゃんの答えを見てみましょう。
「ふふ、フレデリカさん、ふたりはまだお若いですよ。熟年なんて言ったら、失礼です。」
思いっきりボケています。それこそ自分が初めに抱いたあまり見ない姿なのでは? という疑問通りに珍しくです。
もちろん頭をゆかりちゃんにしたまま考えると「熟年ふーふ」のようだという比喩表現は理解した上で、「ふーふ」はよくても「熟年」に対しては失礼だと感じた可能性もあるのではないかという考えに至ると思います。
しかし、ゆかりちゃんは「ふふ」と初めに笑っています。本心で失礼だと思っている場合に彼女が笑うでしょうか? おそらく笑わないでしょう。
つまり、この場面の水本ゆかりさんは冗談にも参加できて滅茶苦茶嬉しそうということですね。

フレちゃんが誰のために「分からない」と言ったのかは諸説ありますので今回は深掘りせず、ゆかりちゃんに注目してみましょう。
【羽衣小町】の二人が漠然とした表現で感じ方の変化があったことについて話していますが、ここには理解を示していることが分かります。ここから”言葉を額面通りに受け止めて”もなお言葉が足らないような会話への推測能力は低くないことが分かります。


▷ ED 〜I'm Back, TOKYO〜

最後に冒頭でも触れたエンディングのコミュを見て行きましょう。
フレちゃんの「10時間くらいしか寝られなかったよ〜」に対して、ゆかりちゃんが”言葉を額面通りに受け止めて”心配しています。実はこの場面が『美に入り彩を穿つ』のなかで唯一ゆかりちゃんが天然でボケてしまった場面だと分かります。
ここまでゆかりちゃんを置いてけぼりにせずに”二人で” ”楽しんで”いたフレちゃんの気遣いと、天然でボケている場面がなかったことに気づけないくらい楽しそうだったゆかりちゃんに驚かされます。

そして沼に落ちたきっかけとなった場面です。改めて「シューコちゃん味だね〜♪」を”額面通りに受け止めて”あり得ないと判別のつく言い回しだと分かりますね。
また、素直で”みんなで!”なゆかりちゃんが「私も八つ橋を買ってきたんです」と同じものを買ってきたアピールをするのではなく、確信を隠す言い方をしていることからおかしさのほうを”みんなで!”共有したかったことが分かります。
そして、このおかしさに一番理解を示してくれそうなのは、なにを買うべきか考えながらお土産を買ったことを知っている人です。なので、このときおかしさを共有したかった相手は初めからフレちゃんだったようにも受け取れます。実際にノってくれたのはフレちゃんだけですからね。

二人で【羽衣小町】の二人をもう一度出迎てこのコミュでの彼女たちの出番は終わります。

イベントを通して、初めてながら終始楽しげな会話を見せてくれました。特にゆかりちゃんからは顔合わせから共有できなかった喜びを分かってくれる相手として始まった関係なこともあり、エンディングでは楽しいことなら共有できるだろうという信頼からふざけたようにも見えました。
そもそも、ゆかりちゃんが自分からおふざけをできるコミュはそれだけで貴重です(他にはススメ!シンデレラロード 赤西瑛梨華など)。加えてゆかりちゃんの天然な部分をあまり出さずに進んだコミュとなれば、その関係性が特別であると考えるには十分だったと言えるでしょう。


■ 補足

▷ ツッコミ不在空間

「どかーん♪」
「熟年ふーふみたいだねー」
「10時間くらいしか寝られなかったよ〜」

ここまで主にゆかりちゃんがどれだけ気づいているのかという観点から『美に入り彩を穿つ』のコミュを見てきました。ではフレちゃんはこの瞬間をどのように捉えていたのかについても少し考えてみましょう。

まずフレちゃんは楽しいことが好きでおふざけを口にしますが、別にそこにツッコんで欲しくて言っているわけではありません。ツッコミがなくてもその場がより面白い方向に運ぶなら構わなく、それどころか更に事態が加速することはむしろ歓迎すべき事柄です。
ですから「10時間くらいしか寝られなかったよ〜」のような場面では面白くはないでしょうが、「どっかーん♪」のように全く意味のないようなテキトーな言葉でもノっかってくれることは非常に喜ばしいことでしょう。

フレちゃんは空気を掴むのがとても上手です。ゆかりちゃんが天然でボケてしまう場面は二人の会話では見られません。一方でそんなに面白いことを言ったつもりでなかったはずの「どっかーん♪」にこれほど喜んでノってくれることは彼女にとっても予想外で刺激的であったと思われます。

