飯山陽氏・池内恵教授の対立 事実関係を追う 1

この記事は、動画サイト「YouTube」に「飯山陽のいかりちゃんねる」を開設している飯山陽氏と、東京大先端科学技術研究センターの池内恵教授の対立について、一連の経緯をまとめたものです。事実関係を証拠をもとに明らかにすることが目的であるため、説明的な部分は最小限に絞り、筆者自身の意見も極力排しています。

飯山氏と池内教授のスタンス

飯山氏はイスラム思想研究者兼アラビア語通訳(新潮社の著者プロフィールより)であり、イスラム法学関連の論文で東京大の博士号を取得。現在は麗澤大国際問題研究センターの客員教授も務めています。「HANADA」「WILL」などの保守誌に主に寄稿するほか、扶桑社などから多くの著書を刊行。YouTubeではチャンネル登録者数 17.1万人を獲得し、日本保守党幹部や同党に近い論客との共演が多くみられます。イスラム教には批判的で、2023年10月7日に始まったガザ紛争では、イスラエル支持・ハマス徹底批判のスタンスです。

一方の池内教授は、「グローバルセキュリティ・宗教分野」を研究分野とし、東京大先端科学技術研究センターでシンクタンク「創発戦略研究オープンラボ(ROLES)」を主宰しています。専門はイスラム政治思想と中東政治で、新潮選書、文春新書などから著書を多数刊行。近年はROLESを若手研究者の活躍の場とすることに注力しており、小泉悠氏、山口亮氏などの人材を輩出しています。ガザ紛争ではパレスチナ問題の経緯を踏まえつつ、ハマスの奇襲、イスラエルのガザ攻撃の双方を批判するスタンスです。

飯山氏の須賀川記者批判

先述の通り、飯山氏は10月7日のガザ紛争開始以来、YouTube動画などを通じてハマスを徹底的に批判。その中で、日本の中東研究者やジャーナリストも批判の対象となっています。
筆者が把握している最初のケースが、TBSの須賀川拓記者への批判です。

以下、該当箇所の一部を引用します。

■2023年10月8日配信 「【ハマスって?!】TBS、日経、毎日のトロ支援を許すな」

23:54
ずっとロンドンに住んでたけど、なぜか中東支局長と名乗ってる。

たまにポンと取材に行くわけ。中東にね、それこそ、パレスチナとか、あと、この人は、アフガニスタンとか、そういうところに行って何をするかというと、「この人たちは虐げられた弱者だ」というふうに言うわけ。パレスチナに行って、「この人たちは可哀想な人たちなんだ。イスラエルに抑圧されている可哀想な人たちなんだ」というふうにひたすら擁護する

25:49
今、起こっている現場を俯瞰して見れる俺すげー、俺、中東支局長、ロンドンに住んでたけど中東支局長でむっちゃ経験あるから、俺、全部わかってるから、というそういう視点

28:12
この武装しているトロリストを擁護して、というのが、これがこの人の姿

2023年10月8日配信 「【ハマスって?!】TBS、日経、毎日のトロ支援を許すな」より

このような形で、約15分にわたり批判を繰り広げました。

余談:須賀川記者の実績

なお、TBSは中東には拠点を置いておらず、ロンドン支局長が兼務する形になっているようです。会社の仕組みがそうなっているだけなので、須賀川記者個人を批判するのは当たらないのではないでしょうか?

TBS支局網
https://www.tbsholdings.co.jp/ir/stakeholders/82_2/pdf/tbs82_2_24_26.pdf

須賀川記者本人もYouTubeで「会社の事情。エジプトにあった支局が無くなったので」と説明。中東の特定の国に居住すると、国どうしの関係性の複雑さにより「行ける国、行けない国」が出来てしまうことも理由だそうです。

中東支局長時代にイギリス・ロンドンに住んでいたのはなぜ?
https://www.youtube.com/shorts/zj7cCrMf-N4

以下リンクは須賀川記者の取材経歴の一部です。これをどう判断するかは読者諸賢にお任せします。

須賀川記者 レポート実績
https://newsdig.tbs.co.jp/list/reporter/%E9%A0%88%E8%B3%80%E5%B7%9D%E6%8B%93/detail

ガザ紛争勃発直後に現地に入り、ガザ至近からレポートしていたことも確認されています。



飯山陽氏・池内恵教授の対立 事実関係を追う 2に続きます。


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