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ハイオク燃費、ホントはどうなの? 「同品質」なのに石油元売り各社の宣伝まちまち

石油元売り各社などで作る業界団体「石油連盟」のトップが「各社のハイオクガソリンの品質はほぼ同じ」と発言したのに、燃費性能に関する各社の宣伝内容に違いがあることを疑問視する声が消費者から上がっている。現在のハイオクは品質に差がなくなっているはずだが、業界最大手ENEOSのように「車の性能が上がり、ハイオクで燃費が向上するとは言えなくなった」として宣伝を取りやめた社もあれば、出光興産やコスモ石油のように燃費向上を強調し続けている元売りもあるからだ。

 ハイオクを巡っては、各社がタンクを共同利用することによる混合出荷や、自社の製油所やタンクがない供給網の空白地帯で他社製を買い取り自社製として販売するバーター取引が行われていたことが毎日新聞の報道で判明。石油連盟の杉森務会長(ENEOSホールディングス会長)は7月の定例記者会見で、こうした流通形態は物流の効率化のために2000年代に始まったと説明し、各社のハイオクの品質は「ほぼ同じ」と発言した。

 だが、ハイオクの燃費に関する各社の宣伝はまちまちだ。

 ENEOSは「ENEOSヴィーゴ」(18年に販売終了)販売時の02~10年、「燃費向上最大3%」と宣伝していたが、ジャパンエナジーと合併した10年にこの宣伝をやめた。同社はシェアの高い車を使いハイオク性能を定期的に確認しており、「車の性能が上がったため、ハイオクによる燃費向上を保証できなくなった」(同社)という。同社が現在販売する「ENEOSハイオクガソリン」も燃費向上をうたっていない。

 一方、業界2位の出光興産はハイオク「出光スーパーゼアス」について、国産車A~Dの4車種の試験結果をホームページ(HP)に載せ、B(排気量1500㏄)で最も燃費が向上したと宣伝。「レギュラー比最大2・7%低燃費!」と強調している。同社によると、このデータは08年のもので、国が定めた試験方法で測定したものだという。

 コスモ石油もハイオク「スーパーマグナム」について、国産3車種のうち、国産セダン(同2500㏄)で「レギュラー比最大2・8%燃費向上」とHPで宣伝している。同社によると、データは03年の値という。出光とコスモは取材に試験に使用した車種を明かさず、コスモは試験方法についても「開示していない」として回答しなかった。

 また、自前の製油所を持たず、ハイオクを主にコスモから仕入れているキグナス石油はハイオク「α―100」の具体的な性能データを示していないものの、「燃費を向上させる」と宣伝する。根拠を尋ねると「試験結果等を参考にしている」と回答したが、試験の詳細は明かさなかった。

 こうした各社の宣伝について、愛車レクサスにコスモのスーパーマグナムを給油し続けてきた大阪府の男性(41)は「ハイオクが同品質ということが明らかになったのに、なぜ、各社の宣伝がバラバラなのか。そもそも燃費は本当に伸びるのか」といぶかる。約20年間、中部地方でタンクローリー運転手をしている男性(55)もハイオクのユーザーで、「三重県四日市市にあるコスモの製油所からはENEOSと出光も出荷している。同品質なのに宣伝内容が違うのはおかしい。消費者軽視の態度だ」と批判する。

 エンジンの燃焼に詳しい飯島晃良・日本大准教授によると、近年はエンジンの改良が進み、燃費性能の向上は著しい。飯島氏は「燃費は燃料だけではなく、エンジン側の要因も関係してくる」と指摘。「燃料が燃費に及ぼす影響は車種や走り方などによって変わると考えられるので、全てのユーザーがハイオクによる燃費向上を実感できるわけではないだろう」と話す。

上記を踏まえ私は思った。ガソリンにかかるガソリン税・軽油引取税・石油税には二重課税の問題がある。ガソリン代は、すでにガソリン税・石油税・軽油引取税の金額が足された金額になっている。ところが、そこにさらに消費税が足されている。ガソリン関連の税金と消費税の二重課税になるという現状。しかし国や地方自治体において二重課税を解消する動きは起こらない。このガソリン不正に関しても国や地方自治体が騒ぎ立てる様子もない。つまりは何らかの癒着の力が昔から働いており、近代国家日本を蝕む癌の一つなのだと。


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