したがって、フレちゃんとしては「素直でアタシの言ったこと全部信じちゃうけどなんだか普段と違うところでノってくるしゆるくて楽しい雰囲気は好きみたいだから全部まとめてよくわかんないけど”楽しければおっけー♪”」ということになったでしょう。

▷ お土産

次にお土産の八つ橋を渡すシーンについての補足です。振り返りの場面で他の画像を挟むと邪魔になる気がしたのでここで追記します。

[巡り巡るシンフォニー]水本ゆかり ルーム会話

ゆかりちゃんは後にこんな台詞も口にしています。ですので、一緒に京都で行動していたフレちゃんとも事前になにを買ったのかは共有している、どころか一緒にお土産を買いに行った可能性が高いと推測されます。

因みにこの八つ橋を選んだことも、理由はどうであれ彼女なりに考えた結果の選択肢だったはずです。

シンデレラガールズ劇場 第1067話 頭を空っぽにして
[想いのアンサンブル]水本ゆかり ルーム会話

お土産は自分の思いを込めることで相手に喜びを届けられる、楽しいみんなでも詰まった素敵なものですから。


■ もう一つ先に

ここまでは比較的分かりやすい表にでる彼女たちを追ってきました。二人はなんだかゆるく楽しそうでうまくいっていました。では二人はただゆるくてなんだか楽しいだけなのでしょうか?
346プロダクションには190名ものアイドルがいます。それこそ”みんなで!”があって”楽しければおっけー♪”が達成されるだけでよいのなら、他にもたくさんのアイドルがいるはずです。
そんな中で”ゆかフレ”こと【喜び爆発ユニット(仮)】のオタクはなにを見出しているのでしょうか。ここからはさらに深く二人の性格を掘り下げて、表にでる比較的分かりやすい部分以外を探っていきたいと思います。

■ 考え方

▷ 『自然体』ってなに?

二人ともこの言葉を気に入ってはいますが、実のところ彼女たちは自ら自然体という言葉を使うことは多くありません。冒頭の二枚の画像も他の人から評された言葉であることが分かります。

ススメ! シンデレラロード 池袋晶葉 第4話
シンデレラガールズ劇場 第1067話 頭を空っぽにして

なぜ二人がこの言葉を使わないかというと他により適切に表現する言葉があるからです。自分たちで同じような表現する場合には、フレちゃんは”テキトーに”と、ゆかりちゃんは”自分らしく”と表現することが殆どです。

では彼女たちが”テキトー””自分らしく”と表現する自然体とはどのようなものなのでしょうか。
早速、過去の言動を見ていきたいところですが、言葉を解釈していくにあたりまず重要なことは正確に捉えることです。色々と考えた後で自分の認識が一般的な解釈とズレていては問題が生じてしまいます。ですので、ゆかりちゃんに倣って辞書を取り出し調べましょう。

ストーリーコミュ 第59話 A Little Bird Wish

しぜん‐たい【自然体】
1 剣道などで、両足をわずかに前後または左右に開き、無理のない形で立った姿勢。
2 気負いのない、自然な態度。

https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E8%87%AA%E7%84%B6%E4%BD%93/

自然体と聞くと思わず浴槽でぷかーと寛いでいるような姿を思い浮かべてしまいますが、必ずしも安定的で動きのない状態ではないことが分かります。

むしろ彼女たちは自然体ですが高い向上心を持ち、現状に甘んじない進歩的な考え方をしています。

[ソレイユ・エ・リュヌ]宮本フレデリカ ルーム会話
[HARURUNRUN]水本ゆかり ルーム会話
[音色を抱きしめて]水本ゆかり ルーム会話

一つの挑戦に成功すれば新しい挑戦をしたいと意気込みます。進む方向が常に前とは限りませんが、自分が素晴らしくなれることを夢見て歩き続けます。

宮本フレデリカ ホーム会話
[ソレイユ・エ・リュヌ]宮本フレデリカ ルーム会話
[フレ・デ・ラ・モード]宮本フレデリカ ルーム会話
[クレイジークレイジー]宮本フレデリカ ルーム会話

フレちゃんはアイドルになっても自分のブランドを設立する夢を忘れたことはありませんし、自身のアイドル活動を通して少しずつその夢に近づいています。
みんなを楽しませようと行動することも、その場に満足せずもっとよいものを目指そうとする姿勢の現れです。

水本ゆかり 特訓エピソード
[クラシカルハーモニー]水本ゆかり 特訓エピソード
[音色を抱きしめて]水本ゆかり ホーム会話

ゆかりちゃんは小さい頃から憧れたものがあり、それを叶えるために行動します。それは例えば、純粋に可愛くなりたいという願望だったり、自分だけの音楽表現を見つけたいといったものです。

