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雨を、読む。


雨の週末に読んだ本 📖
今日は本の紹介です。

『雨を、読む。』 
 佐々木まなび 芸術新聞社

芸術新聞社


私は言葉を知らなすぎるから
この本の雨の表現に魅了された

美しい日本語
言葉がそこにあって

雨祇

雨は神秘的で
恵の雨や鬼雨

人間にとっては
よくも悪きもある雨

先人たちの
研ぎ澄まされた感覚
生きるために必要なコト

知恵やいい伝え
知識として
学べる

素敵な本


そのなかの
「五感の雨」を読んで

雨は天から降ってくるもの

その雨を感じることが
私は好きなんだと気がついた
雨の日を思い出す

私のコト
私が覚えてる記憶
3歳の記憶
その日は前夜から
激しい雨が降っていた
多分、台風の日

当時
古い社宅の2階に住んでいた
出勤する父の背中を
母が見送る
私とひとつ下の妹もついて
玄関を出た
「こんな雨の日に出て行くの?」
そう思った

父は振り返りもせずに
階段を降りて行く

トタンの屋根に打ち付ける
雨の音
屋根を持ちあげそうなほどの
強い風が一瞬吹くと

雨は外階段にも降りつけ
階段を流れる水は
勢いを増す

父がこのまま帰って
来ないのではと
すごく心配したのだ

だから、鮮明に覚えている

私の記憶する日は
雨の日からはじまった。


雨の日
嫌いではない


雨の音
目に映る雨絣
雨窓雨雫
雨の表現がたくさん

どんよりとした曇り空
遠くの空も
グレーのシフォンをまとったような
雨嶂

雨のにおい
土の匂いがする
玄関先のラベンダーやローズマリー
雨の日は香りを放っている

冷たい雨も
生暖かい風を含む雨も
雨が降ると
整えてくれる

いま 
穏やかでない
私の心も
雨を降らせて
整えていく


雨を、読む。

(太字は本文より)

2023.3.29


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