彼女たちは高く遠いところに”なりたい自分”を定め目指しています。それは彼女たちのありのままの姿からは遠いものです。ですがそれは彼女たちが憧れる姿であり、そこには今の自分よりも楽しく幸せなものがあると信じています。だから二人は迷いなくその姿を追いかけます。

[HARURUNRUN]水本ゆかり ホーム会話
[とんでいっちゃいたいの]宮本フレデリカ ホーム会話

ですが彼女たちはその進歩を決してストイックにこなさず、”テキトー””自分らしく”進めます。未来が楽しく、素晴らしいものであるから今の自分たちが目指したい。その目指した場所に最後に立つのは自分自身です。最後に楽しく、素晴らしいものであるためには、そこに辿り着くまでに楽しさや素晴らしさを失ってはなりません。
ですから、彼女たちはそこへ至る道のりも辛く苦痛を感じるものであってはならないと考えています。道のりを楽しんで、一歩一歩でも進めれば必ず辿り着くと信じています。

[フレ・デ・ラ・モード]宮本フレデリカ 親愛度200

てき‐とう〔‐タウ〕【適当】
1 ある条件・目的・要求などに、うまくあてはまること。かなっていること。ふさわしいこと。また、そのさま。「工場の建設に―な土地」「この仕事に―する人材」
2 程度などが、ほどよいこと。また、そのさま。「調味料を―に加える」「一日の―な仕事量」
3 やり方などが、いいかげんであること。また、そのさま。悪い意味で用いられる。「客を―にあしらう」「―な返事でごまかす」

https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E9%81%A9%E5%BD%93/

フレちゃんはなんかいい感じのこと、テキトーで適当なことが好きだと言っています。適当とはふわさしいことやほどよいことを含んでいます。

[音色を抱きしめて]水本ゆかり 親愛度200

アレグロ・モデラート(Allegro moderato)
【意味】クラシック音楽などで使われる「Allegro moderato(アレグロモデラート)」は、速度記号の中の1つです。イタリア語でほどよく速くという意味の言葉になります。

https://acro-musicschool.com/blog/etc/music_dictionary/allegro_moderato.html

ゆかりちゃんは自分の好きなテンポをアレグロ・モデラートと言っています。アレグロ・モデラートとはほどよく速くという意味です。

目指すものに向かって”ほどよい”速さで”前へ進む”。これが彼女たちの自然体です。


▷ 『楽しく』ってなぜ?

自然体の部分でも触れたように彼女たちは向上心が高く、進歩的ですがストイックなわけではありません。むしろどちらかと言えば反対の快楽的で、刹那主義のようなニュアンスが存在します。
例えば、お友達と話しすぎちゃったり、夜更かしをしてしまったり、散歩で寄り道をしてしまったり、と目の前の楽しさを感受して、その分の自分を追い込む努力を後に回しがちです。

[小悪魔メイド]宮本フレデリカ ルーム会話
ホーム・ルーム共通 昼会話
[素顔のお嬢様]水本ゆかり ルーム会話

高い向上心と刹那的な部分が両立するのは純粋に自分の進歩そのものが楽しいことに起因しています。自分が前に進むことが楽しくて、ときどき他の楽しさに流され離れても、自分が前に進むことが好きだからまた戻ってきて挑戦してみます。そんな楽しみながらどんなことでも前向きに取り組もうとする姿勢で、少しくらいの障害ならいずれ上回ってしまいます。

[Tulip]宮本フレデリカ ルーム会話
[素顔のお嬢様]水本ゆかり ホーム会話

そんな彼女たちを支配していると言ってもいい楽しいはどこから生まれてきたのでしょう。”楽しければおっけー♪”なのは、楽しいことが特別であることを理解しているからです。特別とは相対的なものであり、特別以外を理解して初めて認識できます。つまり彼女たちにとって楽しくなかった瞬間が楽しいへの理解と欲求を深めたことになります。
では彼女たちの楽しくないはどこにあったのでしょうか。これは彼女たちを形作った境遇、幼少期にあります。

[リュミエール・エトワール]宮本フレデリカ 特訓エピソード

フレちゃんはフランスにいた幼少期は大人しい子であり、そこから日本に移り住んでから明るい子になったと明言されています。
彼女は明るくこのことを話していますが、おそらく学業を考えて小学校に上がるタイミングで日本へやってきたと考えられる状況です。そこで今まで見たこともないような、まるでお人形さんのような金髪の女の子が置かれる状況は想像に難くありません。
まだ相手を気にするようなことは難しい年頃の子ども達から、遠慮なく興味の対象となってしまったはずです。そんな境遇に置かれれば、大人しい子でいることを許されなくなってしまったのでしょう。
この劇的な環境の変化は彼女をありのままでいさせてくれませんでした。自分の立場を意識し、自分以外を考え振舞うことを覚えたことが想像されます。
それでも彼女はその中で、いーっぱい話して、自由で、笑顔をくれる今の彼女になりました。それはきっとありのままでいられなくなったときに、自分の楽しいと周りの求める姿を両立した、幼いながらに描いた”なりたい自分”だったのでしょう。

水本ゆかり ホーム会話
『Secret Daybreak』 1話 旅路のはじまり
水本ゆかり 特訓エピソード
[巡り巡るシンフォニー]水本ゆかり 親愛度200

ゆかりちゃんは”それなり”の教育を受け育ったと口にしています。お稽古ごとが多かったと言っていますし、どのようにあるべきか理想とされる姿も聞かされて育ちました。
結果として彼女は幼いながらに自分の意思ではなく、親の期待に応えることを覚え、自分の立場というものを意識するようになりました。
自分の感情と向き合う前にその振る舞いがどう映るのかを考える彼女は、楽しいと思えることや興味を惹かれるものがあっても、自分の立場と照らし合わせて、それが相応しくないとなれば自分の考えを引っ込めるような子どもでした。
その中でフルートのような自分の楽しいと相応しい姿が重なるものは多くはなかったと考えられます。楽しいを我慢する、小さな楽しいを大切にする彼女の考えはこの幼少期が作り上げたと言えるでしょう。

[アベニュー・モード]宮本フレデリカ 親愛度600
[巡り巡るシンフォニー]水本ゆかり ルーム会話

”楽しければおっけー♪”の切り替えの早さには、自分こそを周りに合わせ、瞬間をどう捉えるかという彼女たちの心が反映されています。

[ソレイユ・エ・リュヌ]宮本フレデリカ 親愛度400
[巡り巡るシンフォニー]水本ゆかり ルーム会話

そして瞬間を大切にした結果、彼女たちは心の感じたままであることに対しても強いこだわりを持ちました。二人にとって自分は全ての瞬間で、自分はこうあるべきという枷はなく、感じたまま、その時々が全て自分です。
どう見られるか、どう見せるかという感情は存在しますが、どう感じたかを自分自身に偽ることはしません。
したがって、彼女たちを知るためには見え隠れするホントウを探し出すのではなく、ホントウでない瞬間も含めた全てを認めてあげる必要があります。

2022年12月23日 デレぽ
2021年8月4日 デレぽ

楽しくしたいのはそうでなかった経験があり、今の大切さを知っているからです。


▷ 『みんなで』って誰のため?

学校や両親という身近な生活環境の中で彼女たちは幼いうちから自分の立場というものを意識するようになりました。
しかし彼女たちはとても優しく、素直な子であり、ここで現状に対して卑屈にならずに物事を前向きに捉えようとしました。自分の感情に対して思うところはあっても、自分の境遇に対して不満を覚えることはなかったのだと思います。
彼女たちは望まれた自分の姿に対して不満を溢すのではなく、その姿に近づこうと、あるいはもっと割り切って演じようとしました。

[ラビューダ♡トライアングル]宮本フレデリカ 親愛度100
[素顔のお嬢様]水本ゆかり ホーム会話

このような背景には裕福な家庭であっただけでなく、おそらく一人っ子であり、強い愛情を受けて育ったことも関係していると思われます。
二人は幼い頃から愛情や優しさを受ける喜びを知っていました。そしてまたそれを与えられた自分の振る舞いも大きな影響を与えることを感じ取っていたのだと思われます。
例えば、よくある親戚の集まりで、あるいはもっと小さな自分の好きな料理を分けてくれたときに、自分が振る舞い一つで家族が喜んでくれることを理解できたのでしょう。

水本ゆかり メモリアルコミュ5

ですから彼女たちは少しの我慢を自分たちに課しました。自分たちが受けた愛情と同じように優しさを大切な人たちに分け与える。それがきっと喜びに変わると考えたのだと思われます。

[エアリアルメロディア] 水本ゆかり ルーム会話
[とんでいっちゃいたいの]宮本フレデリカ ルーム会話

幼い頃から我慢することを覚えてしまった二人は、今でも自分の感情を表に出すことを躊躇ったりしてしまいます。
しかし一方でそのおかげで得たものもちゃんとあります。フレちゃんは自分を積極的に変えることでできたお友達が、ゆかりちゃんは音楽を通じて誰かと大きなものを作り上げる経験が、我慢するだけでない楽しさを教えてくれました。

[クレイジークレイジー]宮本フレデリカ 親愛度50
[Kawaii make MY day ! ]水本ゆかり 親愛度300

彼女たちにとって誰かのために望まれた自分を見せることだって、胸を張って誇れる自分にとって嬉しいことです。二人には誰かのためであることだって”なりたい自分”に含まれています。

ともすれば自分たちを蔑ろにしているような考え方であっても、彼女たちはそんな考えを捨てることはしません。なぜなら彼女たちにとって全てが自分で、ここまでの思い出も、生き方も、過去の自分が頑張ってきたことだから、否定することもされることもして欲しくありません。

[シャノワール・ヴォヤージュ]宮本フレデリカ 親愛度400
[シャノワール・ヴォヤージュ]宮本フレデリカ 親愛度600
[音色を抱きしめて]水本ゆかり 親愛度600

彼女たちは決して自分たちを蔑ろにしているわけではなく、むしろその言葉からは過去の自分たちに対する優しさが見られるはずです。

また、おそらく一人っ子であり、愛情を受けて、大切に育てられたことはアイドルになって生かされてもいます。二人は良くも悪くも自分の振る舞いが周りに大きな影響を与えることを、つまり自分の価値を知っています。

宮本フレデリカ メモリアルコミュ3
[HARURUNRUN]水本ゆかり ホーム会話

ですから、ステージの上では自信を持って堂々と振る舞います。

みんなではみんなのためであり、自分自身のためでもあります。


■ 感性

▷ 『奥行き』を考える

[さざ波の花嫁]水本ゆかり ホーム会話
[ルガール・エスティヴァル]宮本フレデリカ 特訓エピソード

一見、穏やかである海を見て二人は心のようだと感じました。それは表面に見える穏やかさを見て感じたのではなく、そこにある動きや裏側を含めそう感じました。
裏側を知って、それを怖いとかそれこそが本質であると捉えずに、両方を含んで本当と捉える。ここには過去から育まれた全てが大切で、物事を表面的に捉えずその内側までを考慮する二人の考え方が見てとれます。

ゆかりちゃんは素直で言われればその通りを信じますが、同時に感性豊かな音楽家であり言われなければ深く観察して考える能力があります。

[HARURUNRUN]水本ゆかり 親愛度300

望まれた自分を演じる部分があるからこそ、相手の見えている部分以外にも考えを巡らすことができます。

この部分は非常に可能性に満ちています。フレちゃんは基本的には自分のことを詳しく話したがろうとしません。でも自分を話したがらないということはゆかりちゃんは自分で観察して、考えて答えを見つけるだけの時間があるということです。
ゆかりちゃんは自分の感性を基準にして物事を考えることも多い訳ですが、二人は根本的な”みんなで楽しく”という考え方も、その性格が作られたきっかけにも近しいものがあります。したがって、考え方を根本的に見誤り的外れな答えを出すことは非常に低いだろうと推測されます。
その上で裏側を見て本質として捉えるのではなく、それも含めての本当という考え方も共通しています。相手の裏側を考えて、だからと言って表に現れる部分を蔑ろにするようなことはないでしょう。

[クレイジークレイジー]宮本フレデリカ ホーム会話

例えば「いまのアタシはなんでしょう?」なんて聞かれたら素直にそれを受け止めて、自分なりの答えがでるまで真剣に考えてしまうはずです。軽口一つでフレちゃんを深く知ることができると思います。

答えを与えるとそれを受け入れてしいますが、答えがないと自分で探るゆかりちゃんです。自分の全てを話したがらないフレちゃんという存在は、却ってゆかりちゃんの理解を深めることに繋がるはずです。

▷ 『ウソ』と『ホントウ』

ストーリーコミュ 第30話 Every Day is a Good Day

フレちゃんはどこまでがホントウか分からないと評されます。ここまでに彼女自身はウソもホントウもどっちも自分と考えているということには触れましたが、周りからどのように見られているのかは異なります。
彼女の気遣いに気づいているような塩見周子さんでも難しいその境界を、果たしてゆかりちゃんは見分けることができるのでしょうか。

[アベニュー・モード]宮本フレデリカ 親愛度600

フレちゃんは自分の発言を思いつきと教えてくれています。

おもい‐つ・く〔おもひ‐〕【思い付く】
1 ある考えがふと心に浮かぶ。考えつく。「いいアイデアを―・く」
2 忘れていたことを思い出す。「急用を―・く」
3 思いを寄せる。好意をもつ。恋い慕う。 「頗 (すこぶ) る付きの別品、加之 (しか) も実のあるのに―・かれて」〈二葉亭・浮雲〉

https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E6%80%9D%E3%81%84%E4%BB%98%E3%81%8F/

思いつくとは”考えていないこと”ではなく”考えているものも考えていないものもある”という意味です。
例えば、気まぐれにフランス菓子の名前を叫ぶとき、鼻歌を歌っていたとき、自分でお洋服のデザインを考えてなにか閃いたとき、唐突な悪戯や、場を和ませる楽しいウソであっても思いつくと表現できます。

彼女の発言には確かにウソとホントウが混在しています。ですがその発言は常に楽しい、よい方向に進みそうという感性のままに出てきたアイディアを形にしているだけに過ぎません。フレちゃんにとってウソかホントウかは手段であり、大切なのはどのような方向に向かっているかです。

ゆかりちゃんは相手の言葉を疑うようなことはしません。そんなゆかりちゃんにとってフレちゃんのホントウの言葉はウソに紛れたものではなく、初めからホントウの言葉です。ウソにも気づかずホントウになってしまうとしても、それはウソとホントウを完璧に見抜ける人と同じくらいに彼女のホントウを見つけるのが得意と呼べるはずです。
また全てを冗談と捉えずに真面目に拾い上げるゆかりちゃんは、誰よりも彼女のウソに対して真剣に向かい合うことになります。その全てを真面目に受け取って真剣に考えてしまう子は、むしろ誰よりも深く彼女を知ることができるとも言えるのではないでしょうか。
そしてゆかりちゃんは楽しいことが好きです。ウソであってもそれが楽しいものなら決して下らないことではなく、大切なことに変わります。常に楽しいを考え、退屈なホントウは楽しいウソにして思いつくまま溢していくフレちゃんにとって、それはウソとホントウに気づいてくれることと同じか、それ以上に喜ばしいことに思えます。誰よりも彼女のウソを楽しんでいるわけですから。

[クレイジークレイジー]宮本フレデリカ ルーム会話

加えて、フレちゃんはウソとホントウを見分けられることを怖いと評しているようにも見えます。ウソとホントウを区別せずにその全てを考えてしまうような子は、もしかしたら本当になによりも嬉しいことかも知れません。

■ 総評

二人はどんなときでも”みんなで” ”楽しく” ”ほどよく” ”前へ進む”ことを目指します。楽しんで、それを共有して、でも立ち止まっていてはダメで、だからといって急いで無茶をしてもいけません。目指す場所や方法は違っても考え方や感性は非常に近しいものがあります。
また最初の一歩を踏み出すのが苦手なゆかりちゃんと、最初から積極的なフレちゃんであり、あんまり自分のことを話したがらないフレちゃんと、答えを与えられなければ自分なりに答えを見つけ出すゆかりちゃんです。互いに人と打ち解ける際に問題となるはずの部分も大きな障害になることはないでしょう。
彼女たちの内面を紐解いていくと、もはや二人が「なんだか相性がよさそう」なんて思ったことのほうが不思議と言えるでしょう。

現在の『美に入り彩を穿つ』を終えた時点では表面上はボケにボケを重ねながら、”楽しいと思える瞬間””それを共有できる”ことが満たされ、意味のないような会話を交わし合うこと、それ自体に意味があるといった状況です。
なので二人にとってなにが重要で、なぜそうなっているのかをお互いに理解しているわけではありません。一度きりの邂逅、それも主役ではなくサブとしての絡みであったことから、こればかりは今後の進展に期待する他ありません。

しかし、やり方は違えど、目指すものは違えど、彼女たちなら直ぐに二人なりの進み方を見つけて一緒に進むことでしょう。それが”みんなで” ”楽しく”ということですから。


■ 最後に

彼女たちは頑張らなければ物足りなくて、頑張りすぎれば楽しくなくなってしまいます。自分の全てが大切で認めて欲しいと思っていますが、今の自分では物足りなくて、今以上を目指して変わることも認めて欲しいと思っています。
楽しいだけに見えて意外と真面目だったり、真面目に見えて意外と楽しかったりします。空気が読めないようで実はとても読めていたり、言葉を聞けば素直に信じてしまうのに、なにも言わなければ意外と観察力が高かったりします。
二人はホントウを言えば曖昧ではっきりしない境目にいたりします。二人はホントウを言ってしまえばワガママで欲張りだったりします。けれど、彼女たちはそんな自分を隠して過ごしています。それが望まれた自分で、”なりたい自分”の姿だからです。

ゆかりちゃんがLIVE以外でこんなにも”みんなで” ”楽しい”を共有できることは多くはありません。フレちゃんが自分のホントウウソも話せちゃうような相手はまだいません。
望まれた自分は相手によって、場所によって大きく変わります。二人がもう少し深くお互いを知ったとき、その姿は今と同じままなのでしょうか。
叶ったのはまだ半分だけです。願わくばこの先で二人の道が再び交わることを信じて、今はただ待ちたいと思います。

それでは最後まで目を通していただいた感謝を結びの言葉に変えて、徒然と書いたこの文章も終わろうと思います。ここまで目を通しただき、ありがとうございました。


■ おまけ

長いスクロールバーを手繰りここまで、お疲れ様でした。せっかく5年間も煮詰めたオタクの書く文章なのに真面目なだけでも退屈ですので、いくらか公式の絡みや解釈を超えた妄言を置いておきます。
ゆかフレに興味を持った方は妄想の助けに、この程度の文量では読み足りなかった方には小匙いっぱい分くらいの足しですがよければ目を通していってください。
おまけなので中身は駄菓子くらいの気軽さで書いてあります。

▷ 実質ゆかフレだから!

二人の『美に入り彩を穿つ』以降の二人の絡み(?)です。これを覚えておけばシンデレラガールズ スターライトステージ内での絡み(?)は全て知っていると豪語できます。

・2018/12/21

2018年12月21日 デレぽ

初めての共演から11ヶ月後の年の瀬のできごと。安斎都探偵事務所のメンバーとして助手2号としてゆかりちゃんが、自称助手3号としてフレちゃんが集まりました。同じレスポンスに反応する場面もあったものの、直接の遣り取りは見られずに終わりました。

・2019/03/25

シンデレラガールズ劇場わいど☆ 第103話

[音色を抱きしめて]水本ゆかりの実装時の劇場わいどの1コマ。ゆかりちゃんの夢の中でうえきちゃんが登場しました。睡眠に関係性があるアイドルが並ぶ中で全く関係のないうえきちゃんが紛れ込んでいるので、これはかなり濃厚なゆかフレです。

・2020/1/31

[想いのアンサンブル]水本ゆかり 実装時の紹介ツイート画像

バレンタインキャンペーン期間中にバレンタイン衣装のゆかりちゃんが実装されました。2月14日はフレちゃんの誕生日なので、これも実質ゆかフレです。

・2021/12/08

THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS STARLIGHT MASTER GOLD RUSH! 13 Secret Mirage

初めて同じCDに歌唱曲が載りました。実質一緒に歌ったようなものなので多分ゆかフレです。嘘です。ようやく【Rêve pur】にユニット名と歌が来て嬉しいです。また何の縁かユニット名がフランス語でした。


▷ このMVを見て!

①Happy New Yeah!

[ハピネス・エール]

【メロウ・イエロー】&【レイジー・レイジー】で楽しく踊るMVです。MV内でも絡みは少ないけどお友達も楽しそうで嬉しくなっちゃう”ゆかフレらしさ”を感じられます。
『明日また会えるよね』などで交流のある有香ちゃんだけでなく、年上のちょっときつめなお姉様に対して積極的な法子ちゃんがいるのでモバマスの拡大ユニットとかで来て欲しいなーと約5年間くらい思っていました。

②凸凹スピードスター

[エアリアルメロディア]水本ゆかり [アベニュー・モード]宮本フレデリカ

恒常SSR衣装同士の組み合わせです。女神モチーフの白い衣装と小悪魔モチーフの黒い衣装がいい感じに凸凹感を強調してくれます。
歌詞だけでなくわちゃわちゃした動きなどからも、よく分からないけどなんだか楽しいゆかフレらしさを感じられます。

③幸せの法則 〜ルール〜

[エアリアルメロディア]水本ゆかり [フレ・デ・ラ・モード]宮本フレデリカ

しっかりと沼に沈んだオタクに刺さるMVです。先ほどと同じ正反対の白と黒の衣装ながら、髪の編み込みやブレスレット、胸元のフリルや金の差し色で纏められたコーディネートがそこはかとなく統一感を感じさせてくれます。
また向かい会ったときにゆかりちゃんの月桂樹の髪飾りとフレちゃんの編み込みが鏡写しのようにも見え、歌詞に対しての親和性も得られます。
フレちゃんの衣装が限定ですが、普通にどんな衣装であっても手と手を取り合っている瞬間の「ねー」って言いながら感情を共有していそうな動きが延々と見ていられるほど良いので是非見てください。


▷ フレちゃん味を感じて!

ツッコミを期待されるようなボケには気づかなくても、フレちゃんのテキトーな楽しい言葉には反応するゆかりちゃんです。そんな彼女は当然のようにフレちゃんに近しい感性を持っているので、テンションが上がるとノリで生まれたような楽しい台詞を零してくれます。
今回はその中からいくつかの台詞を用意して、ゆかりちゃんのテンションが上がったときの台詞だいたいフレちゃんに置き換えても違和感ない説を唱えていきたいと思います。


ゆかり「髪がぴょこぴょこ弾んでますか? ええ、心もぴょこぴょこですから♪」

フレデリカ「髪がぴょこぴょこ弾んでるー? 心がぴょこぴょこだからねー♪」
ゆかり「バレンタインの幸せ、お届けします! 今の私は、ハッピーゆかりです」

フレデリカ「バレンタインの幸せ届けちゃう⭐︎ 今の私は、ハッピー宮本です」
ゆかり「私のことはプリンセスゆかりと呼んでください。長ければ、いつも通りで」

フレデリカ「私のことはプリンセスフレデリカと呼んでくれたまえ。長ければいつも通りで〜♪」
ゆかり「偉大な先人達の声が聞こえたんです。やっちゃいなさい、ゆかり、って♪」

フレデリカ「遠い先輩達の声が聞こえたんだ。やっちゃえー、って♪」

2~4枚目と同じような言い回しは実際に使ってもいます。

フレデリカ「アタシは、クール…。そう、クールミヤモトと呼んでちょうだい…」
フレデリカ「声が聞こえたんだ。フレチャン、コッチダヨって。日本語でよかったー」


▷ 会話を妄想しよう!

ここまでを読んで文字や漫画でよさを広めたいと思ったそこのあなた!
今からでもたった4つのパターンを覚えれば、今日からあなたもゆかフレマイスターを名乗れます!

パターン① どっかーん♪するとき

①フレちゃんがテキトーな言葉を口にします
②ゆかりちゃんがなんだか面白かったのでノっかります
③フレちゃんがなんだかノってきてくれたので喜びます

パターン② 周りが置いて行かれるとき

①フレちゃんがボケます
②ゆかりちゃんが”額面通りに受け取り”気付かずにボケを重ねます
③周りが困惑します
④フレちゃんが気にせず会話を続けます

パターン③-① 二人でボケる

①フレちゃんがボケます
②ゆかりちゃんがあり得ない状況に気付いて、でも面白いのでノっかります
③二人で喜びます

パターン③-② 二人でボケる

①ゆかりちゃんが分かりにくくボケます
②フレちゃんが気づいて拾います
③二人で喜びます

パターン④ 普通にお話し

①普通にお話しします
②二人で感じたことを共有できて楽しくなります

ゆかりちゃんは”額面通りに受け取り”違和感があるものに関してはボケだと理解できます。ウソとホントウを織り交ぜ楽しい会話を妄想しましょう!


▷ お洋服を考えよう!

ここまでを読んでイラストや漫画でよさを広めたいと思ったそこのあなた!
二人に見繕ってあげるお洋服に困ったら、ここにある〇〇診断を添えて検索をしてみるとイメージの具体性が掴みやすいかもしれません。

水本ゆかり

[巡り巡るシンフォニー]水本ゆかり

パーソナルカラー:イエベ春 / Light
顔タイプ:クール
骨格:ウェーブ

衣装のデザインに困ったら顔周りにはすっきりとした直線を多くして、幼くなりすぎなくするといいと思われます。骨格的には可愛い服も着られるのでフリルなどを選ぶ場合には少し低い位置にします。
色は暗く沈みすぎるものは避けたほうが綺麗に映ると思われます。例えば広い面積に黒を使いたい場合にはネイビーに変更するなど少し明るくします。

宮本フレデリカ

[フレ・デ・ラ・モード]宮本フレデリカ

パーソナルカラー:イエベ春 / Vivid
顔タイプ:アクティブキュート
骨格:ウェーブ

フレちゃんが自分の骨格に似合わない服を着るとは思えず、積極的に肩を出していってることからおそらく骨格はウェーブだと思われます。しかし、上半身の凹凸もしっかりとしているようにも見えるのでハイブリット気味な感じもあります。
お洋服の形に困ったらお顔周りに丸みのあるラインを中心にしながらも、はっきりとした印象に負けないようにどこかにワンポイント崩しをいれるといい気がします。
色ははっきりとした色ならどんなものでも似合います。淡い色、沈んだ色を使いたい場合には印象が沈みすぎないようにどこかにアクセントとなるハッキリした色があるとよいと思われます。

なんだかんだ言っていますが二人とも似合うお洋服の範囲は広いので、細かいことは気にせず似合うと思った直感を信じてテキトーで大丈夫です!
あくまでも「なにも浮かばないよー!」というときに参考程度に使用してください。


改めて、ここまで目を通していただきありがとうございます。頂いた時間を経て一つでも”楽しい”が増えたことを願っています。


※ 参考文献


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